キリンホールディングス(2503)分析レポート
株価(取引時間中):2,169.5円(2025-08-26)
市場:東証プライム/食料品(Beverages – Brewers)
1. 企業情報
- 概要:酒類・飲料・医薬・ヘルスサイエンスを展開する多角化グループ。国内ビール類で首位級。海外は豪州(Lion)やアジアが主力。医薬は協和キリン、ヘルスサイエンスはファンケル、Blackmores、協和発酵バイオなどを擁する。
- 連結事業構成(売上構成の目安):酒類46%、飲料24%、医薬21%、ヘルスサイエンス7%、他1%(カッコ内の数値は過去公表の事業利益率の参照目安)
- トピック:2025年中間にIAS21改訂適用、ファンケルを100%子会社化、協和発酵バイオの一部事業(アミノ酸等)譲渡完了(2025/7/1)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内ビール類で首位級のシェアと強固なブランド群。海外は豪州・アジアに重点。
- 競争優位性:大規模サプライチェーン、価格改定の実行力、商品ポートフォリオの広さ(酒類・飲料+医薬・ヘルスサイエンス)による収益源の分散。
- 課題:国内酒類の数量トレンド(成熟市場)、為替の振れ(売上・利益に影響)、原材料価格、医薬の薬価改定影響、M&A後の統合・収益化の確度。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性:酒類・飲料の収益基盤を維持・高付加価値化しつつ、医薬・ヘルスサイエンスで成長ドライバーを確立するポートフォリオ戦略。
- 重点施策(最近の開示より)
- 価格改定・コスト適正化と原材料高の吸収、酒類ではプレミアム領域の強化。
- 医薬:グローバル品(Crysvita、Poteligeo 等)の伸長、同時にR&D投資を継続。
- ヘルスサイエンス:ファンケルの完全子会社化、Blackmoresの成長定着、バイオ事業の選択と集中(非中核の一部譲渡)。
- 財務面:構造改革費用や一時費用の計上を織り込みつつ、事業利益水準の安定化。
- 通期見通し(会社計画):売上2.44兆円(+4.3%)、事業利益2,120億円(+0.5%)、親会社株主利益1,500億円(+157.7%)、EPS 185.20円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:主力の酒類・飲料はブランド力と価格政策でキャッシュ創出力があり、医薬・ヘルスサイエンスで成長機会を追求する分散型。
- 適応力:価格改定や費用構造の見直し、M&A活用により外部環境(原材料・為替・薬価)への適応度を高める取り組みが進行。
- 留意点:為替の感応度、薬価改定、国内酒類市場の数量動向が業績ブレ要因。M&A後のシナジー具現化・統合コストの管理が継続論点。
5. 技術革新と主力製品
- 医薬:Crysvita、Poteligeo等のグローバル製品が牽引。一方でR&D投資や薬価改定の影響を受けやすい。
- ヘルスサイエンス:ファンケル(化粧品・サプリ)、Blackmores(サプリメント)が成長寄与。協和発酵バイオの一部事業譲渡で集中化。
- 製造・品質:酒類・飲料で原材料や製造コストの最適化、検査機器等の技術基盤を活用。
6. 株価の評価(バリュエーションの水準比較)
- 株価:2,169.5円
- 予想EPS:185.18円 → 予想PER ≈ 11.72倍(提供値)
- TTM EPS:66.41円 → TTM PER ≈ 32.7倍
- BPS(実績):1,384.58円 → PBR ≈ 1.57倍(提供値)
- 配当:予想年間74円 → 予想配当利回り ≈ 3.41%
- 業界平均との比較(参考):業界平均PER 19.5、PBR 1.3
- PER:予想ベースでは業界平均より低い水準、TTMでは高い水準。
- PBR:業界平均(1.3)に対してやや高い水準。
- 配当性向:TTMベース 約109%(提供値)、予想ベース 約40%(=74/185.18)。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均 2,045円、200日移動平均 2,056円に対し、現在値は上方(上昇トレンド継続の局面)。
