以下は、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(証券コード: 4576)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、2004年に設立された三重大学発の創薬バイオベンチャー企業です。主要事業は創薬であり、特にプロテインキナーゼ阻害剤開発技術を基盤とした眼病治療薬の開発に注力しています。現在、緑内障治療薬GLANATECやGLA-ALPHA、眼科手術補助剤DW-1002などの製品が上市されており、フックス角膜内皮変性症治療薬K-321(第III相臨床試験中)など、複数の開発パイプラインを有しています。本社は名古屋市に位置し、従業員数は21名です。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は特定の技術(プロテインキナーゼ阻害剤)と疾患領域(眼科領域)に特化した創薬ベンチャーとして活動しています。事業モデルは自社研究開発を通じて新薬候補物質を創出し、そのライセンスアウトによりロイヤリティ収入を得る形態が中心です。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、創薬ベンチャーは、革新的な医薬品開発の可能性を追求する一方で、臨床開発の高いハードルや大規模な資金調達の必要性、大手製薬企業との競争といった課題に直面する傾向があります。
3. 経営戦略と重点分野
同社の経営戦略は、眼科領域を主要なターゲットとし、自社が持つプロテインキナーゼ阻害剤技術などを活用して候補化合物の探索を推進することにあります。大学との共同研究も積極的に行いながら、開発した医薬品候補を大手製薬企業等にライセンスアウトし、その進捗とロイヤリティ収入確保を目指しています。また、複数の開発パイプラインの着実な進捗が重要な戦略的重点分野となっています。2025年12月期中間期の決算短信によれば、継続して研究開発投資を行いながらも、開発フェーズに応じた費用コントロールを行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、自社が創出した新薬候補物質を外部の提携先にライセンスアウトし、臨床開発や販売を委ねることで、主にロイヤリティ収入を得るというものです。このモデルは、開発リスクの一部を提携先に分担させつつ、自社は研究開発に集中できる利点があります。収益の安定性は、複数の開発パイプラインが上市に至り、各提携先による販売が順調に進むかどうかに依存します。
損益計算書からは継続的な営業損失と純損失が報告されており、多額の研究開発費が先行している状況です。これが創薬ベンチャーの事業特性でもありますが、安定的な収益基盤の確立が持続可能性の課題となります。ただし、決算短信には「継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識」しており、当面の事業継続に必要な資金は確保できている旨が記載されています。
5. 技術革新と主力製品
同社の技術基盤は、プロテインキナーゼ阻害剤の開発技術にあります。この技術を応用し、複数の医薬品を開発しています。
上市済みの主力製品・ライセンスアウト品:
- GLANATECおよびGLA-ALPHA: 緑内障/高眼圧症治療用点眼液。
- DW-1002: 眼科手術補助剤。欧州や米国、中国、タイなどでライセンスアウトや承認・上市が進んでいます。
主な開発パイプライン:
- K-321(フックス角膜内皮変性症治療薬): 米国・欧州等でグローバル第III相臨床試験進行中。興和へライセンスアウト。
- H-1337(緑内障・高眼圧症治療薬): 米国で後期第II相臨床試験進行中(自社開発)。
- DW-5LBT(帯状疱疹後の神経疼痛治療薬): 米国で申請中(メドレックスと共同開発)、今後の承認審査動向が注目されます(PDUFA date 2025/9/24)。
- DWR-2206(水疱性角膜症治療薬): 日本で第II相臨床試験進行中(アクチュアライズと共同開発)。
- その他、新規パイプラインとしてH-1129(角結膜疾患)の決定も発表されています。
6. 株価の評価
- 株価: 103.0円
- EPS(1株当たり利益、会社予想): -15.19円(連結)
- BPS(1株当たり純資産、実績): 19.33円(連結)
- PER(株価収益率): 算出不可(EPSがマイナスのため)
- PBR(株価純資産倍率、実績): 5.33倍(連結)
同社は現在、利益がマイナスの赤字企業であるため、PER(株価収益率)は算出されません。PBR(株価純資産倍率)は5.33倍となっており、現在の株価は1株あたり純資産の5.33倍の水準で評価されていることになります。バイオベンチャー企業では、将来の成長期待からPBRが高くなる傾向が見られることもあります。株価が純資産に対してどの程度のプレミアムがあるかを示す指標として参考にされます。
7. テクニカル分析
現在の株価103円は、年初来高値197円や52週高値254円からは大きく下落した水準にあります。一方で、年初来安値87円や52週安値64円からは、やや高い水準です。
