ハウス食品グループ本社(2810)企業分析レポート

株価:2,852.5円(2025-08-27)/市場:東証プライム/業種:食料品(Packaged Foods)

1. 企業情報

  • 概要・事業内容
    • 香辛・調味加工食品(カレー・シチュー用ルウ、レトルト、スパイス、でんぷん麺等)、健康食品(機能性飲料・栄養補助)、海外食品(米国の豆腐・PBF、中国・東南アジアの機能性飲料等)、外食(壱番屋)、その他食品関連(総菜・冷凍野菜・物流・分析・農業等)を展開。
    • 歴史:1913年創業、2013年に持株会社体制へ移行。
    • 事業構成(連結/売上構成比・営業利益率の目安):香辛・調味40%(10%)、健康5%(14%)、海外19%(5%)、外食19%(6%)、その他17%(2%)。
    • 海外売上比率:約25%(2025.3期)。
  • 特徴
    • 国内カレールウで首位。健康飲料(C1000など)や乳酸菌事業を拡大。海外は米国の豆腐事業が柱。子会社に壱番屋(カレーハウスCoCo壱番屋)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内カレールウ市場でトップメーカー。ブランド資産と販路の厚みが強み。
  • 市場シェア(参考・短信記載)
    • ルウカレー:同社金額シェア 61.3%(2026年3月期1Q時点の参考値)。
  • 競争優位性
    • 強固なブランド、広範な商品ポートフォリオ(家庭用と業務用、内食~中食~外食まで)、高い財務安全性(自己資本比率約68%)。
  • 課題
    • 原材料高・為替のコスト圧力、米国豆腐・PBF(植物性代替肉等)の収益改善、天候・現地事情に左右されやすい海外飲料。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方針(短信より)
    • 「第八次中期計画」を推進。グローバルなバリューチェーン構築、ROIC経営、損益構造改革、コスト対応を重点。
  • 重点分野・施策
    • 香辛・調味:価格改定と需要平準化、業務用強化。
    • 健康食品:機能性飲料(C1000等)の育成、原材料高への対応。
    • 海外食品:米国大豆(TOFU)事業の生産トラブル対応・収益構造改革、中国のカレー市場深耕、東南アジア飲料の販売施策見直し。
    • 外食(壱番屋):価格改定・限定メニュー等で増収基調の継続を図る。
    • 資本政策:自己株式取得(2025年5月に61.0万株)など機動的な株主還元も実施。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 定番食品(カレー・シチュー・スパイス)と健康飲料、外食の組み合わせで安定性。海外(特に米国豆腐・中国カレー)で成長余地。
  • 需要変化への適応力
    • 価格改定や商品設計で原材料高に対応。業務用・外食や海外の多面展開でリスク分散。PBF・乳酸菌など新カテゴリの開拓継続。
  • リスク
    • 原材料・エネルギー高、為替、天候、製造トラブル、海外の需要変動。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 香辛・調味の配合技術、機能性飲料・乳酸菌領域での商品開発、豆腐製造技術など。
  • 主力・牽引商品(短信内の動向)
    • C1000:前年同期比107.3%と堅調。
    • ウコンの力・1日分のビタミン:減少傾向。
    • 海外:中国の家庭用カレーは回復、米国大豆は生産トラブル・PBF苦戦。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現状
    • 株価 2,852.5円、時価総額 約2,806億円。
    • 予想EPS 138.64円 → 予想PER 約20.6倍(会社公表20.55倍)。
    • 実績BPS 3,102.36円 → PBR 約0.92倍。
    • 予想配当 48円 → 予想配当利回り 約1.68%、配当性向 約36.4%。
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER 19.5倍、PBR 1.3倍。
    • 本銘柄はPERがやや上、PBRは下回る水準。低ROE(実績4.27%)と高自己資本がPBRに反映。
  • EV/EBITDA(概算)
    • 現金86,640百万円、負債20,250百万円 → ネットキャッシュ約66,390百万円。
    • EV ≈ 280,671 − 86,640 + 20,250 ≈ 214,281百万円。
    • EBITDA 31,350~35,555百万円 → EV/EBITDA 約6.0~6.8倍。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日移動平均:2,832円、200日:2,818円。株価は両移動平均を上回るレンジで推移。
    • 年初来高値:2,957円、年初来安値:2,602円。現状は年初来高値に近い上部レンジ(52週高値3,100円比では約8%下)。
  • モメンタム
    • 直近10日:2,845~2,862円の狭いボックスで小動き、出来高は3カ月平均を下回る日が多い。
    • ベータ(5年):0.06と低く、市場連動性は小さい。
  • 信用需給
    • 信用倍率0.51倍(売り長)。短期的な需給は上値・下値いずれにも振れやすい要因となり得る。

