第一興商(7458)企業分析レポート

株価:1,716円(2025/08/26終値)
市場:東証プライム/卸売業(33業種)

1. 企業情報

  • 概要
    • 業務用通信カラオケ「DAM」シリーズで国内首位。業務用カラオケ機器の販売・レンタル、音源・映像配信、BGM放送、Webサービスなどを提供。
    • 直営のカラオケルーム「ビッグエコー」と飲食店舗を運営。音楽ソフトの制作・出版や家庭用「カラオケ@DAM」も展開。
    • その他にパーキング事業(「ザ・パーク」)や不動産賃貸も行う。
  • 事業構成(2025年3月期、売上構成比(カッコ内は営業利益率の目安))
    • 業務用カラオケ:41%(19%)
    • カラオケ・飲食店舗:43%(10%)
    • 音楽ソフト:4%(6%)
    • その他:12%(13%)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 業務用通信カラオケ「DAM」で業界首位。全国での機器設置・保守網、豊富な曲数・コンテンツ制作力、直営店舗網の相乗効果が強み。
  • 競争優位・課題
    • 優位性:コンテンツ(曲数・映像・採点等の機能)、B2B契約基盤、ブランド力(DAM/ビッグエコー)、エコシステム(業務用~家庭用・BGM)。
    • 課題:主要商圏での競争激化、機器入替や販促投資の負担、消費マインドや人件費・光熱費などコスト環境の変動。

3. 経営戦略と重点分野

  • 戦略の方向性(短信・開示等より)
    • 新フラッグシップ「LIVE DAM WAO!」投入で入替・卸売を推進。
    • 直営店舗のポートフォリオ最適化(出退店・既存店改善)と飲食事業の強化。
    • エルダー市場や家庭用など非ナイト需要の開拓、BGM・パーキング等の非カラオケ分野の拡大。
    • 資本効率の改善(自己株式消却5,500,000株、2025/8/18予定)。
  • 2026年3月期の会社計画(修正後)
    • 売上高 1,627億円(+6.3%)
    • 営業利益 180億円(+0.3%)
    • 経常利益 188億円(+2.2%)
    • 親会社純利益 154億円(-15.3%)
    • 期末に固定資産売却益(約40.6億円)計上予定
    • 配当予想:年67円(期末は創業55周年の記念配10円含む)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益源の多様化:業務用カラオケの販売・レンタル(継続的な利用料・メンテ収益が主体)、直営店舗の客単価・稼働、BGM放送・家庭用、パーキングなどの複線モデル。
  • 更新需要:新機種投入に伴う機器更新が売上ドライバー。コンテンツ・機能強化で利用価値を維持。
  • 変化対応:エルダー・ファミリー需要、家庭用・配信サービス、BGM・周辺サービスで裾野を拡張。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • フラッグシップ「LIVE DAM WAO!」で音響・映像・採点/分析機能を強化。大規模曲庫・権利処理のノウハウ、スターデジオAir等のBGM配信。
  • 収益牽引
    • 業務用カラオケ(DAM系)と直営カラオケ店舗が中核。その他ではパーキングが規模拡大中。音楽ソフト・出版は補完的。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,716円
  • 予想EPS(会社):147.73円 → 予想PER:約11.62倍(業界平均PER 12.1倍と概ね同水準~やや低位)
  • 実績BPS:1,111.21円 → PBR:約1.54倍(業界平均PBR 1.0倍を上回る)
  • LTM(過去12カ月)EPS:172.14円 → LTM PER:約9.96倍
  • EV/EBITDA(概算)
    • 時価総額 1,878億円、純有利子負債 ≒ 借入4,439億円 – 現金2,412億円 = 2,027億円
    • EV ≒ 1,878 + 202 = 2,080億円、EBITDA(LTM)334.5億円 → EV/EBITDA ≒ 6.2倍
  • 配当
    • 会社予想1株配当:67円 → 配当利回り:約3.90%
    • 予想配当性向(会社予想EPSベース):約45%(参考:データ上のPayout Ratio 33%は57円配当・LTM EPS前提とみられる)

