1. 企業情報
フェリシモは、カタログ通販を主軸とする企業で、特に衣料品や生活関連品などを月に一度届ける「定期便」という予約購入型システムに強みを持っています。事業内容は、「通信販売服飾・服飾雑貨」が売上高の70%、「同生活関連」が22%を占めており、主に衣料品、住宅用品、美容関連などの生活関連品を提供しています。本社を兵庫県神戸市に置き、デジタルマーケティング事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
フェリシモは「カタログ通販大手」として、一定のブランド認知度と長年の顧客基盤を持っていると考えられます。「定期購入予約型システム」は顧客との継続的な関係を築きやすく、競合他社に対する一つの競争優位性となっています。
しかし、直近の決算短信では定期便全体の「顧客数減で売上は前年同期を下回る」との記載があり、顧客基盤の維持・拡大が直近の課題であると推察されます。通信販売業界はEC化の進展や多様なプレーヤーの参入により競争が激化しており、このような環境下で新規顧客獲得や既存顧客の囲い込みが重要となります。
新しい取り組みとして、手づくり支援事業「Couturier」での若年層顧客の獲得、広告プラットフォーム「CREATOR'S VOICE」の運営開始、販売事業「FELISSIMO PARTNERS」の強化などが挙げられ、これらが競争力強化に寄与するか注目されます。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
フェリシモは2026年2月期を「成長軌道確立期」と位置付け、長期的な視点から以下の3点を重点分野としています。
– 顧客基盤の拡大
– 顧客との継続的な関係育成
– 第2の収益の柱の育成
これらの戦略を実現するため、具体的な施策として、手づくり支援事業「Couturier」を通じた若年層の新規顧客獲得、広告プラットフォーム「CREATOR'SS VOICE」の運営開始、協力事業者との販売事業「FELISSIMO PARTNERS」での取扱商品拡大・販売強化、地域連携として神戸ポートタワー事業とのコラボ企画などを進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
フェリシモの主力である「定期購入予約型システム」は、安定的な収益基盤を構築しやすい事業モデルと考えられます。消費財を扱うため、世の中のトレンドやニーズの変化への適応が重要です。足元では定期便事業での顧客数減少が課題として挙げられていますが、SNSを活用した「Couturier」での若年層新規顧客獲得や、新たなプラットフォーム・パートナー事業の育成など、市場の変化に対応しようとする姿勢が見受けられます。デジタルマーケティング事業の展開も、オンラインでの顧客接点強化と事業の持続可能性に貢献すると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
提供されたデータからは、具体的な独自の「技術開発」に関する詳細な情報は確認できません。しかし、「デジタルマーケティング事業」を展開していることから、ECサイトの利便性向上、顧客データの活用、パーソナライズされた提案など、デジタル分野での技術的な取り組みが想定されます。
主力製品・サービスは、衣料品・服飾雑貨および生活関連品の「定期便」通販です。特に「Couturier(クチュリエ)」という手づくり支援事業がSNSで若年層の新規顧客獲得に成功し、売上が好調であると報告されています。また、広告プラットフォーム「CREATOR'S VOICE」や販売事業「FELISSIMO PARTNERS」も、新たな収益源として育成が進められています。
6. 株価の評価
現在の株価(846.0円)と各種指標を比較します。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS25.13円をもとに計算すると33.63倍です。これは業界平均PER21.1倍と比較して高い水準にあります。過去の業績に純損失を計上した時期があるため、回復途上でのPERは高くなりがちである点も考慮が必要です。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS2,681.47円をもとに計算すると0.32倍です。これは業界平均PBR1.3倍と比較して低い水準です。株価が会社の持つ純資産価値よりも低く評価されている状況を示唆しており、市場が企業の収益性改善や成長戦略に対し慎重な見方をしている可能性も考えられます。
結論として、PBRは割安感がある一方、PERは業界平均より高めであるため、株価評価は複合的な視点から検討する必要があると言えるでしょう。
7. テクニカル分析
現在の株価846.0円は、52週高値939.00円や年初来高値885円からは下回っていますが、52週安値695.00円や年初来安値695円からは上昇しています。
移動平均線を見ると、50日移動平均線(843.92円)をわずかに上回り、200日移動平均線(805.62円)も上回っていることから、中長期的には上昇トレンドにある可能性を示唆しています。
