ディップ(2379)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、ディップ(証券コード:2379)の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
株式会社ディップは、主にインターネットを活用した人材サービス事業を展開する企業です。代表的なサービスとして、アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」を運営しています。他にも、短期・単発アルバイトに特化した「スポットバイトル」、正社員・契約社員向けの「バイトルNEXT」、派遣社員向けの「はたらこねっと」、看護師専門の「ナースではたらこ」など、多様な求人ニーズに対応しています。近年では、AIやRPAなどの技術を活用したDX事業にも注力しており、採用関連業務の自動化サービス「コボット」シリーズなども提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ディップの主要事業は人材サービスであり、特にアルバイト・パート求人広告市場において主要なプレイヤーの一つです。決算短信によると、アルバイト・パート求人広告市場は緩やかな回復が続くと想定されており、同社はこの市場において営業力、サービス開発力、プロモーション力を強みとしています。具体的な市場シェアの数値は提供されたデータからは確認できませんが、大手求人情報サイトの運営を通じて一定の市場地位を確立していると考えられます。DX事業は、SaaS型サービスとして、企業の採用活動や業務効率化を支援する分野で成長を目指しています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、アルバイト・パート求人広告市場の緩やかな回復を前提としつつ、事業成長のために以下の分野を重点施策としています。
* 「スポットバイトル」の先行投資と育成: 次世代の求人市場を担うサービスとして注力。
* dip AIの活用: AI技術をサービスに組み込み、効率化と付加価値向上を図る。
* ソリューション営業体制の強化: 顧客ニーズに合わせた提案力を強化し、顧客基盤の拡大を目指す。
* DX事業の育成: 人材サービスで培ったノウハウを活かし、企業の業務自動化・効率化を支援するSaaS型サービスの拡充を進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
ディップの主要な収益モデルは、求人広告の掲載による広告収入です。景気変動や雇用環境の変化により、企業の採用意欲が変動するリスクはありますが、多角的な求人サービスを展開することでリスク分散を図っています。
また、DX事業として「コボット」シリーズなどのSaaS型サービスを提供することで、ストック型収益の比率を高め、収益基盤の安定化・強化を目指しており、これが事業モデルの持続可能性を高める要素と考えられます。AI・RPAといった技術を取り入れることで、市場ニーズの変化への適応を図っています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、AIやRPAなどの技術を活用したDX事業を育成しており、SaaS型サービス「コボット」シリーズがその主力製品です。具体的には、「面接コボット」「HRコボット」「採用ページコボット」「集客コボット for MEO」などがあります。これらのサービスは、企業の採用活動における面接日程調整、応募者管理、採用ページ作成、MEO対策といった業務の効率化・自動化を支援するものです。人材サービス事業で培った顧客接点とノウハウを活かして、新たなソリューションを提供しています。
6. 株価の評価
現在の株価2,439.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 15.95倍
* 業界平均PER(17.0倍)と比較すると、現在のPERは業界平均よりやや低い水準にあります。
* PBR(実績): 3.59倍
* 業界平均PBR(1.8倍)と比較すると、現在のPBRは業界平均より高い水準にあります。
* EPS(会社予想): 152.93円
* BPS(実績): 679.04円
* ROE(実績): 23.84%
* PBRが高い一方で、ROEが高い水準にあることから、資本を効率的に活用して利益を上げている状況が示唆されます。
7. テクニカル分析
現在の株価は2,439.0円です。
* 年初来高値: 2,527円
* 年初来安値: 1,943円
* 52週高値: 3,010.00円
* 52週安値: 1,943.00円
* 50日移動平均線: 2,348.18円
* 200日移動平均線: 2,307.30円
