以下にエムティーアイ(証券コード:9438)に関する企業分析レポートをまとめます。
1. 企業情報
エムティーアイは、主にモバイル端末向けのコンテンツ配信事業を展開している企業です。音楽、動画、書籍、コミック、天気予報、地図などの一般消費者向けエンターテインメントコンテンツのほか、女性の健康情報サービス「ルナルナ」、医療機関向け医療サービス、医師へのQ&Aサービス「カラダメディカ」などのヘルスケア分野にも強みを持っています。
近年、同社はコンテンツ事業からDX(デジタルトランスフォーメーション)推進企業へと事業の軸足を移しています。特に、医療機関・自治体向けのヘルスケアDXや、学校向けのDXサービスが新たな成長分野として注目されています。2024年9月期の事業構成(連結)では、コンテンツ事業が61%、ヘルスケア事業が20%、学校DX事業が4%、その他が15%を占めています。東京証券取引所プライム市場に上場し、情報・通信業に分類されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
競争優位性:
- 強固な会員基盤: 長年のモバイルコンテンツ配信で培った有料会員基盤は国内最大級の規模を誇ります。
- ブランド力: 女性向けヘルスケアサービス「ルナルナ」は高いブランド認知度と多数のユーザーを獲得しています。
- DX分野での実績: クラウド薬歴導入店舗数の堅調な拡大や、政府のDX推進を背景にした学校DX事業の公立学校向け導入実績など、DX関連サービスで着実に実績を積み上げています。
- 戦略的連携: メディパルホールディングスなど他社との連携も、事業拡大における強みとなっています。
課題:
- コンテンツ事業の成熟化: 主力であったコンテンツ事業は市場の成熟化が進んでおり、持続的な成長のためには新規サービスの開発や買収などが継続的に必要となります。
- DX分野の競争激化: ヘルスケアや学校DXなどの成長分野では、新規参入や競合他社の動きも活発化しており、競争激化による開発費や広告宣伝費の増加が利益を圧迫する可能性があります。
- 持分法投資利益の変動: 直近の決算短信では、持分法による投資利益が前年同期比で大幅に減少しており、一部投資先の状況が今後の業績に影響を与える可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、経営陣は中長期的な成長の柱としてヘルスケア事業と学校DX事業に注力しています。
* ヘルスケア事業:
* ストック型収益モデルの確立を目指し、クラウド薬歴システムの導入拡大を図っています。
* メディパルホールディングスとの連携強化やAI薬歴入力支援機能を通じて、導入数と収益の拡大を目指しています。
* 学校DX事業:
* 政府が推進する校務DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きを好機と捉え、クラウド校務支援システム「BLEND」の公立学校向け導入・展開を強化しています。
* コンテンツ事業:
* AdGuard等のセキュリティアプリの有料会員拡大やオリジナルコミック事業の強化により、収益の維持・貢献を目指しています。
また、過去に生じたのれん償却費の終了が、今後の費用軽減に繋がり、通期計画に織り込まれることで利益改善に寄与する見込みです。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- BtoC月額課金型コンテンツサービスを基盤としつつ、「ルナルナ」などのBtoCヘルスケアサービス、クラウド薬歴や母子手帳アプリなどのBtoB/BtoBtoCソリューション提供によるストック型収益モデルを強化しています。
- 学校DX事業もクラウド型校務支援システム「BLEND」の導入によるストック型収益モデルであり、安定した収益源を確保しつつあります。
- 市場ニーズへの適応:
- 従来のコンテンツ事業は市場の成熟化に対応し、セキュリティアプリやオリジナルコミックなど多角化を進めています。
- DX推進という社会トレンドに対応し、ヘルスケアや教育といった公共性の高い領域でのDXソリューション提供へと事業の軸足を移していることは、中長期的な社会ニーズと合致しており、事業モデルの持続可能性が高いと考えられます。少子高齢化、医療費抑制、教育のデジタル化といった社会課題に対し、デジタル技術で解決策を提供するアプローチです。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向と独自性:
