以下、株式会社ユニバーサルエンターテインメント(証券コード: 6425)に関する企業分析レポートです。

1. 企業情報

株式会社ユニバーサルエンターテインメントは、主にパチスロ機やパチンコ機の研究・開発・製造・販売を行う「遊技機事業」と、フィリピンで統合型リゾート(IR)「オカダ・マニラ」を運営する「統合型リゾート(IR)事業」を展開しています。かつてはアルゼ株式会社の名称で知られていました。連結事業割合は、遊技機事業が売上高の35%(営業利益17%)、IR事業が売上高の65%(営業利益4%)を占めています(2024年12月期実績より)。

2. 業界のポジションと市場シェア

ユニバーサルエンターテインメントは、パチスロ機市場において主要メーカーの一つとして位置付けられています。スマートパチスロやスマートパチンコといった新しい技術への対応を進めており、遊技機事業は好調を維持しています。一方、IR事業ではフィリピンで大規模なカジノリゾート「オカダ・マニラ」を運営しており、現地の統合型リゾート市場において存在感を示しています。
しかし、IR事業に関しては、最近の決算短信ではインバウンド需要の回復の遅れやVIPマーケットの落ち込み、為替変動(円高ドル安)が収益に影響を与えているとされており、市場環境の変化への適応が課題となっています。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、遊技機事業とIR事業の両輪で成長を目指す戦略を掲げています。
遊技機事業においては、スマスロ・スマートパチスロ機の増産や新機種の継続的な投入(例: 『沖ドキ!ゴージャス』の増産、新機『アレックス ブライト』の投入)を通じて、販売台数の拡大と市場シェアの維持・向上を図る方針です。
IR事業においては、インバウンド需要の完全回復を見据えながら、非ゲーミング分野(ホテル、飲食、エンターテイメント)の強化や設備のリニューアル(コーラルラウンジ等)による来客誘致、およびマーケティング体制の強化を重点分野としています。
為替変動や多額の金融費用が業績に与える影響も大きく、これらに対する財務戦略も重要な要素であると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、国内の遊技機市場とフィリピンのIR市場という異なるセグメントに分散されています。
遊技機事業は、スマート遊技機など技術革新を取り入れながら、遊技客のニーズに応える製品開発を続けることで持続性を図っています。市場の規制や流行の変化への対応力が鍵となります。
IR事業は、観光客の誘致やカジノ需要に大きく依存するため、経済状況、為替動向、地政学的リスク、競合環境の変化に影響を受けやすい性質があります。インバウンド需要の回復と施設のリニューアルによる競争力強化が、この事業の持続可能性を高める要素となります。
多額の有利子負債による金利負担や為替変動リスクへの対応も、事業全体の持続可能性を評価する上で考慮すべき点です。

5. 技術革新と主力製品

遊技機事業では、パチスロ機、特に「スマスロ」や「スマートパチスロ」が主力製品であり、これらの新技術を搭載した機種が好調な販売実績を牽引しています。具体的な技術開発の詳細についての記載は限られていますが、スマート遊技機への対応が技術革新への積極的な取り組みを示しています。
IR事業における主力は、フィリピンに位置する統合型リゾート「オカダ・マニラ」です。カジノだけでなく、ホテル、レストラン、ショッピング、エンターテイメントといった多角的なサービスを提供し、収益を生み出しています。

6. 株価の評価

現在の株価1,017.0円に基づき、各種指標を評価します。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS 10.32円に対し、予想PERは98.45倍です。業界平均PERが10.7倍であるため、現在の株価は業界平均と比較して高いPER水準にあります。これは、最新の決算で純損失を計上しているものの、通期では少額ながら利益を見込む(予想EPS10.32円)ことから、一株利益に対して株価が高く評価されている状況を示唆している可能性があります。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS 4,546.47円に対し、実績PBRは0.22倍です。業界平均PBRが0.7倍であるため、現在の株価は業界平均と比較して低いPBR水準にあります。これは、純資産(主にIR事業の固定資産)に対して株価が割安であると見なされる余地があるものの、現在の収益性(特に純利益の赤字)が株価を押し下げている可能性も考えられます。

これらの指標から、PERは高水準、PBRは低水準という乖離が見られます。これは、直近の業績(純損失)と、IR事業の固定資産の価値評価との間で市場の評価が分かれている状況とも解釈できます。

7. テクニカル分析

直近の株価推移を参照すると、現在の株価1,017.0円は以下の位置にあります。
* 年初来高値(1,244円)と比較すると約18%低い水準です。
* 年初来安値(786円)からは約29%高い水準です。
* 52週高値(1,473.00円)からは約31%低い水準です。
* 52週安値(786.00円)からは約29%高い水準です。
* 50日移動平均線(984.48円)は上回っています。
* 200日移動平均線(1041.53円)は下回っています。

