1. 企業情報
遠藤製作所は、1950年に設立された金属加工メーカーです。主要事業としてゴルフクラブヘッドの受託製造からスタートし、その高精度な鍛造・加工技術を応用して事業を多角化してきました。現在では、自社ブランド「Epon Golf」名でのゴルフクラブヘッド製造に加え、医療機器(人工関節部品など)、航空機部品、エコロジー・医療・その他ハイテク産業向けの高精度ステンレス極薄管、自動車・オートバイ・建設機械・発電用タービンなどの鍛造部品の製造・販売を国内外で行っています。特にタイにも工場を展開し、グローバルに事業を展開しています。
事業セグメントは「ファインプロセス事業」(ゴルフ、医療機器、航空機等)と「メタル事業」(鍛造製品等)の2つで構成されています。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、33業種区分では「その他製品」に分類されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
遠藤製作所は、ゴルフクラブヘッドのOEM供給先としてトップブランドを抱えるなど、この分野で高い技術力と信頼を築いています。医療機器や航空機産業向け部品、高精度な極薄管といった分野は高い技術が求められるため、同社の技術力が競争優位性となっています。また、M&A(日亜鍛工株式会社の連結子会社化)により大型鍛造分野の能力を強化し、建設機械や発電用タービン部品といった成長市場への対応を進めています。
一方で、ゴルフ市場の動向や、為替変動、原材料価格の高騰、人件費の上昇といった外部環境の変化は、利益面での課題となる可能性があります。特定の市場における具体的な市場シェアに関するデータは公開されていませんが、技術優位性と多角化によるリスク分散を図っていると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は中期経営計画に基づき、M&Aによる事業領域の拡大と収益力向上、資本効率改善を目指しています。
具体的な施策や重点分野としては以下が挙げられます。
– ファインプロセス事業: ゴルフ分野における次期モデルの提案活動の継続、医療機器分野での新規取引先の開拓と受注・出荷の開始、航空機分野における需要の高まりに対応した安定供給への注力。
– メタル事業: M&Aで取得した日亜鍛工の貢献により、建設機械関連部品や発電用タービンブレードなどの大型鍛造品での新規受注拡大を目指す。
– コスト構造改善: 賃上げや開発・設備投資に伴う減価償却費の増加など費用増要因がある中で、生産効率化への投資を通じて利益率の改善を図る。
4. 事業モデルの持続可能性
遠藤製作所の事業モデルは、主力であるゴルフクラブヘッドの製造技術を核に、高精度な金属加工・鍛造技術を幅広い産業に応用することで、収益源の多角化を図っています。医療機器、航空機、エネルギー関連、ハイテク産業といった成長分野や、景気変動の影響を受けにくい安定した需要が見込める分野への展開は、特定の市場に依存しない持続可能な成長を支える要因となります。M&Aによる大型鍛造分野への強化は、新たな成長機会を取り込む動きと評価できます。為替変動、原材料価格、人件費といった外部環境要因への適応や、各事業における技術革新の継続が、今後の持続性を高める上で重要となります。
5. 技術革新と主力製品
同社の技術力の核心は、長年にわたる鍛造技術と精密加工技術にあります。ゴルフクラブヘッドのOEM生産で培われた高精度な技術は、医療機器(人工関節など)や航空機部品といった非常に高い品質水準が求められる分野で活かされています。また、環境・医療・ハイテク産業向けに高精度なステンレス極薄管を製造できる点も、独自の技術力を示しています。
収益を牽引しているのは、連結事業構成比でファインプロセス事業が53%、メタル事業が47%です。直近の決算短信(2025年12月期 第2四半期)によると、売上高ではメタル事業がファインプロセス事業を上回っており、M&Aによる新規連結子会社(日亜鍛工)が売上高増加に貢献しています。ファインプロセス事業では医療機器分野での新規受注が、メタル事業では建設機械関連部品や発電用タービン部品といった大型鍛造品の受注がそれぞれ成長要因となっています。
6. 株価の評価
現在の株価は1,218.0円です。
– PER(株価収益率): 会社予想PERは10.19倍です。これは業界平均PERの約10.0倍とほぼ同水準にあります。
