ファーストリテイリング(9983)企業分析レポート
株価:48,440円(2025/08/22終値)/市場:東証プライム
本資料は公開情報に基づく整理であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値は連結ベース(IFRS)を優先。単位は断りのない限り百万円。
1. 企業情報
- 概要:国内外で「ユニクロ」「ジーユー」等を展開するSPA(製造小売)大手。セグメントは国内ユニクロ、海外ユニクロ、ジーユー、グローバルブランド(Theory、PLST、他)、その他(不動産等)。
- 特徴:シンプル・高機能の「LifeWear」戦略、グローバル展開、SPAによる需要起点のサプライチェーン運営。
- 事業構成(売上構成の目安):国内ユニクロ30、海外ユニクロ55、GU10、グローバルブランド4、他0(カッコ内は営業利益構成の参考値)。海外売上比率が高い。
- 住所・代表:山口県山口市/代表取締役会長兼社長 柳井 正
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:グローバルSPAで世界上位(世界3位クラスとされる)。ユニクロはアジア・欧米で拡大、GUも成長局面。
- 競争環境:Inditex(ZARA)、H&M等とグローバルで競合。価格・品質・サプライチェーン効率、商品の機能性とベーシックの強さが相対的な強み。
- 課題:為替(円安)による原価上昇、主要市場(例:中国)の消費動向や天候影響、人件費上昇。市場シェアの定量は非開示。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン:「グローバルNo.1アパレル企業/ブランド」を目標。人的資本投資、サステナビリティの事業一体化、情報製造小売業の進化、海外収益の多様化、グループブランド拡大。
- 重点施策(短信・会社説明より)
- 海外ユニクロの積極出店と既存店強化(韓国、東南アジア・インド・豪州、欧州・北米が堅調)。
- 中国は構造改革を進めつつ収益性重視。
- 国内ユニクロは需要予測と在庫運用精緻化で販管費効率を改善。
- GUは品揃え強化とコスト・オペレーションの最適化を推進。
- 通期見通し(会社計画・修正なし):売上 3,400,000、営業利益 545,000、親会社帰属当期利益 410,000。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:SPA一貫体制+グローバル展開。ベーシック・機能性商品を軸とした定番性によりSKUの回転を安定化。ECと実店舗の融合。
- 適応力:データ活用による需要予測、サプライチェーン短縮、為替やコスト環境の変化への価格・生産調整で対応。
- リスク要因:為替(円安の原価率押し上げ)、地域別の消費減速、天候要因、原材料・労務コスト上昇。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営:情報製造小売(データドリブン運営)、RFID等のオペレーション高度化、素材開発パートナーとの協業。
- 主力領域:ベーシック+機能性(例:機能性インナー等)を核に「LifeWear」ラインをグローバルで展開。GUはトレンド×価格訴求。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 参考指標(会社予想・実績)
- PER(予想):36.24倍(業界平均 21.3倍)
- PBR(実績):7.03倍(業界平均 1.8倍)
- EPS(予想):1,336.47円
- BPS(実績):6,893.49円
- 配当利回り(予想):0.99%(年480円、配当性向 約35.9%)
- 補足計算
- 益回り(予想EPS):約2.8%(=1/PER)
- PSR(過去12か月の売上/株):株価48,440円 ÷ 売上/株10,936.37円 ≈ 約4.4倍
- EV/EBITDA(概算):約19倍(EV ≈ 時価総額15.4兆+有利子負債0.63兆−現金1.63兆 ≈ 14.4兆円、EBITDA 約0.76兆円)
- コメント:業界平均比でマルチプルは高位。ROE19.39%と収益性は高い。数値は前提の差(IFRS区分、TTM/通期)によりぶれがある点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:
- 50日移動平均:46,920円 < 現在値 48,440円
- 200日移動平均:48,262.85円 ≈ 現在値 48,440円(やや上回る)
- レンジ比較:52週高値 55,310円/安値 41,650円、年初来高値 53,900円。現在値は52週レンジの上方帯に位置。
- 短期動向(直近10営業日):8/8以降反発後に48千円台でのもみ合い。出来高は本日50.6万株と3カ月平均(約109万株)を下回る。
- 信用動向:信用倍率0.68倍、買残減(前週比▲22.26万株)・売残増(+6.48万株)。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- 売上高:2,132,992(2021)→ 2,301,122(2022)→ 2,766,557(2023)→ 3,103,836(2024)→ 過去12か月 3,188,195
- 営業利益:248,451 → 296,265 → 379,951 → 499,486 → 過去12か月 510,100
- 親会社純利益:169,847 → 273,335 → 296,229 → 371,999 → 過去12か月 396,162
継続的な増収増益基調。
– 収益性
– 粗利率:53.8%(23/24累計、前年同期比▲0.2pt)
– 営業利益率:16.1%(2024)、過去12か月ベースは概ね16〜18%レンジ(資料により差異)
– 純利益率(TTM概算):約12%
– 効率・資本
– ROE(実績):19.39%
– 自己資本比率(実績):56.2%(短信期末 57.2%)
– 流動比率:2.57(直近四半期)
– キャッシュフロー・財務安全性
– 営業CF(TTM):624,260
– レバードFCF(TTM):580,620
– 現金同等物:1.63兆円/総有利子負債:0.63兆円 → ネットキャッシュ基調
– D/E(直近):29.22%
– セグメント(23/24期Q3累計)
– 国内ユニクロ:売上 801,422/営業利益 150,601
– 海外ユニクロ:売上 1,457,135/営業利益 240,649
– GU:売上 256,287/営業利益 26,333
– グローバルブランド:売上 100,586/営業利益 2,865
海外ユニクロが成長牽引。一方、中国の一部は減速。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2024年度 年間400円 → 2025年度会社予想 年間480円(中間240・期末240)。
- 配当性向:35.87%(予想)。5年平均利回り0.76%に対し現状0.99%。
- 自己株式:発行株式の約3.6%を保有(期末自己株式数 11,414,233株)。新規の自己株買い方針は開示情報の範囲では不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来で上昇局面を経て、直近は50日線上での保ち合い。200日線を小幅に上回る水準。
- フロー・需給:インサイダー保有比率40.88%と浮動株が相対的に限定的。信用需給は売り長(倍率0.68倍)。
- 価格変動要因
- 会社計画の進捗(海外ユニクロの出店・既存店動向)
- 為替(円安時の原価率押し上げ/海外利益の円換算押し上げ)
- 中国・欧米・ASEANの消費環境、気象要因
- 原材料・物流・人件費の動向
- 直近イベント:配当落ち日(2025/8/28予定)、決算(2025/10/9予定)
11. 総評(要点整理)
- 事業:SPAモデルと「LifeWear」に基づくベーシック・機能性の大量販売で収益を拡大。海外ユニクロが成長エンジン。
- 収益・財務:売上・利益は過去数年で着実に拡大。ROE約19%、ネットキャッシュ、自己資本比率56%台とバランス良好。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均を上回る水準。配当は増配基調で利回りは約1%。
- リスク・注視点:為替感応度、中国の消費動向、コストインフレ、天候。GUの収益性改善の進捗も論点。
- テクニカル・需給:株価は52週レンジの上方帯、50日・200日線近辺。信用は売り長で、イベント(配当・決算)前後の変動に留意。
出典:決算短信(2025年8月期 第3四半期、IFRS)、提供データ(株価・財務・指標等)。数値は資料間で基準の差により一部乖離する場合があります。詳細は原典をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9983 |
企業名 | ファーストリテイリング |
URL | https://www.fastretailing.com/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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