しかし、直近10日間の株価推移では、870円台で推移していた後に8/28は846円へと下落しており、短期的な調整局面に入っている可能性も考えられます。出来高は10,100株と活発な取引とは言えない水準です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は減少傾向にあり、2022年2月期の33,733百万円から2025年2月期予想では29,449百万円まで減少しています。直近の2026年2月期第1四半期も前年同期比1.9%減となりましたが、通期では30,531百万円(前年比3.7%増)と増収を予想しています。
- 利益: 2024年2月期には営業利益が△932百万円、純利益が△858百万円と赤字を計上しました。しかし、2025年2月期は営業利益71百万円、純利益136百万円と黒字転換を見込んでおり、2026年2月期通期ではさらに営業利益137百万円、純利益179百万円への回復を予想しています。直近の第1四半期は営業損失△22百万円、純損失△45百万円でしたが、会社は「現時点では当初の計画通り推移している」と説明しています。
- キャッシュフロー: 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は提供されていません。現金及び預金は前期末から減少傾向にあります(約574百万円減)。
- ROE(自己資本利益率): 実績が0.71%、過去12か月で0.85%と非常に低い水準にあり、株主資本の利用効率に課題があることを示唆しています。
- ROA(総資産利益率): 過去12か月で0.33%と低い水準であり、総資産を効率的に活用して利益を生み出す力が弱い現状を示唆しています。
- 自己資本比率: 実績は66.7%と非常に高い水準であり、財務の健全性は高いと言えます。
- 流動比率: 直近四半期で2.51(251%)と非常に高く、短期的な支払い能力に優れています。
まとめると、売上高は減少傾向にあるものの、利益は赤字から回復基調にあります。財務の安全性は非常に高い一方で、収益性の指標は低い水準に留まっています。
9. 株主還元と配当方針
会社予想の1株配当は20.00円であり、現在の株価846.0円に基づくと配当利回りは2.37%となります。これは過去の実績配当利回り(1.72%)や5年平均(1.42%)と比較して高水準です。
予想配当性向は約79.6%(20円 ÷ 予想EPS25.13円)と利益の大部分を配当に回す方針を示しており、株主還元への意識が高いことが伺えます。
また、2025年5月29日付で自己株式500,000株を消却しており、これは発行済株式数を減らすことで1株当たりの価値を高める、株主還元策の一つと評価できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、ここ数日の間に870円台から846円へと下落傾向を示しており、短期的な下落モメンタムが見られます。しかし、移動平均線は中長期的な上昇トレンドを示唆しているため、今後の推移が注目されます。
投資家の関心は、今後の業績回復の進捗状況、特に会社が掲げる「成長軌道確立期」の具体的な成果(顧客基盤の拡大、新規事業の収益化)に集まるでしょう。国内経済の動向、個人消費への影響、物価上昇リスクなども株価に影響を与える要因となり得ます。
信用買残は13,100株で減少傾向にあり、信用売残は0株となっています。
11. 総評
フェリシモ(3396)は、カタログ通販を主力とし、定期購入予約型システムに強みを持つ企業です。2024年2月期に営業赤字・純損失を計上しましたが、2025年2月期および2026年2月期は黒字回復を見込んでおり、業績の回復が今後の焦点となります。
財務基盤は高い自己資本比率と流動比率に裏打ちされた健全性を示しているものの、収益性(ROE、ROA)は低い水準にあります。これは、財務体質は盤石である一方で、収益を効率よく生み出す力に改善の余地があることを示唆しています。
経営陣は「成長軌道確立期」として、顧客基盤の拡大と新たな収益の柱の育成に注力しており、手づくり支援事業「Couturier」や新規プラットフォーム事業などに期待が寄せられます。
株価評価においては、PBRが業界平均を大幅に下回る水準にあり、資産価値に対して株価が低く評価されている一方で、PERは回復途上の利益水準を反映して業界平均より高めです。株主還元策としては、配当利回りを引き上げる予想に加え、自己株式の消却も実施しており、株主還元への意欲が見られます。
直近の株価は一時的な調整局面にあるようですが、中長期的な移動平均線は上昇トレンドを示唆しています。今後の業績進捗、特に新規事業の成長が、投資家の評価を左右する重要な要因となるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 3396 |
企業名 | フェリシモ |
URL | http://www.felissimo.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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