現在の株価は、年初来高値2,527円に近い水準に位置しています。52週高値3,010円からは下落していますが、年初来安値1,943円からは上昇しています。また、現在の株価は50日移動平均線および200日移動平均線を上回っており、中長期的な株価トレンドは上昇傾向にあると見られます。ただし、直近10日間の株価は2,496円から2,439円へとやや下降傾向を示しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で395億円(2022年2月期)から563億円(2025年2月期予想)へと一貫して増加傾向にあります。
- 営業利益: 同様に56億円(2022年2月期)から134億円(2025年2月期予想)へと増加しており、売上高の成長に伴い利益も拡大してきました。
- 純利益: 2022年2月期の34億円から2024年2月期には90億円に増加しましたが、最新の2025年2月期予想では89億円とわずかに減少する見込みです。
- ROE(実績): 23.84%、ROA(実績): 15.77%と、いずれも高い水準にあり、自己資本および総資産を効率的に活用して利益を生み出している状況が示唆されます。
- 自己資本比率(実績): 71.0%と高く、財務の安定性が伺えます。
- キャッシュフロー(直近四半期、2025年5月31日):
- 営業活動によるキャッシュフローは+2,623百万円であり、本業でキャッシュを生み出しています。しかし、前年同期の+5,942百万円と比較すると減少しています。
- 投資活動によるキャッシュフローは△2,415百万円と、前年同期の△1,171百万円から投資支出が増加しており、DX事業などへの先行投資が積極的に行われていることが推測されます。
- 財務活動によるキャッシュフローは△2,539百万円と、配当金の支払いなどによるキャッシュアウトが見られます。
- 期末の現金および現金同等物は、期首より減少しています。
- 全体像: 過去数年間は堅調な増収増益を続けていますが、直近の四半期では先行投資による販管費増加が営業利益の減少につながっています。キャッシュフローからも先行投資の状況が示唆されます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.90%
- 1株配当(会社予想): 95.00円
- 配当性向: 59.09%
- 5年平均配当利回り: 2.44%
- 2026年2月期の年間配当予想は95.00円で、2025年2月期の実績と同じ水準です。
- 提供データには、自社株買いに関する直近の具体的な開示はありませんが、株主構成には自己株式(自社(自己株口) 9.54%)が含まれており、株式付与ESOP信託などによる自己株式計上も確認されています。高い配当利回りと配当性向から、利益を株主へ還元する姿勢が伺えます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間の株価は2,496円から2,439円へとやや下降傾向にあります。
- 当日の出来高は419,300株、売買代金は1,023,915千円と、一定の取引活況が見られます。
- 信用買残は増加傾向、信用売残は大幅に増加しており、信用倍率は0.66倍と1倍を下回っています。これは、短期的な株価下落を予想する投資家が比較的多い状況を示す一方、将来の買い戻し圧力につながる可能性も考えられます。
- 株価への影響要因としては、求人市場の動向、DX事業の成長性、および先行投資の効果と費用回収のタイミングなどが挙げられます。
11. 総評
ディップは、国内のインターネット人材サービス市場において「バイトル」などの主要ブランドを運営する企業です。求人情報提供を主軸としつつ、近年はAI・RPAを活用したDX事業を新たな成長ドライバーとして育成しています。
財務面では、過去数年間において売上高・利益ともに成長を続けており、高い自己資本比率とROEから財務の健全性と資本効率の良さが示唆されます。しかし、直近の第1四半期決算では、DX事業や「スポットバイトル」への積極的な先行投資により販管費が増加し、売上高は増加したものの営業利益と純利益は減少しました。通期連結業績予想においても、売上高は増加が見込まれる一方で、先行投資の影響で営業利益等は減益となる見込みです。
株価は年初来高値圏にありつつも、52週高値からは下落しています。PERは業界平均よりやや低いですが、PBRは業界平均よりも高い水準です。株主還元は安定した配当を継続する方針であり、配当利回りも魅力的な水準にあります。
今後の焦点は、先行投資を行っているDX事業や「スポットバイトル」が計画通りに成長し、収益へと結びつくかでしょう。これらの事業が軌道に乗ることで、長期的な企業価値向上に繋がる可能性があります。
本レポートは提供されたデータに基づき、客観的な情報整理を行うものであり、特定の有価証券の購入、売却などを推奨するものではありません。投資判断は自己責任に基づいて行うようお願いいたします。
企業情報
銘柄コード | 2379 |
企業名 | ディップ |
URL | http://www.dip-net.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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