- AI事業を手掛ける子会社Automagiを通じてAI関連技術の活用を進めており、例えばAI薬歴入力支援など既存事業へのAI技術導入が期待されます。
- クラウド技術を活用したSaaS型のサービス(クラウド薬歴、BLENDなど)を提供し、継続的な機能強化と安定稼働に努めています。
- 女性ヘルスケア、医療、学校教育といった特定の専門領域における深い知見とIT技術を融合させたソリューション開発に独自の強みを持っています。
- 収益を牽引する製品・サービス:
- コンテンツ事業: 音楽・動画・コミックなどのエンタメ系コンテンツ、セキュリティ関連アプリ(AdGuardなど)が引き続き収益源。有料会員数は323万人(買収効果含む)。
- ヘルスケア事業: 「ルナルナ」「カラダメディカ」などのBtoCサービスに加え、クラウド薬歴サービスがBtoB/BtoBtoC領域の成長を牽引。クラウド薬歴導入店舗数は3,421。
- 学校DX事業: クラウド校務支援システム「BLEND」が主要製品。導入学校数は1,067校で、公立学校向け受注が成長を後押ししています。
- その他事業: 子会社AutomagiのAI関連事業や法人向けDX支援も利益に貢献しています。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 805.0円
- PER(会社予想): 16.71倍 (株価805.0円 ÷ EPS48.18円)
- PBR(実績): 2.65倍 (株価805.0円 ÷ BPS303.87円)
- EPS(会社予想): 48.18円
- BPS(実績): 303.87円
評価:
- PER: 会社予想PER16.71倍は、業界平均PER23.2倍と比較して低い水準にあり、企業予想を前提とすれば割安感が示唆される可能性があります。
- PBR: 実績PBR2.65倍は、業界平均PBR2.3倍よりやや高い水準にあります。これは、同社の成長期待や無形資産(ブランド力、技術、顧客基盤など)が織り込まれている可能性も考えられます。
- 決算短信の開示によると、2025年9月期通期の1株当たり当期純利益予想は48.06円~53.12円であり、会社予想のEPS48.18円はこのレンジの下限に近い値です。実績が上振れれば、さらにPERが低下する可能性もあります。
7. テクニカル分析
- 現在の株価: 805.0円
- 年初来高値: 1,218円
- 年初来安値: 708円
- 52週高値: 1,354円
- 52週安値: 708円
- 50日移動平均線: 893.08円
- 200日移動平均線: 945.37円
評価:
現在の株価805.0円は、年初来高値1,218円および52週高値1,354円から大きく下落した水準にあります。また、50日移動平均線(893.08円)と200日移動平均線(945.37円)をともに下回っており、短期的および中期的に下降トレンドにあることが示唆されます。直近10日間の株価も下落傾向にあります。これらの情報から、現在の株価は、年初来や52週のレンジで見ると「安値圏」に近い水準にあると評価できます。
8. 財務諸表分析
項目 | 過去12か月 | 2024年9月期 | 2023年9月期 | 2022年9月期 | 2021年9月期 |
---|---|---|---|---|---|
売上高(百万円) | 27,669 | 27,669 | 26,798 | 26,479 | 25,743 |
営業利益(百万円) | 2,394 | 2,394 | 298 | 870 | 1,929 |
純利益(百万円) | 2,363 | 2,363 | 753 | -930 | -1,164 |
ROE(実績) | 11.47% | — | 16.07% | — | — |
ROA(実績) | 5.99% | — | — | — | — |
自己資本比率(実績) | — | — | 52.0% | — | — |
評価:
- 売上高: 過去数年間、売上高は堅調に増加しており、2025年9月期第3四半期累計でも前年同期比8.6%増と成長を継続しています。特にヘルスケア事業と学校DX事業が成長を牽引しています。
- 営業利益: 2023年9月期に大きく落ち込みましたが、過去12か月では2,394百万円、2025年9月期第3四半期累計では2,344百万円(前年同期比+33.8%)と大幅に改善しています。売上総利益の増加が利益改善に寄与しています。
