トスネット(4754)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、証券コード4754、株式会社トスネットの企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
株式会社トスネットは、1977年に設立された東北地方を地盤とする警備会社です。主な事業は、交通誘導警備(工事現場、イベント会場など)、施設警備(オフィスビル、商業施設、銀行、倉庫など)、列車見張り警備です。また、イベント会場などでの仮設電源供給サービスや、メーリングサービス(子会社譲渡により消滅予定)、ビルメンテナンスサービスも提供しています。特に、セコムとの提携を通じて施設警備分野での連携を強化しています。
事業内容の構成(2024年9月期)
- 警備事業:85%
- 電源供給事業:9%
- メーリングサービス:4%
- ビルメンテナンス:2%
2. 業界のポジションと市場シェア
トスネットは東北地方に強固な地盤を持つ警備会社であり、同地域での一定のポジションを確立していると見られます。全国展開を行う大手警備会社とは異なる地域密着型戦略が特徴です。セコムとの提携は、大手警備会社との協業を通じて、事業領域の拡大やサービスの質の向上に繋がる競争優位性となりえます。
警備業界全体としては、人手不足が慢性的な課題となっており、これはトスネットにとっても人材確保や人件費上昇の圧力となる可能性があります。一方で、大規模イベントやコンサートの増加は、同社の主要事業である交通誘導警備や電源供給事業にとって追い風となる市場環境です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、安定的な主力事業である警備事業の効率化と有資格者の増強を推進しています。特に交通誘導や施設警備の伸長、列車見張り警備の有資格者増強に注力する構えです。
また、イベント需要を背景に高収益を上げている電源供給事業においては、機材製作や受注拡大に積極的に取り組んでいます。
直近の重要な戦略としては、メーリングサービス事業の子会社を売却し、事業ポートフォリオの見直しと主力事業への経営資源集中を図る方針を打ち出しています。これにより、2025年9月期第4四半期には特別利益計上も見込まれています。通期業績予想は2024年11月14日公表の内容から変更されておらず、現状ではこの計画に沿って経営を進めていると判断できます。
4. 事業モデルの持続可能性
トスネットの事業モデルは、交通誘導や施設警備といった景気変動の影響を受けにくい安定的なストック型需要を持つ警備サービスを基盤としています。これに加え、イベントやコンサートの増加に伴い需要が高まる電源供給サービスが、高い収益性を伴って成長を牽引しています。
警備業界全体の人手不足は持続可能性における主要な課題ですが、同社は事業効率化や人材確保・育成に努めることで対応を図っています。メーリングサービス事業の売却は、選択と集中によりコア事業の持続可能性を高める戦略と捉えられます。
5. 技術革新と主力製品
同社が提供する主力製品・サービスは、交通誘導警備、施設警備、そして電源供給サービスです。特に電源供給事業はイベント需要の増加を背景に、売上・利益ともに成長を続けており、高収益に寄与しています。AED(自動体外式除細動器)の販売も行っています。
提供された情報からは、特定の画期的な技術革新に関する具体的な記述は少ないものの、警備サービスの質の向上や効率化に向けた取り組みは継続的に行われていると推測されます。
6. 株価の評価
現在の株価1,473.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* 1株当たり利益(EPS 会社予想): 132.75円
* 株価収益率(PER 会社予想): 11.10倍
* 1株当たり純資産(BPS 実績): 1,739.39円
* 株価純資産倍率(PBR 実績): 0.85倍
評価の視点
- PER評価: 会社予想PER 11.10倍は、現在の株価にほぼ合致しています (132.75円 × 11.10倍 ≒ 1,473.5円)。業界平均PER(15.0倍)と比較すると、現在のPERは割安な水準にある可能性があります。
- PBR評価: PBR 0.85倍は、株価が1株当たり純資産(BPS)を下回っていることを示します (1,739.39円 × 0.85倍 ≒ 1,478.5円)。業界平均PBR(1.2倍)と比較しても割安な水準にあり、企業が保有する純資産価値を株価が十分に評価していないと見ることも可能です。
これらの指標からは、現在の株価は会社予想水準には位置しているものの、業界平均PER・PBRと比較すると割安感がある状態と評価することができます。
7. テクニカル分析
現在の株価1,473円は、年初来高値1,569円(52週高値も同様)と年初来安値1,196円(52週安値1,180円)のレンジの中央より高い位置にあります。
