大氣社(1979)企業分析レポート

最終更新日: 2025-08-24
注記: 本資料は公開情報の整理・分析であり、投資助言ではありません。数値は連結ベースの会社公表値・市場データ等をもとに記載しています。

1. 企業情報

  • 概要: 空調工事大手。ビル・産業向け空調の設計・施工・保守を行う「環境システム」と、自動車等の塗装設備を手がける「塗装システム」の2本柱。自動車塗装設備は国内首位・世界2位。海外展開を積極化(東南アジア、北米、欧州等)。
  • 事業構成(2025.3期の目安): 環境システム 61%(利益率おおむね1桁後半)、塗装システム 39%(利益率一桁前半)。海外売上比率 約48%。
  • 従業員: 5,267人、平均年齢 42.3歳、平均年収 1,181万円。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • 空調工事: 国内の専業上位。大型建築・産業空調・クリーンルームなど高付加価値領域に強み。国内の主要専業他社としては高砂熱学工業、三機工業、ダイダン等が挙げられる。
    • 塗装設備: 国内首位・世界2位。グローバルでDürr(独)などと競合。
  • 競争優位性:
    • 長期の施工・保守ノウハウ、クリーン環境・省エネ設計力、塗装プラントの大型案件遂行力、海外案件の実績。
  • 課題:
    • 大型海外案件の原価・工程管理、為替・資材価格の変動、顧客産業(自動車・半導体・不動産等)の投資サイクルの影響。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/戦略(短信や事業方針の要旨):
    • 海外での大型受注拡大(特に塗装設備、欧州案件など)。
    • 国内は半導体・データセンター・再開発等の投資需要を取り込み、環境システムの高付加価値案件を強化。
    • 省エネ・脱炭素、クリーン環境、稼働効率向上に資するソリューションの拡充。
  • 2026年3月期の会社予想(2025/5/15公表、修正なし):
    • 売上高 2,790億円、営業利益 171億円、経常利益 182億円、当期純利益 120億円、EPS 185.03円。
  • 1Q(4-6月)の進捗(YoY):
    • 売上 +20.7%、営業利益 +55.3%。受注は+45.1%(特に塗装で欧州の大型案件)。繰越工事高 2,716億円に増。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 受注産業向けの設計・施工・据付・保守。繰越工事高(バックログ)により一定の売上可視性あり。保守・改修のストック性が一部を補完。
  • 適応力:
    • 脱炭素・省エネ、クリーン環境、データセンター/半導体の設備投資など構造的ニーズに合致。
    • 一方で、プロジェクト型で大型案件比重が高いセグメントは、採算と工程リスク管理が継続的な論点。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:
    • 省エネ・低CO2の空調制御、クリーンルーム設計、デジタル施工管理・遠隔監視、塗装工程の省エネ・省資源化(低VOC、熱回収等)。
  • 収益牽引:
    • 国内のビル・産業空調(環境システム)と、海外中心の自動車塗装設備(塗装システム)の大型案件。1Qでは環境システムが収益を牽引、塗装は期初フェーズ等により損失計上。

6. 株価の評価(バリュエーションの参考計算)

  • 前提: 株価 2,904円、時価総額 1,950億円、EPS(会社予想)185.58円、BPS 2,246.40円。
  • 指標:
    • 予想PER: 15.65倍(提供データと整合)。
    • 実績(LTM)PER: 約17.2倍(2,904 ÷ LTM EPS 169.3)。
    • PBR: 1.29倍(2,904 ÷ 2,246.4)。
    • EV/EBITDA: 約7.5倍[EV ≒ 1,950億 − (現金516億 − 借入200億) = 約1,634億、EBITDA ≒ 218億円]。
    • EV/売上(LTM): 約0.57倍。
  • 参考比較:
    • 業界平均PER 14.0倍、業界平均PBR 1.1倍(提供データ)。
    • 機械的試算(参考)
    • 予想EPS×業界PER 14倍 ≒ 2,600円程度
    • 予想EPS×16倍 ≒ 2,970円程度
    • BPS×業界PBR 1.1倍 ≒ 2,470円程度

7. テクニカル分析(短期)

