株式会社コア (2359) 企業分析レポート
個人投資家向けに、株式会社コア（証券コード: 2359）の企業分析レポートを以下の通り作成しました。
1. 企業情報
株式会社コアは、1969年設立の独立系システムインテグレーター（SIer）です。家電や通信向けの組み込みソフトウェア開発から始まり、現在は位置情報、映像、IoT (AI)、GNSS（全球測位衛星システム）などの先端技術を活用したソリューション事業を主力としています。
事業は大きく3つのセグメントで構成されています。
* 未来社会ソリューション事業: 公共、エネルギー、医療・介護インフラといった社会課題解決に貢献する情報通信技術サービスを提供しています。
* 産業技術ソリューション事業: IoT (AI) やGNSSなどの技術を用いて、顧客のビジネス課題を解決するソリューションや、CT（コンピュータ技術）を活用したソリューションを提供しています。車載用などの組み込みソフトウェア開発や半導体関連装置開発も含まれます。
* 顧客業務インテグレーション事業: 金融機関や流通業向けを中心に、ビジネスに関する専門知識とノウハウを活かしたトータルなICTソリューションを提供しています。
2025年3月期の事業構成比（売上高、会社予想）は、未来社会ソリューションが19%、産業技術ソリューションが49%、顧客業務インテグレーションが32%です。連結従業員数は1,473人、平均年齢は40.6歳、平均年収は664万円です。東京証券取引所プライム市場に上場しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は独立系SIerとして、特定のハードウェアやベンダーに縛られず、顧客の多様なニーズに応じたソリューション提供が可能な点が特徴です。情報サービス業界は、人手不足を背景とした業務効率化ニーズや、デジタルトランスフォーメーション（DX）投資の継続的な需要に支えられています。同社はIoT、AI、GNSSなどの先端技術を積極的に取り入れ、社会インフラから産業技術、顧客業務支援まで幅広い領域を手掛けることで、市場の多様なニーズに対応できる体制を構築しています。
特に、産業技術ソリューション事業は全体の売上・利益の約半数を占め、メディア、IoT（AI）、半導体関連装置開発を含む分野で堅調に推移しています。これは、DXや技術革新への企業の投資意欲の高さを示唆していると考えられます。
決算短信には、具体的な競合他社名や市場シェアの定量的なデータは記載されていません。
3. 経営戦略と重点分野
同社は「第14次コアグループ中期経営計画」（2024年3月期より開始、最終年度）において、「ソーシャル・ソリューションメーカー」をビジョンに掲げ、SX（サステナビリティ・トランスフォーメーション）の推進を基本方針としています。
具体的な戦略としては、以下の重点分野に取り組んでいます。
* 高付加価値ソリューションの拡大: 顧客課題解決型ソリューションの深耕。
* GNSSを含む「宇宙テック」展開: 精密な位置情報技術を活用した新たなソリューション開発。
* 生成AIの活用: 業務効率化や新たなサービス創出に向けたAI技術の導入。
* SX人材の育成: 持続可能な社会形成に貢献できる人材の強化。
* M&A等の戦略投資: 事業ポートフォリオの強化や新領域への展開。
第1四半期決算では、産業技術ソリューション事業が堅調に推移する一方で、未来社会ソリューション事業で大型案件の代替が進まず、セグメント間で進捗に差異が見られる旨が報告されています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、多様な顧客層と幅広い技術領域に対応する独立系SIerとしての強みを持っています。未来社会ソリューション、産業技術ソリューション、顧客業務インテグレーションという3つのセグメントは、それぞれ異なる市場ニーズに対応しており、特定の市場変動リスクを分散する効果があると考えられます。
特に、社会課題解決を掲げる未来社会ソリューションや、IoT、AIといった先進技術を扱う産業技術ソリューションは、中長期的な市場ニーズの成長に対応する可能性を秘めています。DX推進や社会インフラのデジタル化が加速する中で、同社の提供するソリューションは今後も需要が見込まれると考えられます。
ただし、大型案件の獲得状況に業績が左右される可能性があり、未来社会ソリューション事業では前年大型案件の反動で売上・利益が減少したことが報告されています。この点が、今後の市場ニーズへの適応における重要な課題となる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
同社は、IoT、AI、GNSS、CT、クラウドサービスなどの先進技術を核としたソリューション開発に注力しています。
* 主力事業は産業技術ソリューション: メディア、IoT（AI）、半導体関連装置開発などが堅調に推移し、売上・利益を牽引しています。特にIoT（AI）を活用した顧客ビジネス課題解決は重要な領域です。
* GNSS（宇宙テック）: 国際的な測位衛星システムを活用した高精度な位置情報ソリューションは、同社の技術的な独自性を示す分野であり、中期経営計画でも重点分野として掲げられています。
* 組み込みソフトウェア開発: 車載用などの組み込みソフトウェアは長年の実績を持つ分野であり、同社の技術的基盤を支えています。
これらの技術を組み合わせることで、医療・介護、情報活用、映像表示、エネルギー、DX Insight、金融、製造運用、セキュリティ対策など多岐にわたる分野でソリューションを提供しています。
6. 株価の評価
現在の株価は2,033.0円です。各種指標に基づく評価は以下の通りです。
* PER（株価収益率）:
* 会社予想EPS（2026年3月期、決算短信より）: 174.13円
