1. 企業情報
- 概要:産業用ゴム部品・ゴム引布などの産業資材を主力とし、電気・電子向け材料、救命・防災製品、ガス・水道向け制御部品、そしてカーボン製ゴルフシャフト(VENTUS、SPEEDER ほか)などを展開。1901年創業、2019年に「藤倉ゴム」から現社名へ。フジクラ系。
- 事業構成(2025.3期 会社開示ベース)
- 産業用資材:売上比率 57%(参考:利益率 約1%)
- 引布加工品:同 8%(参考:利益率 約-4%)
- スポーツ用品:同 33%(参考:利益率 約40%)
- その他:同 1%(参考:利益率 約8%)
- 所在地・規模:東京都品川区/連結従業員2,317名、平均年齢41.6歳
- 上場市場:東証プライム(33業種:ゴム製品/17業種:自動車・輸送機)
- 代表者:森田 健司
2. 業界のポジションと市場シェア
- 産業資材・ゴム引布:国内で伝統あるプレーヤー。自動車・住宅設備・電気電子など複数市場へ供給し、用途多様性が強み。一方、原材料・燃料価格や為替の変動、顧客業界の需要循環が収益に影響しやすい。
- ゴルフシャフト:プレミアム帯で国内外の認知度が高く、ツアー使用増などブランド力を活用。競合は三菱ケミカル、トゥルーテンパー/Project X、グラファイトデザイン等。明示的な市場シェアデータは未開示。
- 課題:産業用資材・引布加工品の採算改善、地域別需要(中国自動車、米国小型エンジン等)の弱含み対応、アウトドア市場の低調。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針(短信・開示より抽出)
- 産業用資材:自動車・住宅設備向けの回復取り込み、価格転嫁やコスト管理で収益性を改善。
- 引布加工品:電気・電子分野や防衛・舶用品など需要分野の拡大、価格政策で採算是正。
- スポーツ用品:グローバルでのプレミアムゴルフシャフト強化(プロ使用・販促効果の継続)。
- 2026.3期会社計画(据え置き)
- 売上高 407億円、営業利益 50億円、経常利益 52億円、純利益 38億円、EPS 193.73円(会社予想)
- 方針の背景:為替換算方法の見直し(在外子会社を期中平均へ)、原材料・燃料価格や地政学リスク、関税政策など外部環境の変動に配慮。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:産業用の継続的な部材供給(反復需要)と、スポーツ用品のブランド・技術優位に基づく高付加価値モデルの組み合わせ。
- 強み:多分野・多製品への分散、ネットキャッシュ、自己資本比率70%超の財務余力。
- 留意点:セグメント利益の大宗がスポーツ(ゴルフシャフト)に集中。需要循環や嗜好変化、為替・原材料価格の変動に対する耐性が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品群:振動制御・耐久性に優れたコンポジット(ゴルフシャフト)、電気・電子向け導電・帯電防止・EMIシールド材、プリンテッドエレクトロニクス用シリコーンブランケット、マグネシウム空気電池、防災・救命製品、風力ブレード保護シートなど。
- 収益牽引:スポーツ用品(ゴルフシャフト)。2026.3期1Q、スポーツ用品のセグメント利益は1,556百万円で全社営業利益の大半を寄与。
- 産業用途:自動車・住宅設備、電気電子、医療関連部品、防衛・舶用品等、用途拡大と価格政策で採算改善を継続。
6. 株価の評価(2025/8/26 終値 1,883円)
- PER(会社予想):約9.5倍(業界平均 10.3倍)
- PBR(実績):約1.05倍(業界平均 0.9倍)
- BPS:1,802.22円 → PBR ≒ 1,883 / 1,802.22 = 約1.04倍
- EPS(会社予想):198.35円
- 配当利回り(予想):約3.5%(1株配当 66円、予想配当性向 約32%)
- EV/EBITDA(概算・LTM):EV ≒ 時価総額442億 + 有利子負債36億 – 現金105億 = 約373億円、EBITDA ≒ 68.7億円 → 約5.4倍
- PSR(概算・LTM):時価総額442億 / 売上高約413億円 ≒ 約1.07倍
- コメント(定量比較):PERは業界平均比で相対的に低く、PBRは平均を上回る水準。ネットキャッシュを考慮したEV倍率は中位レンジの印象。
7. テクニカル分析
- トレンド:終値1,883円は50日移動平均1,585円、200日移動平均1,486円を上回る推移。
- 位置づけ:52週高値1,920円に接近(52週安値1,118円)。年初来高値圏に位置。
- 出来高:10日平均13.6万株 > 3カ月平均7.6万株で増加基調。
- 信用動向:信用倍率15.53倍、買残増(+29,100株)。短期の需給要因に注意が必要な局面。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(単位:百万円)
- 売上高:2022/3 37,191 → 2023/3 40,687 → 2024/3 37,785 → 過去12か月 41,325
- 営業利益:4,161 → 4,432 → 3,625 → 4,808
- 純利益:4,063 → 3,948 → 3,252 → 3,888
- EBITDA:6,691 → 6,513 → 5,662 → 6,442
- 収益性・効率性(LTMベースの提供指標)
- 営業利益率 14.54%、純利益率 9.54%
- ROE 12.20%(実績10.96%)、ROA 7.39%
- 財政状態(2026.3期1Q)
- 総資産 472億円、自己資本比率 73.1%、流動比率 405%
- 現金等 105億円、有利子負債 36億円 → ネットキャッシュ約69億円
- D/E(有利子負債/純資本)約10.4%
- 四半期動向(2026.3期1Q・前年同期比)
- 売上高 +10.9%、営業利益 +61.4%、純利益 +14.9%
- セグメントではスポーツが利益牽引、産業用資材・引布加工品は採算改善傾向。
- 備考:会計方針変更(在外子会社の為替換算)を遡及適用。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025.3期 実績 年間64円、2026.3期 会社予想 年間66円(中間33円・期末33円)
- 予想配当性向:約32%
- 自己株式:17.06%(株主名簿ベース 4,000,000株)。1Q短信では4,287,066株と記載。自己株式が多く、実質流通株式は限定的。
- 自社株買い等:足元での新規実施は資料に記載なし(方針不明)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+57.1%(市場平均を上回る伸長)
- 需給:信用買いが積み上がる一方、流通株が相対的に少なく、短期のボラティリティ要因になり得る構造。
- 予定イベント:
- 決算発表:2025年8月上旬に1Q発表済
- 権利落ち日:2025年9月29日(予想配当66円/年)
11. 総評
- 定量面:売上・利益は2024.3期の一時的な減少から回復。LTMで収益性・ROEともに二桁水準。ネットキャッシュ・高自己資本比率で財務安全性が高い。
- 事業面:利益の柱はプレミアム・ゴルフシャフト。産業用資材・引布加工品は価格転嫁や需要回復で採算改善中。需要循環(自動車・アウトドア・地域別)と原材料・為替の変動が主要リスク。
- バリュエーション:PERは業界平均比で相対的に低く、PBRは平均をやや上回る。EV/EBITDAは中位水準。配当利回りは約3.5%。
- マーケット側面:株価は52週高値圏で移動平均線上方、出来高増加と信用買い残の積み上がりが観測される。
企業情報
銘柄コード | 5121 |
企業名 | 藤倉コンポジット |
URL | https://www.fujikuracomposites.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – ゴム製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。