日本電波工業(6779)企業分析レポート
株価:909円(2025-09-01終値)
市場:東証プライム/電気機器
時価総額:約210億円
1. 企業情報
- 概要:水晶デバイス専業の大手。水晶振動子・水晶発振器を中心に、周波数合成器、信号発生器、ミリ波コンバータ、人工水晶、光学部品、QCMセンサー、超音波プローブ、SAWデバイス等を製造・販売。電波の送受信・同期・タイミング用途で幅広い産業に採用。
- 主な用途:車載(ADAS含む)、スマートフォン、ネットワーク機器、IoT、PC、時計、デジタル家電、ゲーム機、5G、AIサーバなど。
- 生産拠点:日本・中国・マレーシア。
- 連結事業構成(2025/3期):水晶振動子74%、水晶機器16%、他10%。海外売上比率85%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:水晶デバイスで世界大手の一角。特に車載向けの高信頼性・高安定製品でプレゼンスが高いとみられる。
- 競合環境(例):国内は大真空(7745)等、海外は台湾勢(TXC、Siward など)を含む。価格競争力と品質・信頼性確保の両立が求められる。
- 優位性・課題(定性的)
- 優位性:一貫生産体制、車載グレードでの品質・信頼性、人工水晶など素材からの内製力、小型・高安定・低位相雑音などの技術蓄積。
- 課題:スマホ向け需要変動の影響、為替・関税など外部環境、資本集約的な装置投資と高まる利息負担、台湾・中国勢との価格競争。
※市場シェアの定量開示は本資料になし。
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性(会社開示等からの整理)
- 成長投資を先行(2026/3期1Qは投資先行で減益)。一貫生産体制を生かし高付加価値領域を強化。
- 重点市場:車載(ADASで搭載個数増)、ヘルスケア、特機(防衛)、AIサーバ、5G/ネットワーク。
- 製品ミックス:主力の水晶振動子を軸に、高機能発振器(TCXO/OCXO等)、その他応用製品の拡大。
- 業績見通し(会社予想、2026/3期)
- 売上高:530億円(前年比-0.1%)
- 営業利益:28億円(-39.4%)
- 親会社帰属当期利益:13億円(-27.5%)
- 1株当たり利益(EPS):56.38円
- リスク織り込み:米国関税政策の影響は一定程度織り込み、為替変動・需要変動(特にスマホ)・原材料価格などをリスクとして注記。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:タイミング・周波数制御部品の継続需要(車載・産機・通信)に支えられる一方、スマホ等の景気敏感分野の変動影響あり。高付加価値品(高安定・低ジッタ発振器等)や用途多様化が安定度を補完。
- ニーズ変化への適応:ADAS普及、AIサーバ・5Gなど高精度クロック需要の拡大に対応。QCM・医療・特機等の分散も進展。為替・関税・利率上昇など外部環境の影響管理が継続課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:小型化・高精度化・低位相雑音、耐環境性能(車載グレード)、高周波対応(5G/データセンター)など。人工水晶の内製は品質安定や特殊仕様対応に寄与。
- 製品別動向(2026/3期1Q、前年比)
- 水晶振動子:売上9,431百万円(構成比74.1%、-1.6%)
- 水晶発振器:1,905百万円(15.0%、-10.6%)
- その他:1,383百万円(10.9%、+53.0%)
- 収益牽引領域(会社説明ベース):車載、ヘルスケア、特機、AIサーバ向けの伸長。モバイルは減少。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価909円、EPS(会社予想)56.38円、BPS 1,266.99円
- 指標(概算)
- PER(予想):約16.1倍(提供値:16.12倍)
- PER(TTM):約11.7倍(909円 / 77.76円)
- PBR:約0.72倍(909円 / 1,266.99円)
- 配当利回り(予想):約3.30%(30円 / 909円)
- 価格売上高倍率(P/S、TTM):約0.39倍(909円 / 2,305.37円)
- EV/EBITDA(概算、TTM):約4.3倍
- EV ≒ 時価総額約210億円 + ネット有利子負債約122億円(負債295億円−現金174億円)=約332億円
- EBITDA 約77億円
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:24.2倍、PBR:1.6倍
- 参考水準の単純比較
- PER平均適用価格:56.38円×24.2倍 ≒ 1,366円
- PBR平均適用価格:1,266.99円×1.6倍 ≒ 2,028円
- 注:上記は単純比較であり、成長率・収益性・財務リスク等の差異は未反映。
