1. 企業情報
- 概要
- 西日本地盤の業務用食品卸の大手。外食産業向けのディストリビューター(業務用食品卸)が主力で、現金卸「A-プライス」によるキャッシュ&キャリー(C&C)、品質・衛生管理や業務支援システム、業務用厨房機器の販売・保守等を行うフードソリューション(FS)を展開。
- コーヒー製造、農産物生産・販売、外食店舗の内装・施工、ソフトウェア開発・保守、各種BPO、保険代理店など周辺事業も保有。
- 前期に食品スーパー事業から撤退し、卸とC&Cに経営資源を集中。
- 事業構成(2025.1期ベースの目安)
- ディストリビューター:約75%
- キャッシュ&キャリー:約18%
- フードソリューション:約5%
- 食品スーパー:約2%(撤退済み)
- 基本データ
- 設立:1947年、所在地:神戸市、従業員数:2,409人、平均年齢:43.6歳
- 上場区分:東証プライム、業種:卸売業
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 九州・西日本を中心とする業務用食品卸の有力企業。「A-プライス」により小規模外食・中食へのリーチも確保。
- 強み
- 外食特化のディストリビューション網、エリア密着の営業体制、プライベートブランド(PB)や高付加価値商材の拡充、「A-プライス」によるマルチチャネル展開。
- 課題
- 低粗利・薄利多売の構造の中で、物流費・人件費の上昇、為替や原材料価格の変動を価格転嫁・効率化で吸収する難易度。
- 海外子会社(例:シンガポール)の粗利率低下、労働力確保、B2B需要の景況・天候・イベント等への感応度。
- 市場シェア
- 具体的なシェアデータの開示はなし。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画:「SHIFT‑UP 2027」(2025/1期〜2027/1期)
- 新たな成長ステージへの変革:拠点再編(例:茨城西支店新設、京都支店新築移転)、展示商談会の継続開催、得意先深耕・新規開拓。
- 収益性向上:PB・高付加価値品提案強化、ロジスティクスの効率化、事業ポートフォリオの見直し(食品スーパー撤退)。
- サステナビリティ経営:品質・衛生管理、業務効率化支援などFS領域の提案強化。
- 企業認知度向上と株主還元の継続:配当の継続・増加方針(現行予想:年150円)。
- 2026/1期1Qの進捗(短信)
- 売上は微減(スーパー撤退影響)だが、ディストリビューター・C&Cは増収。
- 物流費上昇や海外子会社の粗利低下で営業減益、純利益は小幅増。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 主力は外食向けB2B卸(ボリューム×薄利)。C&Cは現金仕入れで荒利確保と在庫回転に寄与。FSは衛生・品質管理やシステム・機器販売で付加価値を補完。
- 持続性の観点
- 需要面:インバウンド回復やイベント(大阪・関西万博等)が外食需要を下支え。一方、物価上昇と節約志向の強まり、天候・感染症等による変動リスク。
- コスト面:物流費・人件費・為替の影響に対し、PB比率拡大、価格政策、拠点再編・効率化で対応。
- 事業再編:低採算の食品スーパー撤退により、コア事業集中で収益耐性の改善余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・サービス
- 品質・衛生管理サービス、業務支援システム、厨房機器・コーヒーマシン等の販売・保守。データ活用による提案力強化が焦点。
- 主力領域
- ディストリビューター(1Q売上4,697億円、前年同期比+4.9%):規模の経済が収益の柱。
- キャッシュ&キャリー(1Q売上1,108億円、+3.2%):「A-プライス」ブランドを軸にPB・試食販売などで客数・単価を追求。
- フードソリューション(1Q売上322億円、-9.4%):利益は増(営業+27.2%)で、付加価値提案の拡大を継続。
6. 株価の評価(2025/8/25終値ベース:3,620円)
- 予想EPS:436.95円 → 予想PER:約8.28倍(業界平均PER 12.1倍と比較して相対的に低位)
- 実績BPS:2,861.34円 → PBR:約1.27倍(業界平均PBR 1.0倍比でやや高位)
- 配当:年間予想150円 → 予想配当利回り:約4.14%
- 予想ベース配当性向:約34%(150円/436.95円)