- 純利益: 2021年、2022年9月期は純損失を計上しましたが、2023年9月期で黒字転換を果たし、過去12か月では2,363百万円と大幅に改善しました。ただし、2025年9月期第3四半期累計では、持分法投資利益の減少や法人税等の増加により前年同期比で減益となっている点に留意が必要です。通期では2,660~2,940百万円の純利益を見込んでおり、回復基調が期待されます。
- キャッシュフロー: 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細な評価はできません。
- ROE・ROA: 過去12か月のROEは11.47%、ROAは5.99%であり、企業が株主資本や総資産を効率的に活用して利益を上げていることを示すまずまずの水準です。
- 自己資本比率: 2023年9月期実績で52.0%、2025年9月期第3四半期末で52.4%と高い水準を維持しており、財務基盤は比較的安定していると評価できます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 2.24%
- 1株配当(会社予想): 18.00円(中間9.00円、期末予想9.00円)
- 配当性向: 38.77%
- 5年平均配当利回り: 2.41%
評価:
会社予想の配当利回り2.24%は、投資家にとって一定の魅力がある水準と言えます。配当性向38.77%は、利益の4割弱を配当に充てつつ、残りを成長投資に回すバランスの取れた還元方針を示唆しています。2024年9月期の年間配当17.00円から、2025年9月期は年間18.00円への増配を予想しており、株主還元への意欲がうかがえます。
自社株買い:
提供された情報からは、直近の自社株買いに関する具体的な発表は確認できません。しかし、株主構成に「自社(自己株口)」が7.88%を占めていることから、過去に自社株買いを実施した実績があると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動傾向:
- 直近10日間の株価は887円から801円まで下降傾向にあり、市場の勢いは下降局面にあると考えられます。
- 50日移動平均線(893.08円)と200日移動平均線(945.37円)をともに下回っており、短期および中期的に下降トレンドが継続していることが示唆されます。
- 株価への影響を与える要因:
- ポジティブ要因:
- ヘルスケア・学校DX事業の成長による売上・利益拡大期待。
- 営業利益のV字回復および2025年9月期通期純利益の増加予想。
- のれん償却終了による費用負担の軽減。
- 2020年9月期分の消費税等の還付金(特別利益)計上見込みによる業績上乗せ。
- 業界平均PERと比較した際の割安感。
- 増配予想。
- ネガティブ要因:
- 持分法投資利益の減少や法人税等の増加による直近の純利益の足踏み。
- 成長投資に伴う広告宣伝費や開発費の増加が利益を圧迫する可能性。
- 直近の株価が下降トレンドにあること。
- 信用買残が信用売残を上回る信用倍率であり、将来的な需給悪化リスクが考えられます。
- ポジティブ要因:
11. 総評
エムティーアイは、モバイルコンテンツ配信事業で培った顧客基盤と技術力を活かし、ヘルスケアDX、学校DXといった成長市場へ事業の軸足を移すことで、収益構造の改革を進めている企業です。
財務面では、売上高は堅調に成長を続けており、特にDX関連事業が貢献しています。営業利益は一度落ち込みましたが、大きく改善基調にあり、2025年9月期通期では純利益も大幅な回復を見込んでいます。自己資本比率も高く、財務の健全性は維持されています。
株価は、年初来高値からは大きく下落し、現在の水準は安値圏にあると評価できます。会社予想PERは業界平均より割安感がある一方、PBRはやや高めの水準です。配当については増配を予想しており、株主還元への意欲がうかがえます。
今後の注目点としては、ヘルスケア・学校DX事業の成長戦略が計画通りに進捗するか、成長投資に伴う費用のコントロール、そして2020年9月期分の税金還付金が通期業績にどの程度寄与するかなどが挙げられます。また、持分法投資利益の今後の動向も引き続き注視が必要です。DX関連事業の成長が持続し、利益率改善に繋がり、市場で評価されるかどうかが今後の鍵となるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 9438 |
企業名 | エムティーアイ |
URL | https://ir.mti.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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