長谷工コーポレーション(1808)企業分析レポート
株価:2,439.5円(2025-09-02時点)
市場:東証プライム/建設業(住宅建設)
時価総額:731,231百万円
発行済株式数:300,794,397株(自己株含む)/実質発行株数(自己株除き推定):約270.3百万株
1. 企業情報
- 概要
- マンション建築で国内最大手。土地の目利き・企画・設計・施工・販売・管理・修繕まで一気通貫の垂直統合モデルが強み。
- 主要セグメント:建設関連、サービス(管理・運営・リフォーム等)、不動産関連(収益不動産開発・売却等)、海外(ハワイ中心)。
- 付帯事業として高齢者施設運営、内装・資材販売、仲介・販売受託などを展開。
- 事業構成(売上構成の目安:2025.3期)
- 建設関連:約62%
- サービス関連:約23%
- 不動産関連:約15%
- 海外関連:ごく小さい
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 分譲マンション建築で首位級の実績。RC(鉄筋コンクリート)集合住宅での設計・施工ノウハウ、サプライチェーン・コスト管理力に優位性。
- デベロッパー各社の分譲案件での受注基盤に加え、自社での企画・供給も組み合わせるモデル。
- 競争優位性
- 一気通貫モデルによるコスト・品質・工期のコントロール力。
- 竣工後の管理・修繕などストック収益の積み上げによる安定性。
- 課題
- 分譲マンション市況(販売速度・価格・金利)や資材費・人件費の上昇の影響を受けやすい。
- 首都圏・近畿圏偏重の需給動向と人口動態の変化。
- 建設業の人手不足、技能継承・生産性向上の必要性。
3. 経営戦略と重点分野
- 新中期経営計画(2026年3月期スタート)
- セグメント区分・名称見直し。グループ最適での資源配分を志向。
- 重点領域(短信・各種開示からの要旨)
- 受注採算の改善・原価管理徹底(Q1で完成工事総利益率が改善)。
- 管理・運営、修繕・リフォーム等のストック・サービス事業の拡大。
- 収益不動産の開発・売却(資産循環)における選別強化。
- 生産性向上(BIM等デジタル施工、標準化・工業化、サプライ網最適化)。
- 省エネ・脱炭素(ZEH-M、既存住宅の省エネ改修)と品質・安全性の高度化。
- M&Aの活用:2025年6月にウッドフレンズを新規連結化(戸建等での補完)。
- 2026年3月期会社計画(連結)
- 売上高 1,230,000百万円、営業利益 92,000百万円、純利益 55,000百万円、EPS 202.37円(公表値)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- ①建設(変動的・景気感応)、②不動産売却(案件依存・収益性選別重要)、③管理・運営・修繕(ストック型・安定寄与)のポートフォリオ。
- 適応力
- Q1時点の受注高は前年同期比+7.5%、中間期受注進捗47.5%と「概ね予定どおり」との開示。
- 採算改善(原価・契約選別)とサービス領域の拡大により、マンション市況の変動に対する耐性向上を志向。
- リスク
- 金利・資材価格・労務費上昇、規制・安全基準強化、人口動態・供給過多の局面。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 集合住宅での標準化・BIM活用、プレキャスト等の工業化による品質・工期・コストの最適化。
- ZEH-Mなど省エネ仕様、長寿命化・大規模修繕技術、IoT活用の管理運営。
- 主力
- 収益を牽引:分譲マンションの設計・施工(建設関連)、マンション管理・修繕(サービス関連)。
- 不動産関連は案件選別により利益率寄与を狙う。
6. 株価の評価(バリュエーションの比較)
- 前提:株価 2,439.5円
- 指標計算
- 予想EPS(連):201.73円 → 予想PER ≈ 2,439.5 / 201.73 = 約12.1倍(公表値12.05倍に整合)
- BPS(実):1,933.44円 → PBR ≈ 2,439.5 / 1,933.44 = 約1.26倍(公表値一致)
- 予想配当:90円 → 予想配当利回り ≈ 90 / 2,439.5 = 約3.69%
- EV/EBITDA(参考):EV ≈ 731.2bn + (有利子負債447.2bn − 現金210.3bn) ≈ 968.1bn、EBITDA ≈ 100.2bn → 約9.7倍
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:約14.0倍 → 当社予想PERはこれに比べ低位。
- 業界平均PBR:約1.1倍 → 当社PBRはこれに比べやや高位。
- 参考情報
- トレーリングEPS(過去12カ月)126.28円 → 過去ベースのPERは約19.3倍(特殊要因の影響含む可能性)。