8. 財務諸表分析

  • 成長性(売上)
    • 売上高:253,386(2022/3)→ 275,060(2023/3)→ 299,600(2024/3)→ 315,418(過去12か月、百万円)と拡大(3年CAGR約+7~8%)。
  • 収益性
    • 営業利益:19,227 → 16,686 → 19,470 → 20,003(百万円)。マージンは中位シングル(四半期では1Q 4.5%)。
    • 当期純利益:13,956 → 13,672 → 17,580 → 12,493(百万円)と変動。
    • ROE:3.85~4.27%(実績)。ROA:2.52%。
  • 効率性・安全性
    • 自己資本比率:67.3%(1Qは68.2%)。流動比率:約314%。
    • 総資産:約4,255億円(2025/6月末)。有利子負債は小さくネットキャッシュ基調。
  • キャッシュフロー
    • EBITDA:31,350~35,555百万円。減価償却費:年1,406億円相当(注:表記は百万円=14,068百万円)。
  • セグメント(2026年3月期1Q)
    • 売上:香辛・調味 29,761、健康 4,072、海外 15,912、外食 15,744、その他 12,781(百万円)。
    • 営業利益:香辛・調味 1,167、健康 356、海外 1,328、外食 933、その他 199。海外と外食が利益寄与を拡大。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 年間48円(中間24円・期末24円)予想。利回り約1.68%。5年平均利回り1.52%。
  • 自社株買い
    • 2025年5月に自己株式61.0万株取得。1Q末の自己株式:4,988,452株(発行株式の約5.1%)。
  • 方針
    • 安定配当を継続しつつ、機動的な自己株取得も実施。配当性向は約36%。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の変動傾向
    • 2,800円台前半~後半での持ち合い。ボラティリティ低位、出来高は平常よりやや低めの日が多い。
  • 関心材料
    • 原材料高・為替動向、米国豆腐事業の生産トラブル収束と収益改善、中国の需要回復度合い、外食(壱番屋)の客数・単価動向、価格改定の浸透度。
    • 自己株買いの継続有無、ROIC改善の進捗。

11. 総評

  • まとめ
    • 国内カレールウで圧倒的首位と強固な財務体質を基盤に、海外(米国豆腐・中国カレー)と外食が利益を牽引。1Qはコスト増と需要反動で減益だが、通期は増益計画を維持。
    • バリュエーションはPERが業界平均並~やや上、PBRは1倍を下回る水準。ROEは低めで、収益性向上(特に海外大豆・PBFの立て直し、コスト対応)と資本効率改善が注目点。
    • テクニカル面は移動平均線上での小動き。需給は売り長(信用倍率0.51)で、材料次第での変動余地に留意。
  • 注意
    • 本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。最新のIR資料・決算短信等の原資料をご確認ください。

(参考データ)
– 通期会社予想(修正なし):売上高333,000百万円、営業利益21,500百万円、純利益13,000百万円、EPS 137.98円
– イベント:決算発表(2025-07-31実施済)、権利落ち予定日(2025-09-29)


企業情報

銘柄コード 2810
企業名 ハウス食品グループ本社
URL http://housefoods-group.com/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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