- 価格レンジ:52週高値 2,310円、52週安値 1,902円。現在は高値圏寄り(52週高値比 約-6%、安値比 約+14%)。
- 短期値動き:8/20に年初来高値2,255円に接近後、直近は2,231→2,169円へ反落・持ち合い。出来高は直近日で3カ月平均(約293万株)を下回る。
- 信用需給:信用買残 49.8万株(前週比 減)、信用売残 13.9万株(前週比 増)、信用倍率 3.58倍。短期は買い建玉の整理と売り建玉の増加が同時進行。
8. 財務諸表分析
- 成長性(売上・利益)
- 売上高:1.82兆(2021)→1.99兆(2022)→2.13兆(2023)→2.34兆(TTM)と増収基調。
- 営業利益:680億(2021)→1,160億(2022)→1,503億(2023)→1,253億(TTM)。2023年をピークに足元は一時費用や為替の影響で減。
- 親会社株主利益:598億(2021)→1,110億(2022)→1,127億(2023)→582億(TTM)。一過性損益の影響で変動。
- 収益性
- 粗利率:約45〜46%(TTM)。営業利益率:6.04%(TTM、提供値)。純利益率:2.26%。
- ROE:実績 5.03%(TTM 4.81%)、ROA:3.46%。
- キャッシュフロー・投資
- 営業CF:2,013億円(TTM)。2025年中間は前年同期比で減少(673億円→1,087億円から減)。
- フリーCF(レバード):42億円(TTM)。M&A・投資・構造改革費用で伸び抑制。
- 財務安全性
- 自己資本比率:35.2%(2024/12末、2025/6末は34.0%)。
- 有利子負債:1.02兆円、D/E(総負債/資本)72.5%。
- 流動比率:約126%(2025/6末、短信計算)。短中期の流動性は確保。
- セグメント(2025年中間)
- 酒類:減収増益(コスト低下・費用タイミング)。
- 飲料:増収、利益は小幅減。
- 医薬:一部主力好調も薬価改定・R&D増で減益。
- ヘルスサイエンス:ファンケル連結寄与等で大幅増収増益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年通期予想 74円(中間37円実施、期末37円予想)。
- 配当性向:TTM 109%(利益減少の影響)。予想ベース 約40%。
- 自社株:自己株式比率 11.19%(期末)。過去の自己株取得の蓄積が示唆されるが、足元の新規取得計画は本データでは不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日線上で推移。8/20の高値接近後は短期調整。
- 出来高:10日平均 422万株に対し、直近日は低調(約55万株)。上昇局面の出来高増、調整局面の出来高減の組み合わせ。
- 投資家属性:機関保有比率 34.45%、インサイダー 2.87%、β 0.23(市場連動性は低位)。
- イベント:次の権利落ち日 2025/12/29。為替・原材料・薬価など外部要因のヘッドライン感応度に注意。
11. 総評(要点整理)
- 事業ポートフォリオの分散が特長で、酒類・飲料の安定収益に、医薬・ヘルスサイエンスの成長ドライバーを上乗せする構図。
- 2025年中間は為替や一時費用、薬価改定などの影響で営業・最終利益が揺れる一方、ヘルスサイエンスの寄与や酒類のコスト改善が確認される。
- バリュエーションは、予想PERは業界平均より低い水準、PBRはやや高めという水準比較。配当は予想ベースで利回り約3.4%、配当性向は予想で約40%。
- テクニカルでは中長期移動平均線上で推移し、52週高値圏寄り。短期は高値接近後の調整・持ち合い。
- 主要論点は、為替・原材料・薬価改定の外部要因管理、M&A後の統合進展と収益化、ならびに国内酒類の数量動向。
(注)本レポートは公開情報に基づく客観的な情報整理であり、投資勧誘や投資判断の提供を目的とするものではありません。数値は提示データに基づきます。
企業情報
銘柄コード | 2503 |
企業名 | キリンホールディングス |
URL | http://www.kirinholdings.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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