  • 株価位置: 年初来高値 2,986円に接近(現値 2,904円)。50日線 2,663円、200日線 2,430円の上方に位置。
  • モメンタム: 8月上旬の決算後に出来高増(8/8に出来高57.8万株)、その後は高値圏でのもみ合い。10日平均出来高は3カ月平均を上回り、関心は相対的に高め。
  • 価格帯認識: 2,830円前後に短期の押し目候補、2,980~3,000円近辺は上値の節目として意識されやすい価格帯。

8. 財務諸表分析(年度推移とLTM)

  • 売上高(百万円): 2022/3 209,261 → 2023/3 214,793 → 2024/3 293,556 → 過去12か月 276,212。
  • 営業利益: 9,434 → 11,563 → 18,277 → 17,975。
  • 親会社株主帰属純利益: 7,248 → 7,917 → 15,602 → 11,026。
  • 粗利率/営業利益率:
    • 粗利率: 2024/3 約14.8% → LTM 約16.3%に改善。
    • 営業利益率: 2024/3 約6.2% → LTM 約6.5%。
  • ROE/ROA等:
    • ROE(実績)7.55%、ROE(LTM参考)8.65%、ROA(LTM)約4.9%。
    • 自己資本比率 55.2%(1Q末 56.1%)。流動比率 2.14倍、D/E(有利子負債/資本)約13%と保守的。
  • 1Q実績(2026/3期):
    • 売上 640.6億円(+20.7%)、営業益 39.8億円(+55.3%)。受注 980.1億円(+45.1%)、繰越工事高 2,716.8億円。
  • コメント:
    • 2024/3で大幅増収後、LTMは売上がやや縮小も、粗利率・営業利益率は改善。2026/3期1Qは受注・完成ともに堅調。塗装は期初損失だが、受注拡大で通期の案件消化が焦点。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当(会社予想): 年間 94円(中間40円、期末54円)、配当利回り約3.24%(株価2,904円)。
  • 配当性向(参考計算): 約50.6%(94円 ÷ 予想EPS 185.58円)。データ提供の一部に42.5%の表記もあるが、会社予想配当とEPSからの単純計算では約5割程度。
  • 自己株式: 期末自己株式数 285.1万株(約4.2%相当、株式給付信託含む)。最新の自己株買い実施有無は短信内で特記なし。
  • 株式分割: 2025/4/1に1→2の株式分割を実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落率 +21.0%、ベータ(5年)0.16と低ボラティリティ特性。
  • 信用動向: 信用買残 48,600株(前週比▲39,300)、信用倍率 5.12倍。短期の買い残は減少し、過熱感はやや後退。
  • 需給・イベント:
    • 8/8の1Q決算公表後に出来高増加、その後は高値圏での推移。
    • 海外大型受注(特に欧州塗装)や国内の半導体・データセンター関連動向が注目材料。

11. 総評

  • 事業面: 空調・塗装の二軸で国内外の設備投資需要を捉えるモデル。バックログ拡大により一定の売上可視性があり、省エネ・クリーン環境など構造テーマとの整合性が高い。一方で、プロジェクト型特有の採算・工程・為替・原材料などのリスク管理が継続課題。
  • 収益/財務: 2024/3期に増収増益、LTMでは売上調整も利益率は改善。財務体質は保守的(ネットキャッシュ、流動比率 >2倍)。
  • 株価評価: 予想PERは業界平均をやや上回る水準、PBRは実力ROE・資本効率の推移と併せて評価される局面。EV/EBITDAは7.5倍程度。高値圏での推移の中、受注消化の進捗と塗装システムの収益改善が注目点。
  • 短期視点: 2,980~3,000円近辺がテクニカルな節目。信用買残の整理が進む一方、出来高はまだ平均超で関心は継続。
  • 中期視点: 海外大型案件の遂行力、国内高付加価値領域での案件獲得、原価・工程・為替対応力が鍵。受注/繰越の推移が重要な観察指標。

注記: 本資料は事実関係の整理と数値計算に基づく情報提供です。将来の株価や業績を保証するものではありません。


企業情報

銘柄コード 1979
企業名 大氣社
URL http://www.taikisha.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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