– PBR(株価純資産倍率): 実績PBRは0.49倍です。BPS(1株あたり純資産)は2,495.85円であり、株価が1株あたり純資産価値を大きく下回っています。業界平均PBRの約0.5倍と比較してもやや割安な水準にあります。
– BPS(1株あたり純資産): 2495.85円に対して、株価は1218.0円であり、理論上の解散価値に対して株価が低い状況です。
以上の指標から、PERは業界平均並みですが、PBRは業界平均よりもやや低く、実績BPSと比較しても株価は割安な水準にあると言えます。高い自己資本比率も考慮すると、財務の健全性が株価に十分反映されていない可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価1,218.0円は、年初来高値1,435円、年初来安値1,002円の範囲で推移しています。52週間の高値1,435円、安値1,002円に対しても同様です。
– 50日移動平均線は1,134.54円、200日移動平均線は1,212.68円です。現在の株価は200日移動平均線よりわずかに高い水準にありますが、直近10日間の株価推移を見ると、1,220円台から1,250円台の高値から調整局面に入り、現在は1,218円とやや下落傾向にあります。
– 年初来高値からは約15%低い水準、年初来安値からは約21%高い水準にあり、52週間の株価レンジの中間からやや安値寄りに位置していると判断できます。
8. 財務諸表分析
を提供されたデータに基づき、過去の傾向と比較して評価します。
– 売上高:
– 2021年12月期: 12,589百万円
– 2022年12月期: 14,582百万円
– 2023年12月期: 15,709百万円
– 2024年12月期: 17,416百万円
– 過去数年にわたり売上高は着実に増加しており、持続的な成長傾向が見られます。2025年12月期第2四半期も前年同期比で7.3%の増収を達成しています。
– 利益:
– 営業利益: 2021年、2022年と1,800百万円台で推移していましたが、2023年12月期は1,176百万円に減少しました。2024年12月期は1,546百万円と回復基調にあります。ただし、2025年12月期第2四半期は前年同期比19.7%減の706百万円となり、為替影響、賃上げ、開発・設備投資に伴う減価償却費増が主な要因として挙げられています。
– 純利益: 2021年12月期は1,601百万円でしたが、2022年、2023年と700~800百万円台で推移し、2024年12月期は1,118百万円と回復しました。2025年12月期第2四半期は前年同期比23.7%減の558百万円となりました。
– キャッシュフロー:
– 営業キャッシュフロー(過去12ヶ月):2,550百万円のプラス。本業で堅調に資金を創出しています。
– 投資キャッシュフロー(2025年1~6月):△1,501百万円のマイナス。主に有形固定資産の取得(設備投資)と関係会社株式の取得(M&A)によるもので、成長に向けた積極的な投資が行われていることを示します。
– 収益性指標:
– ROE(実績):5.30%(過去12ヶ月では4.39%)。
– ROA(過去12ヶ月):3.32%。
– 自己資本比率が高いことも影響し、収益性指標は一般的な水準ですが、直近の利益減少傾向には注意が必要です。
– 財務安全性:
– 自己資本比率(実績):83.8%(連結)。非常に高く、財務基盤が極めて強固であることを示します。
– 総負債/自己資本比率(直近四半期):0.67%。負債が非常に少なく、安定した経営状態にあります。
– 流動比率(直近四半期):4.99倍。短期的な支払い能力が非常に高いことを示します。
– 現預金(直近四半期):8,510百万円を保有しており、潤沢な手元資金があります。
総合評価:
遠藤製作所は、売上高を着実に成長させており、非常に強固な財務基盤を持っています。直近の利益は一時的な減少傾向にありますが、これは成長に向けたM&Aや設備投資といった先行投資や、外部環境要因によるものと推測されます。本業のキャッシュフローは堅調であり、今後これらの投資成果が利益に結びつくかが注目されます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.28%
- 1株配当(会社予想): 40.00円(会社が公表している予想値)
- 参考情報として、Forward Annual Dividend Rate(年間予想配当)は80円、Trailing Annual Dividend Rate(年間実績配当)は40円と示されています。会社が公表している配当利回り3.28%は、1株配当40円を現在の株価1,218.0円で割った値と概ね合致します。