(注)EV/EBITDAは概算。最新の現金・借入残高、少数株主持分等により変動します。

7. テクニカル分析

  • 価格位置
    • 50日移動平均:1,644.74円、200日移動平均:1,702.95円
    • 現在値は50日線・200日線ともに上回る(+4.3%、+0.8%程度)。
  • 高安レンジ
    • 年初来高値:1,854円(現値は約-7.4%)
    • 52週高値:1,956円(同約-12.3%)、52週安値:1,508円(同約+13.8%)
  • 直近モメンタム
    • 10日間の推移は一時上昇後に反落(1765→1737→1716)。出来高は20~48万株台で平準。
    • 信用動向:信用買残が減少、売残が増加、信用倍率1.66倍。短期的には中立~やや弱含みの需給。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結)
    • 売上高推移:947.9億(2022)→ 1,281.6億(2023)→ 1,467.5億(2024)→ 1,530.2億(2025)
    • 営業利益:▲2.9億(2022)→ 129.6億(2023)→ 186.1億(2024)→ 179.5億(2025)
    • 当期純利益:51.9億(2022)→ 83.2億(2023)→ 125.7億(2024)→ 181.8億(過去12か月)
    • 2026年3月期1Q:売上+9.9%、営業利益▲8.6%(販促・入替費増)。経常利益は営業外の改善で+9.8%。
  • 収益性
    • 粗利率:約35%(2025実績)、営業利益率:約11~12%(LTMでは約10.5%指標)。
    • ROE:16.24%(実績)、ROA:5.54%(LTM)。
  • 安全性・流動性
    • 自己資本比率:55.6%(前期末)→ 58.1%(2026/1Q)
    • 流動比率:約203%(2026/1Q)
    • 総有利子負債:443.9億円、現金等:241.2億円、D/E:約38%
  • 効率
    • EBITDA(LTM):334.5億円。減価償却の増加(機器更新)あり。
  • 特記事項
    • 2026/3/31に固定資産売却益 約40.6億円計上予定。
    • 2025/8/18 自己株式5,500,000株消却予定(資本効率に影響)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想
    • 2025年3月期:年間57円
    • 2026年3月期(予想):年間67円(期末に記念配10円を含む)
  • 配当利回り
    • 67円ベースで約3.90%(株価1,716円)。
  • 自己株式
    • 期中に自己株式消却予定(5,500,000株)。1株価値指標やEPSに正の影響が見込まれる可能性。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • ボラティリティは比較的低位(5年β:-0.05)。内外環境の影響を受けにくい傾向。
  • 短期的には新機種導入・販促強化による利益率の一時的低下、資産売却益計上、自己株式消却などイベントが観測される。
  • 配当・自己株式消却、公表済みの特別利益見込みは投資家の関心材料。反面、消費動向や競争激化、コスト上昇は慎重視の要因。

11. 総評

  • 事業面では、業務用「DAM」首位の地位、直営店舗網、BGM・家庭用・パーキング等の多角化で安定性を高めている。新機種導入期は入替・販促コストが先行する局面があり、短期の営業利益率は振れやすい。
  • 財務は自己資本比率・流動性が良好で、D/Eも抑制的。LTMベースの収益力は回復基調を維持。
  • バリュエーションは、予想PERで業界平均並み~やや低位、PBRは平均超。EV/EBITDAは概ね中位水準の印象。配当利回りは会社予想で約3.9%(記念配含む)で、自己株式消却も資本政策面のポイント。
  • テクニカルは50日・200日線上で中立~やや上向きだが、直近は短期的な押し目局面。需給は中立圏(信用倍率1.66倍)。
  • 今期は増収見込みながら純利益は会社計画で減益予想(特殊要因・費用先行等)。新機種の浸透度、店舗収益の改善度合い、非カラオケ事業の伸長が注視点。

(注記)
– 本資料は公開情報の整理であり、投資勧誘や特定銘柄の売買推奨を目的としません。
– 数値は提供データに基づく概算を含みます。最新の有価証券報告書、決算短信、IR資料でご確認ください。
– 不明事項は記載を省略しています。


企業情報

銘柄コード 7458
企業名 第一興商
URL http://www.dkkaraoke.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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