直近10日間の株価は概ね1,000円前後のレンジで推移しており、本日は高値で引けましたが、明確な上昇トレンドや下降トレンドは見られません。全体的には年初来高値から調整局面にある中で、現在の株価は短期的な節目を上回っていますが、中長期的な移動平均線は下回っており、方向感が定まっていない状況にあると言えます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去12か月の売上高は1,263億円ですが、2023年12月期の1,789億円から減少しています。2025年12月期中間期は621億円で、前年同期比で微減となりました。遊技機事業は好調だったものの、IR事業の減収が影響しています。
  • 営業利益: 過去12か月の営業利益は30億円と、2023年12月期の304億円と比較して大幅に減少しました。2025年12月期中間期も8億4,700万円と前年同期から74.0%の大幅減益となっています。IR事業の営業損失が全体に大きく影響しています。
  • 経常利益/損失: 過去12か月の経常損益は68億円の損失を計上しています。2025年12月期中間期には147億円の大幅な経常損失を計上しており、主として為替差損80億円と多額の金融費用(利息支払54億円)が影響しています。
  • 純利益/損失: 過去12か月の純損益は155億円の損失、2025年12月期中間期は98億円の純損失を計上しています。経常損失が直接的に純損失につながっています。
  • ROE(自己資本利益率): 実績は-4.11%、過去12か月では-6.96%とマイナスであり、自己資本を効率的に活用して利益を生み出す力が低下している状況を示しています。
  • ROA(総資産利益率): 過去12か月で-0.10%とマイナスであり、総資産に対する利益率が低い状況です。
  • 自己資本比率: 実績は58.4%、2025年中間期は59.3%と高水準を維持しており、財務基盤の安定性は一定程度保たれていると言えます。しかし、総負債が1,736億円に上り、有利子負債の負担は大きい状況です。
  • キャッシュフロー: 2025年中間期の営業活動によるキャッシュフローは71億8,000万円のプラスを確保しているものの、投資活動によるキャッシュフローは49億円のマイナス、財務活動によるキャッシュフローは3億5,100万円のマイナスとなっています。多額の利息支払が営業キャッシュフローを圧迫している点も確認できます。

総じて、遊技機事業は堅調な一方で、IR事業の苦戦に加え、為替変動と多額の金融費用が収益を大きく圧迫し、直近では損失計上が続いています。自己資本比率は高いものの、有利子負債の負担が収益性に影響を与えています。

9. 株主還元と配当方針

現在の会社予想配当利回りは0.00%、1株配当(会社予想)も0.00円となっています。2025年12月期の年間配当予想も0.00円と発表されています。直近の決算短信においても、2025年12月期中間配当は0.00円と記載されており、現時点では配当による株主還元は行われていない状況です。
なお、企業財務指標には「Forward Annual Dividend Rate 4: 60」「Forward Annual Dividend Yield 4: 6.20%」との記載がありますが、会社が発表している最新の決算短信(2025年12月期中間期)の配当予想では0.00円となっています。今後の配当は会社の業績推移と配当方針によって決定されると考えられます。
主要株主はオカダ・ホールディングスが67.9%を保有しており、安定株主が大きな割合を占めています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近10日間で1,000円前後での推移が見られ、明確な上昇または下降の勢いは確認されません。本日終値1,017円は前日比で上昇していますが、出来高は74,400株とここ数日の平均(3ヶ月平均271k株、10日平均198k株)と比較すると低い水準にあります。
信用取引においては、信用買残が信用売残を大幅に上回る(信用倍率27.19倍)状況であり、買い方のポジションが多い状態です。
株価変動の要因としては、遊技機事業における新機種のヒット状況、IR事業(オカダ・マニラ)の業績回復度合い、特にインバウンド需要の動向、フィリピン経済の状況、そして為替相場の変動(円高)や金利動向による金融費用への影響などが考えられます。今後の業績動向、特にIR事業の改善と金融費用の負担軽減が投資家の関心を集める可能性があります。

11. 総評

ユニバーサルエンターテインメントは、国内の遊技機事業とフィリピンのIR事業という二つの主要事業を展開しています。遊技機事業はスマスロ・スマートパチスロ機の投入により好調を維持している一方で、IR事業に関しては、インバウンド需要の回復遅れやVIPマーケットの低迷により苦戦しており、最近の決算では営業損失を計上しました。
連結ベースでは、遊技機事業の堅調さだけではIR事業の苦戦や多額の為替差損、高水準の金融費用を補いきれず、直近の2025年12月期中間期決算では大幅な経常損失および純損失を計上しています。PERは会社予想利益で見ると市場平均より高い水準にありますが、PBRは純資産に対して低い水準にあります。自己資本比率は高く、財務基盤の安定性は一定程度保たれていますが、多額の有利子負債による金利負担は経営上の課題となっています。
今後の業績は、IR事業におけるインバウンド需要の回復と非ゲーミング分野の強化、遊技機事業での継続的なヒット機種創出、そして為替相場や金利の動向が大きく影響すると考えられます。現在のところ、配当による株主還元は予定されていません。


企業情報

銘柄コード 6425
企業名 ユニバーサルエンターテインメント
URL http://www.universal-777.com
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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