直近10日間の株価推移を見ると、8月中旬に1,500円台半ばまで上昇しましたが、そこからはやや軟調に推移し、1,400円台後半で取引されています。50日移動平均線(1,450.42円)および200日移動平均線(1,386.11円)は現在の株価を下回っており、長期的なトレンドは安定している可能性があります。しかし、直近の高値から調整局面に入っているようにも見えます。
8. 財務諸表分析
売上高
過去数年間、売上高は増加傾向にあります。
* 2021年9月期: 9,918百万円
* 2022年9月期: 10,030百万円
* 2023年9月期: 10,937百万円
* 過去12ヶ月(2024年9月期実績): 11,559百万円
* 2025年9月期(通期予想): 11,900百万円
堅調な成長が続いており、事業拡大の成果が見られます。
利益
過去12ヶ月の純利益は891百万円と、前年(2023年9月期: 576百万円)から大きく改善しています。直近四半期の純利益成長率(前年比)も42.00%と高い伸びを示しており、収益力の回復が見られます。しかし、2025年9月期の通期予想では、親会社株主に帰属する当期純利益が620百万円と、過去12ヶ月の実績からは減少する見込みです(前期より約30.5%減)。これは、メーリングサービス子会社売却に伴う一時的な影響や、保守的な業績予想によるものなどが考えられます。
収益性指標
- ROE(実績): 11.78% (過去12ヶ月: 12.46%)
- ROA(過去12ヶ月): 4.98%
ROEは10%を優に超え、資本を効率的に活用して収益を上げていると言えます。
財務健全性
- 自己資本比率(実績): 70.8% (直近四半期: 73.8%)
- 流動比率(直近四半期): 3.63倍 (約363%)
- 負債比率(直近四半期): 10.99%
自己資本比率が非常に高く、流動比率も高いことから、財務基盤は非常に強固であり、短期・長期ともに安定した経営状態にあると評価できます。現金及び預金は5,556百万円と潤沢ですが、直近四半期では前期末からやや減少しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 2.24% (1株配当33.0円 / 株価1,473円で計算)
- 配当性向: 16.72%
- 24%の配当利回りは、現在の低金利環境下では一定の魅力があるかもしれません。配当性向が16.72%と低い水準にあるため、将来的に業績が伸びれば増配の余地があると考えられます。
また、同社は株主還元策として自社株買いも実施しており、2025年2月には67,000株(約9,688万円)の自己株式を取得しています。これは、1株あたりの価値を高める効果が期待できる株主還元策です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は、8月14日の1,569円をピークに、現在は1,473円とやや軟調な動きとなっています。出来高は少なく、日によって大きな変動があります(200株の日もあれば、9,000株の日もある)。これは、株式の流動性が比較的低いことを示唆しています。
信用取引においては信用買残が6,400株、信用売残が0株と、売り方の関心は低い状態です。
株価への影響を与える要因としては、警備業界の人手不足問題の動向、建設業界やイベント業界の活況度合い、戦略的なM&Aや事業ポートフォリオの見直し(今回のメーリング事業売却など)が考えられます。
11. 総評
トスネットは東北地方を強みに持つ地域密着型の警備会社であり、セコムとの提携を通じて事業基盤を強化しています。主力である警備事業は景気変動に左右されにくい安定的な需要があり、特に高収益の電源供給事業はイベント需要の増加を背景に成長を牽引しています。
財務面では、自己資本比率が非常に高く、流動比率も良好なことから、非常に健全な財務体質を誇ります。ROEも高く、資本効率の良い経営が行われています。
株価については、現在のPERやPBRが業界平均と比較して割安感を示しており、純資産を株価が下回るPBR1倍割れの状態です。株主還元策として配当と自社株買いを実施しており、配当性向の低さから将来的な増配余地も考えられます。
一方で、警備業界全体の人手不足は継続的な課題であり、人件費の動向や人材確保は今後の業績を左右する要因となりえます。直近の株価は、高値圏からやや調整局面に入っているものの、移動平均線上では安定した推移を示しています。メーリング事業の子会社売却による事業ポートフォリオの見直しが、今後の収益構造にどのように影響するか注目されます。
企業情報
銘柄コード | 4754 |
企業名 | トスネット |
URL | http://www.tosnet.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。