* 計算上のPER: 2,033.0円 ÷ 174.13円 ≈ 11.67倍
* 業界平均PER: 23.2倍
* 同社のPERは、業界平均と比較して低い水準にあります。
* PBR（株価純資産倍率）:
* 実績BPS（連結）: 1,280.45円
* 計算上のPBR: 2,033.0円 ÷ 1,280.45円 ≈ 1.59倍
* 業界平均PBR: 2.3倍
* 同社のPBRは、業界平均と比較して低い水準にあります。
7. テクニカル分析
現在の株価2,033.0円は、年初来高値2,058円（52週高値と同値）に迫る水準にあります。年初来安値は1,473円であり、年初来レンジの上限に近い位置です。
直近10日間の株価推移を見ると、8月18日の1,964円から8月29日の2,033円まで、一部上下動はあるものの全体としては上昇傾向にあります。
50日移動平均線（1,937.94円）および200日移動平均線（1,852.15円）を現在の株価が上回っており、短期・中期的に上昇モメンタムが見られます。本日の出来高は20,100株で、直近10日間の平均出来高（約1.5万株）と比較してやや増加しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去4年間で218億円から246億円へと順調に増加傾向にあります。2026年3月期第1四半期も前年同期比で2.4%増と微増ながら成長を続けています。
- 利益: 営業利益、経常利益、純利益も過去数年間で増加傾向です。2025年3月期の純利益は前年比で微減しましたが、2026年3月期は増益予想です。第1四半期では営業利益が前年同期比14.8%増と好調です。
- 収益性:
- ROE（実績）: 12.63% (過去12ヶ月: 12.97%)。一般的に良好とされる水準を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を上げていることを示唆します。
- ROA（過去12ヶ月）: 8.36%。総資産に対する利益率も高水準です。
- 営業利益率（過去12ヶ月）: 11.55%。第1四半期単体でも11.6%と堅調です。
- 安全性:
- 自己資本比率（実績）: 73.6% (直近四半期: 72.9%)。非常に高く、財務基盤が強固であることを示しています。
- 流動比率（直近四半期）: 2.65倍 (265%)。短期的な支払い能力も十分であると考えられます。
- 有利子負債は非常に少なく、財務の健全性が高いと言えます (Total Debt/Equity: 6.82%)。
- キャッシュフロー: 第1四半期の連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため詳細な分析は困難ですが、直近四半期の総現金預金は90.45億円と潤沢です。
全体として、売上・利益は着実に成長しており、高い収益性と非常に安定した財務基盤を持っていることが確認できます。
9. 株主還元と配当方針
同社は株主還元として配当を実施しています。
* 1株配当（会社予想）: 2026年3月期は年間55.00円（中間10円、期末45円）を予想しており、2025年3月期の実績と同額です。
* 配当利回り（会社予想に基づく）: 現在の株価2,033.0円に対して、55.00円の配当を仮定すると、約2.71%となります。
* 配当性向: 35.24%。利益の約3分の1を配当に回しており、成長投資とのバランスが取れている水準と言えます。
* 自社株買い: 株主情報には「自社(自己株口)」として発行済株式の3.13%の保有が記載されており、過去に自社株買いによる株主還元も行われています。
* 次回の配当権利落ち日は2025年9月29日です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
現在の株価は直近で上昇傾向にあり、年初来高値に近い水準で推移するなど、良好なモメンタムが見られます。50日移動平均線と200日移動平均線を上回っており、短期および中期トレンドは上昇を示唆しています。
投資家関心に影響を与える要因としては、中期経営計画で掲げている「宇宙テック」や「生成AIの活用」といった成長戦略の進捗、主要セグメントである産業技術ソリューション事業の継続的な好調、そして収益全体に影響を与える大型案件の獲得動向が挙げられます。また、安定した財務基盤と高い株主還元意識も、長期投資家からの関心を引く要素となり得ます。
信用倍率は15.05倍と信用買い残が多い状況ですが、信用買残は前週比で減少しています。インサイダー保有比率が50.86%と高い点は特徴的です。
11. 総評
株式会社コアは、独立系SIerとして、多岐にわたる事業領域とIoT、AI、GNSSなどの先端技術を強みとする企業です。堅調な売上成長と安定した利益を出し続けており、ROEも高く、株主資本を効率的に活用しています。自己資本比率も70%を超え、有利子負債が少ないことから、極めて財務体質は健全であると言えます。
PER、PBRともに業界平均を下回っており、数値上は相対的に低い評価であると見ることができます。株価は年初来高値圏にあり、直近では上昇モメンタムが見られます。中期経営計画で掲げる成長戦略の着実な実行や、特定分野での大型案件獲得が今後の業績および株価に影響を与える可能性があります。配当性向も安定しており、継続的な株主還元姿勢も確認できます。
企業情報
| 銘柄コード | 2359 |
| 企業名 | コア |
| URL | http://www.core.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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