- 配当性向(Payout Ratio 4): 37.15%。これは、利益に対する配当の割合が無理のない水準であり、利益状況が維持されれば持続可能性は高いと考えられます。
- 5年平均配当利回り: 2.43%
- Ex-Dividend Date(配当落ち日): 2025年12月29日
- 株主還元の傾向:
- 会社予想に基づく配当利回り3.28%は、現在の市場金利等と比較して一定の利回り水準にあると評価できます。
- 2025年中間期には配当金が支払われており、安定した配当を行う姿勢が見られます。
- 自社株買いなどの株主還元策:
- 自己株式(自己株口)が発行済株式の5.41%を占めていることから、過去に自社株買いが実施されていたことが推測されます。直近の決算短信には、自社株買いに関する具体的な計画の記述はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動傾向:
- 過去10日間の株価は1,212円から1,250円の範囲で推移し、本日は1,218円で終値を迎えました。この期間ではやや軟調な動きとなっています。
- 52週間の株価変化率は-4.84%であり、同期間のS&P 500の16.84%上昇と比較すると、相対的に株価は低調に推移しています。
- 投資家関心:
- 直近の出来高は比較的低い水準で推移しており、本日の出来高は6,700株と少なめです。これは市場における流動性が低いことを示唆している可能性があります。
- 信用買残が約50万株ある一方で、信用売残は0株であり、信用倍率は0.00倍です。これは買い方に偏った状態を示しており、需給バランスには注意が必要です。
- 主要株主には創業家や個人投資家が多く、機関投資家の保有割合は比較的低いです。
- 株価への影響を与える要因: 直近の利益減少傾向、M&Aによる事業拡大の進捗とその収益貢献、為替変動、原材料・人件費コストの動向、そして主要事業であるゴルフ用品市場や医療機器市場の動向が今後の株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
遠藤製作所は、高精度な金属加工・鍛造技術を強みとし、ゴルフクラブヘッドのOEMだけでなく、医療機器、航空機部品、高機能極薄管、大型鍛造部品など多岐にわたる事業を展開している企業です。
評価できる点としては以下の通りです。
- 堅調な売上成長: 過去数年間、売上高は着実に増加しており、M&Aによる事業拡大も進展しています。
- 極めて強固な財務基盤: 自己資本比率83.8%という高い水準と潤沢な現預金は、経営の安定性と将来の成長投資余力を示しています。
- 成長分野への積極投資: 医療機器や航空機、大型鍛造品といった高付加価値市場への事業拡大は、中長期的な成長機会として期待されます。
- 株主還元: 会社予想配当利回り3.28%は、現在の金融環境において一定の魅力があります。
一方で、留意すべき点も存在します。
- 直近の利益減少: 2025年12月期第2四半期は、先行投資(M&A、設備投資)や賃上げ、為替の影響などにより、利益水準が一時的に低下しています。これらの投資が将来的にどれだけ収益貢献するかを注視する必要があります。
- 株価のパフォーマンスと流動性: 過去1年間の株価は市場平均を下回っており、出来高も比較的少ないため、市場の注目度や売買の流動性には改善の余地があると考えられます。
株価評価としては、 PBRが業界平均を下回る水準であり、高い自己資本と潤沢な純資産に対して株価が割安に評価されている可能性があります。PERは業界平均と同水準です。
総合的に見ると、遠藤製作所は安定した財務基盤と高い技術力を持つ企業であり、成長分野への投資を通じて事業構造の強化を図っています。直近の利益動向は懸念材料ですが、中長期的な視点では、これらの投資が実を結び、収益性が改善されるかどうかが今後の企業価値を左右する重要なポイントとなるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 7841 |
企業名 | 遠藤製作所 |
URL | http://www.endo-mfg.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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