インテージホールディングス(4326)企業分析レポート
注記:本レポートは公開情報および提示データに基づく客観的整理です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要
- 日本および海外でマーケティングリサーチ事業を展開。報告セグメントは「マーケティング支援(消費財・サービス)」「マーケティング支援(ヘルスケア)」「ビジネスインテリジェンス」。
- 消費者パネルと小売(販売)パネルを国内で唯一併せ持つ調査網を保有。ヘルスケア分野ではOTC・処方薬向けの市場調査、RWD活用、CRO支援(当期にCRO事業は譲渡)。
- 2013年に持株会社体制へ移行。2023年にNTTドコモの連結子会社化。2025年期にドコモ・インサイトマーケティングを新規連結。
- 基本データ
- 市場:東証プライム
- 業種:情報・通信業(Industry: Advertising Agencies)
- 従業員数:3,221人、平均年齢47.8歳、平均年収891万円
- 海外売上比率:12%(2024.6)
- 主な株主:NTTドコモ 48.54%(筆頭株主・支配株主)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- パネルリサーチ分野で国内首位。消費(購買)と販売(小売)の両パネルを保有する点は国内で独自。ヘルスケアでは処方実態・薬局データ等の面で強み。
- 競争優位性
- 大規模かつ継続性の高いパネルデータ(スイッチングコストと再現性)。
- NTTドコモ連携による大規模会員データ・位置情報・広告配信データ等との統合による差別化。
- BI/データ統合・低コード開発など、データ活用の下流工程までの提供能力。
- 課題
- マーケ予算の景気感応度、広告・調査需要の変動。
- 個人情報・プライバシー規制の強化(データ取得・活用の高度なガバナンスが必要)。
- 海外展開は伸長中だが規模はまだ限定的。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計(第14次中計)
- 基本方針:「Data + Technology企業としてのNew Portfolioへ」
- 当期テーマ:「Synergy & Optimization」— NTTドコモとのシナジー最大化とグループ最適化。
- 具体施策
- M&A/再編:ドコモ・インサイトマーケティング連結、CRO事業譲渡(収益性・資本効率改善)。
- プロダクト:消費者・販売パネル×モバイル・広告データの統合、クロスメディア計測、高頻度データ提供。
- ヘルスケア:RWD(リアルワールドデータ)活用強化、リサーチ中心へポートフォリオ最適化。
- BI:データ統合基盤、低コード開発、運用・保守までの一気通貫提供。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- ストック(データサブスクリプション、パネル提供)+フロー(カスタムリサーチ、コンサル、開発)の組合せ。
- 強靭性・適応力
- パネルという参入障壁の高いアセットと、ドコモデータ連携による差別化で中長期の競争力を確保。
- プライバシー規制やクッキー規制への対応力が収益継続性の鍵(同意管理・匿名加工・セキュア環境整備が重要)。
- ヘルスケアはCRO売却でボラティリティを抑制、RWDとリサーチで収益性を高める方向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性
- 大規模パネルの維持・高度化、BI/データ統合基盤、低コード開発、AI/統計モデルによる需要予測・広告効果推定。
- ドコモ連携による大規模ID/位置情報・広告露出ログとのセーフティなデータ結合(ガバナンスを前提)。
- 収益牽引領域
- 消費財・サービス向けのパネルデータ/カスタムリサーチ。
- ヘルスケアはリサーチ事業とRWD活用案件。
- BIはデータ統合・運用受託と低コード開発。
6. 株価の評価(2025-08-31時点、株価1,777円)
- バリュエーション
- 予想EPS:83.80円 → 予想PER=1,777/83.80=約21.2倍(提供値と一致)
- 直近EPS(TTM目安):約90.6円 → 実績PER≒1,777/90.6=約19.6倍
- 実績BPS:867.52円 → PBR=1,777/867.52=約2.05倍
- 業界平均:PER 23.2倍、PBR 2.3倍 → 同社は平均比でPER・PBRともにやや低位の水準
- 収益性との整合
- ROE(実績):約10.7%、PBR 2.05倍 → P/BとROEの関係から見たP/Eは概ね整合(P/E≒P/B÷ROE≒19倍)。
- ほかの指標
- EV/EBITDA(概算):EV(718億−153億+3億)≒569億円、EBITDA約59億円 → 約9.6倍