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド:
- 株価は50日移動平均818円、200日移動平均817円を上回る水準(909円)。中期的には上方乖離。
- 直近10日終値は901〜933円のレンジで推移。8/28の933円からやや反落し909円。
- 高値・安値圏:
- 年初来高値:940円、現状は約3%下。
- 52週高値:1,175円、現状は下方乖離。
- 需給:
- 信用買残348千株、信用倍率38.3倍。前週比で買残は約9万株減少。
- 出来高は3カ月平均134千株に対し当日77千株・直近10日平均114千株でやや低下。
- 価格帯メモ(参考):支持帯900円近辺、上値は930〜940円帯が意識されやすい価格ゾーン。
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(連結)
- 売上高:454億円(2022/3)→525億円(2023/3)→503億円(2024/3)→530億円(過去12か月)
- 営業利益:51.8億円(2022/3)→83.3億円(2023/3)→43.5億円(2024/3)→46.2億円(過去12か月)
- 当期純利益:54.6億円(2022/3)→61.8億円(2023/3)→23.3億円(2024/3)→17.9億円(過去12か月)
- 利益は2023/3期をピークに調整。2026/3期1Qは投資先行・円高で減益(営業利益率6.1%、前年同期約9.5%)。
- 収益性指標
- 粗利率:約30%(TTM:16,063/53,064)
- 営業利益率:6.15%(TTM)
- 最終利益率:2.99%(TTM)
- ROE:実績6.34%、TTMベース5.52%
- ROA:TTM 3.89%
- キャッシュフロー・設備投資
- 営業CF:+56.8億円(TTM)
- レバードFCF:+10.2億円(TTM)
- 2026/3期1Qの投資CF:▲10.4億円(有形固定資産取得等)
- 財政状態・レバレッジ(2025/6末)
- 現金同等物:173.7億円、総有利子負債:295.4億円 → ネット有利子負債:約121.7億円
- 自己資本比率:40.9%(前期末40.8%)
- 流動比率:約335%
- D/E(総負債/自己資本)約1.01、(有利子負債/自己資本)会社計算概算約0.91
- 金利負担:TTMの支払利息約11.2億円と比較的厚め。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:年間30円(2025/3実績・2026/3予想とも)。中間15円・期末15円。
- 配当性向
- TTMベース:約38.6%(30円/TTM EPS 77.76円)
- 会社予想EPSベース(概算):約53%(30円/56.38円)
- 自社株買い:開示ベースでは特段の実施記載なし(自己株約0.01%)。
- 権利落ち日:2025-09-29(予定)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:株価は年初来高値近辺を試しつつも900〜930円のボックス推移。移動平均上での保ち合い。
- ボラティリティ:5年β0.13と低め。
- 需給・関心指標:
- 信用倍率は高水準(38.3倍)だが、信用買残は前週比で減少。短期の需給変動には留意余地。
- 出来高は直近で平均を下回りつつある。
11. 総評(簡潔な整理)
- 事業面:車載と高付加価値分野(AIサーバ、特機、ヘルスケア)を伸ばしつつ、スマホ減速の影響を吸収する構図。1Qは円高・先行投資で減益だが、用途分散と製品ミックス改善を進めている。
- 財務・リスク:自己資本比率は4割程度と安定的な一方、有利子負債は厚く、利息負担が利益を圧迫。為替・関税・需要変動が主な外部リスク。
- バリュエーション:PBR約0.72倍、PER(予想)約16倍。業界平均(PER24.2倍、PBR1.6倍)と比べると相対的に抑制的な水準。TTMベースのEV/EBITDAは約4.3倍(概算)。
- テクニカル:株価は50日・200日線を上回り、年初来高値(940円)に接近するレンジ。出来高はやや細り。
- 株主還元:年間30円の配当見通しは据え置き。予想EPSベースの配当性向は5割強の水準に上昇する見込み。
本レポートは公開情報の整理であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。記載の計数は概算を含みます。最新の開示資料・有価証券報告書等でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6779 |
企業名 | 日本電波工業 |
URL | http://www.ndk.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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