- 配当性向:実績約67%(85円/126.28円)、予想ベースでは約44–45%(90円/約202円)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:2,282.55円、200日移動平均:2,083.57円 → 現在値は両移動平均を上回る上昇トレンド基調。
- 52週高値:2,493円、安値:1,788円 → 現在値は高値から約2%下の高値圏。
- 直近推移
- 直近10日終値は2,420–2,485円台のレンジで推移し、年初来高値圏でもみ合い。
- 出来高は3カ月平均約766千株に対し直近はやや低調(当日寄り付き時点では参考値)。
- 需給
- 信用倍率0.56倍(売り長)。短期的な需給変動要因になり得るが方向性は不明。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結)
- 売上高:909,708百万円(2022)→ 1,027,276(2023)→ 1,094,421(2024)→ 1,177,353(過去12カ月)で増収基調。
- 営業利益:82,702(2022)→ 90,162(2023)→ 85,748(2024)→ 84,700(LTM)で横ばい~微減。
- 当期純利益:54,490(2022)→ 59,326(2023)→ 56,038(2024)→ 34,450(LTM)。LTMは一時要因(特別損失等)影響が示唆(Total Unusual Items -22,718百万円)。
- 利益率(LTM):売上総利益率約14.1%、営業利益率約7.2%、純利益率約3.1%。
- 収益性・効率(提供指標)
- ROE(実績):6.60%、ROA(過去12カ月):4.49%、営業利益率(過去12カ月):7.15%。
- 財政状態・流動性(2025/6/30)
- 現金等:210.3bn、有利子負債:447.2bn → ネット有利子負債:約237bn。
- 自己資本比率:約39%(実績)。D/E(簿価):約85%。
- 流動比率:2.63倍 → 短期支払能力に余裕。
- キャッシュフロー
- 四半期CF計算書は作成なし(注記)。減価償却の規模は限定的。
- セグメント(2026年3月期Q1)
- 建設関連:売上199,221百万円、利益15,375百万円(採算改善)。
- 不動産関連:売上49,375百万円、利益6,152百万円(高採算案件)。
- 管理運営:売上35,940百万円、利益1,811百万円(管理戸数増)。
- 海外:売上1,370百万円、損失143百万円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年85円(中間40+期末45)
- 2026年3月期会社予想:年90円(中間45+期末45)
- 予想利回り:約3.7%(株価2,439.5円基準)
- 配当性向
- 実績:約67%(85円/126.28円)
- 予想:約44–45%(90円/約202円)
- 自己株式
- 期末自己株式数:約2,901万株(保有比率7.81%)。過去の自己株式取得の蓄積が示唆される。
- 今後のイベント
- 権利落ち日(予定):2025-09-29
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス
- 52週騰落率:約+34.8%。ベータ(5年):0.10(市場連動性は低位)。
- 関心材料
- Q1で利益率改善・受注堅調の開示。
- 原価(資材・労務)動向、金利・販売環境、政策・規制(省エネ・安全基準)などが業績・評価に影響。
- 信用売り長の需給、配当権利取り前後の値動き。
- 直近予定
- 決算発表:2025-08-07実施済(第1四半期)
11. 総評
- まとめ
- マンション建築での圧倒的実績と一気通貫体制、管理・修繕などストック事業の拡大が収益の安定化に寄与。
- Q1時点で受注・採算が改善。通期は増収増益計画(EPS約202円)を掲げる。
- 財務は流動性に余裕。ネット有利子負債はあるものの、自己資本比率は約39%。
- バリュエーションは予想PERが業界平均PER(約14倍)より低位、PBRは業界平均(約1.1倍)を上回る水準。配当利回りは約3.7%。
- 株価は上昇トレンドで高値圏に位置。短期はもみ合いの範囲内での推移。
- 留意点
- 市況・金利・資材費、人手不足や規制動向による変動リスク。
- 不動産売却は案件選別の影響が大きく、四半期ごとの利益変動に留意。
本資料は提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資勧誘や推奨を目的とするものではありません。投資判断にあたっては、最新の開示資料(決算短信・説明資料等)をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 1808 |
企業名 | 長谷工コーポレーション |
URL | http://www.haseko.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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