50日移動平均線(120.20円)と200日移動平均線(123.30円)を現在の株価が下回っており、短期および長期の両方で下降トレンドにある可能性が示唆されます。過去10日間の株価推移を見ても、119円から103円へと軟調な動きが観測されています。現在の株価は、全体的なトレンドとしては安値圏に近い位置にある可能性があります。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12か月で471,580千円(約4.7億円)の売上を計上していますが、2025年12月期第2四半期の中間期売上高は173百万円と前年同期比で22.5%減少しています。主にライセンス収入・ロイヤリティによるものです。
利益: 営業利益、経常利益、純利益の全てが継続的に赤字となっています。過去12か月では営業損失が約12億円、親会社株主に帰属する純損失は約13億円と、赤字幅は拡大傾向にあります。これは、新薬開発に伴う多額の研究開発費が先行している創薬ベンチャー特有の財務状況を示唆しています。
2025年中間期では営業損失は△309百万円で前年同期の△449百万円から改善しています。これはH-1337の臨床試験費用減少が主因と説明されています。
キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは継続してマイナスであり、過去12か月で約-7.2億円、2025年中間期でも約-2.1億円の流出となっています。これは事業規模の拡大と研究開発投資を継続的に行っているためと考えられます。
収益性指標: ROE(自己資本利益率)は-128.29%、ROA(総資産利益率)は-37.31%と、いずれも大幅なマイナスであり、資本や資産を効率的に活用して利益を上げている状況ではありません。
財務安全性: 自己資本比率は43.9%(2025年中間期末は58.4%)と比較的高水準にあります。流動比率は12.76と高い水準であり、短期的な支払い能力は確保されていると考えられます。総負債も直近四半期で5.17億円であり、自己資本に対する比率(Total Debt/Equity)は58.48%です。純資産は中間期末に884百万円と前期末から増加していますが、これは中間純損失の計上による利益剰余金の減少を、新株予約権の行使等による資本金・資本準備金の増加が上回ったためです。
9. 株主還元と配当方針
同社は、現在配当を行っていません。会社予想の1株配当は0.00円、配当利回りも0.00%です。研究開発が先行する創薬ベンチャーの事業特性上、株主への直接的な利益還元よりも、事業成長のための研究開発投資を優先する方針であると考えられます。自社株買いなどの株主還元策に関する情報も提供されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は119円から103円へ下降傾向にあり、モメンタムは軟調です。出来高は本日250万株と活発ですが、直近でも比較的高水準の出来高となる日が多く、投資家の関心は一定程度あると考えられます。
信用取引においては、信用買残が5,770,300株と多く、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、将来の株価上昇を期待して買い建てている投資家が多いことを示唆しています。
株価に影響を与える主な要因としては、開発パイプラインの臨床試験結果や承認の進捗、特に治験フェーズを進めているK-321やH-1337、申請中のDW-5LBTの動向が挙げられます。また、ライセンスアウト先での販売状況によるロイヤリティ収入の変動や、新たな共同開発・ライセンス契約の締結、そして研究開発を支える資金調達の状況も重要な影響要因となります。
11. 総評
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、眼科領域に特化した創薬ベンチャーであり、プロテインキナーゼ阻害剤技術をコアとして、複数の医薬品の研究開発を進めています。事業は自社開発品のライセンスアウトによるロイヤリティ収入を主とするモデルです。現在、緑内障治療薬GLANATECや眼科手術補助剤DW-1002が上市されているほか、フックス角膜内皮変性症治療薬K-321が第III相臨床試験段階にあるなど、次世代の収益源となりうるパイプラインを複数手掛けています。
財務面では、研究開発投資が先行するため、継続的に営業損失および純損失を計上し、営業キャッシュフローもマイナスが続いています。しかし、2025年中間期には営業損失が前年同期比で改善し、資金調達(新株予約権の発行等)により当面の事業継続に必要な資金は確保していると開示されています。自己資本比率は比較的高い水準を維持しています。
株価は年初来高値や52週高値から大きく下落し、現在の水準は安値圏に近い位置にある可能性が考えられます。 PERはマイナスですが、PBRは5.33倍となっており、企業が将来の成長期待によって評価されている一面も示唆されます。現在のところ配当は実施されていません。
今後の同社の株価は、臨床試験 eredményや承認の取得、ライセンス先での販売状況、そして今後の資金調達動向など、個別の開発イベントや事業進捗に大きく左右されると見られます。
企業情報
銘柄コード | 4576 |
企業名 | デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 |
URL | http://www.dwti.co.jp/ |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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