- PSR(時価総額/売上):約1.1倍(718億/656億)
- 配当利回り(予想):48円 → 約2.70%(5年平均2.86%)
- 配当性向:実績49.0%(2025年)、予想57.3%(2026年)。TTMベース指標(72.2%)とは定義差に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置
- 50日移動平均:1,857円、200日移動平均:1,712円
- 現在値は50日線を下回り、200日線を上回る水準(中期は上向き基調を維持しつつ、短期は調整局面)。
- 価格帯・ボラティリティ
- 年初来高値2,044円に対し約−13%、年初来安値1,444円に対し約+23%。
- 直近10日:終値は1,871→1,777円と弱含み。出来高は10日平均約1.9万株と同程度。
- ベータ(5年):0.46と低位、指数連動感は相対的に小さめ。
- 需給
- 信用倍率4.07倍、信用買残増加(+2,900株)。絶対水準は小さいが、短期需給はやや買い乗せ傾向。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(百万円):57,559(2021)→60,233(2022)→61,387(2023)→63,279(2024)→65,571(2025)で安定成長(4年CAGR約3%台)。
- 収益性
- 営業利益(百万円):4,649(2022)→3,785(2023)→3,290(2024)→4,241(2025)。2025年は増益回復、営業利益率約6.5%。
- 親会社純利益:2,456(2024)→3,505(2025)。特別要因(事業譲渡益、有価証券売却益/評価損)を含む。
- ROE:10.7%、ROA:5.8%。
- キャッシュフロー・安全性
- 営業CF:+6,429百万円(前期1,972から大幅増)。
- 期末現金:164.9億円、総資産:469億円、自己資本比率:70.6%。
- 総有利子負債:3.4億円、D/E約1%と極めて低レバレッジ。流動比率約243%。
- セグメント(2025年、百万円)
- 売上:消費財・サービス45,344、ヘルスケア12,432、BI 7,795。
- 営業利益:同1,435、2,134、672。利益寄与はヘルスケアが約5割、CRO譲渡後に収益性改善。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・方針
- 2024年:年43円 → 2025年:年45円 → 2026年予想:年48円。
- 配当性向は中位レンジを維持(実績49.0%、予想57.3%)。5年平均利回り2.86%。
- 自社株
- 期末自己株式数:約223.8万株(短信記載)。保有比率は期日により変動(株主名簿データとの乖離あり)。
- 今後のイベント
- 権利落ち日(予定):2025/12/29。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落:+10.6%。短期は50日線割れで調整、200日線上で中期基調は維持。
- 投資家構成・関心
- インサイダー保有比率56.6%(NTTドコモ48.5%)。浮動株は限定的(約1,576万株)、出来高は小口で流動性に注意。
- NTTドコモとのシナジー案件、RWD・データ統合の進捗が関心材料。投資有価証券の評価影響などは留意点。
11. 総評
- 事業基盤
- 消費者・販売の両パネルという独自アセットと、NTTドコモの大規模データとの統合で差別化。ヘルスケアはCRO売却で収益性を高め、RWD/リサーチに注力。
- 財務
- 売上は安定成長、2025年は増益回復。キャッシュ創出力と財務健全性は良好(実質ネットキャッシュ、強い営業CF)。
- バリュエーション
- 予想PER約21倍、PBR約2.05倍と、業界平均と比較して中庸〜やや低位の水準。EV/EBITDA約9.6倍、FCF利回り(概算)約6%。
- 市場評価のカギ
- ドコモ連携による新規プロダクト・計測ソリューションの収益化速度、データガバナンス対応、マクロ環境によるマーケ出稿・調査需要の変動が主なドライバー。
- テクニカル
- 短期は弱含みだが、中期トレンドは維持。直近の需給(信用買い増)と流動性特性に留意。
不明項目は記載を省略しました。追加で必要な観点(例:製品別売上や海外子会社の動向、ドコモシナジー案件の具体例など)があればお知らせください。
企業情報
銘柄コード | 4326 |
企業名 | インテージホールディングス |
URL | http://www.intageholdings.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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