- 参考:直近開示の配当性向(トレーリング)29.8%
- 参考EV/EBITDA(概算)
- 時価総額:約398.6億円、純有利子負債:約89.8億円(借入2,244億−現金1,346億)
- EV:約488億円、EBITDA(TTM)約98.7億円 → EV/EBITDA ≒ 4.9倍(概算)
7. テクニカル分析
- 現在株価:3,620円
- 50日移動平均:3,238円、200日移動平均:3,053円 → 価格は両移動平均を上回る
- 52週高値:3,650円、52週安値:2,486円 → 高値圏に接近
- 直近10日推移:3,470円 → 3,620円へ約+4.3%上昇。出来高は3か月平均(約5.4万株)に対し同程度〜やや下回る日が多い。
- 信用需給:信用倍率3.01倍。買残は前週比減、売残は増で、需給はやや拮抗方向。
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(連結)
- 売上高(百万円):188,567(2022)→ 215,573(2023)→ 244,930(2024)→ 246,465(TTM)
- 営業利益:-440(2022)→ 3,648(2023)→ 7,819(2024)→ 7,496(TTM)
- 当期純利益:335(2022)→ 1,007(2023)→ 3,605(2024)→ 4,485(TTM)
- マージン(TTM目安):粗利約19.9%、営業約3.0%、純利約1.8%
- ROE(実績):15.48%、ROA(TTM):4.73%
- 2026/1期1Q(累計)
- 売上:6,127億円(前年比-0.4%)、営業利益:18.0億円(-10.0%)、純利益:10.9億円(+2.0%)
- セグメント利益はディストリビューター・C&Cで減、FSで増。
- 財政状態・キャッシュ
- 現金同等物:134.6億円、総借入金:224.4億円 → 純有利子負債:約89.8億円
- 自己資本比率:34.8%(前期末)→ 31.7%(1Q末)
- 流動比率:1.14倍、D/E(総負債/資本):約72%
- 金利負担:利息費用13.3億円(TTM)、EBIT 73.2億円 → 利払い余力は確保
- コスト・特殊要因
- 物流費上昇が営業利益を圧迫。前期はスーパー撤退関連の特殊要因あり、TTMでは一過性損益の影響縮小。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025/1期:年125円(中間55・期末70)
- 2026/1期予想:年150円(中間75・期末75)
- 利回り・性向
- 予想利回り:約4.14%、予想配当性向:約34%
- 自社株
- 自己株式保有あり(期末自己株式数255,306株)。自社株買いの方針は短信上の明示なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:約+26.6%。株価は50日・200日線を上回り、年初来高値圏で推移。
- 投資家構成
- インサイダー保有比率:約27.5%、機関投資家:約21.8%、浮動株:約667万株。
- 関心材料
- 外食需要(インバウンド、イベント)、物流費・人件費、為替・原材料価格、海外子会社の収益性、PB比率・価格政策、拠点再編の効果など。
11. 総評
- トーホーは、外食向け業務用食品卸を中核に、C&CとFSを組み合わせたマルチチャネルで事業を展開。食品スーパー撤退によりコア事業へ集中を進めており、PBや高付加価値提案、拠点再編による効率化が中計の柱。
- 財務面では売上は堅調、利益は物流費や海外子会社の粗利率低下の影響を受けつつも改善基調。1Qは増収領域と減益要因が混在。自己資本比率は借入増でやや低下、流動性は確保。
- バリュエーションは、予想PERが業界平均比で相対的に低位、PBRはやや高位。配当は予想利回り約4%台。株価は移動平均線上で年初来高値圏に位置。
- 今後は、ロジコスト・人件費のコントロール、価格転嫁・PB強化、FSの付加価値拡大、海外子会社の収益性改善が収益水準を左右する論点。
企業情報
銘柄コード | 8142 |
企業名 | トーホー |
URL | https://www.to-ho.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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