1. 企業情報

  • 概要:1918年創業の筆記具大手。ボールペン・ゲルインク・フリクション(消せる筆記具)・万年筆などの筆記具が主力。文具、玩具、セラミックス、ジュエリー、リサイクルトナー等も展開。海外売上比率が高く(連結売上の約76%)、欧米・アジアで現地生産・販売体制を整備。
  • 事業構成(連結):ステーショナリー用品等 100%(2024.12)
  • 特色:インク技術(熱変色性インク等)や筆記感の設計に強み。インク吸引式万年筆で高いポジション。ブランド力とリフィル(替芯)等の消耗材収益も特徴。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内トップクラスの筆記具メーカーで、世界でも有力ブランド。米州では「G-2」、欧州では「フリクション」シリーズが強い存在感。
  • 競争環境:主要競合は三菱鉛筆、ゼブラ、ぺんてる、コクヨ(筆記具含む)等。価格・書き味・デザイン・ブランド認知・供給網が競争要因。
  • 競争優位性:
    • 独自インク技術(フリクション等)と多品種ラインアップ
    • グローバル直販・卸のチャネル展開、現地生産で為替・関税耐性を強化
    • ブランド資産と継続使用を促すリフィル需要
  • 課題:
    • 為替変動・関税政策の不確実性(米国関税政策等)
    • 原材料・物流コストの変動
    • 教育/オフィスのデジタル化進展に伴う紙文具需要の構造変化

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/中計(2025–2027):
    • 筆記具の海外展開強化(特にアジアの拡大、連結範囲最適化)
    • 新規事業の創出(素材・産業資材含む)と収益多角化
    • グループ経営基盤強化(サプライチェーン最適化、在庫適正化、コスト構造改善)
  • 具体的施策(開示要旨):
    • アジア子会社の連結化・再編(PPIN等)による地域戦略の推進
    • 価格適正化と原価改善、為替・関税影響の段階的吸収
    • 主力商品のブランド強化・コラボ展開(例:ジュースアップ)と高付加価値領域の強化
  • リスク対応:
    • 在庫未実現利益の管理・連結調整、原材料高騰・物流混乱への備え
    • 為替感応度の低減(現地生産・ローカライゼーション)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:一次販売+リフィル等の継続消耗需要、ブランド/機能差別化による価格決定力。地域/製品のポートフォリオで景気・為替分散。
  • 適応力:
    • デジタル化の影響は中長期の構造要因だが、手書きニーズ(教育・趣味・ギフト)や高付加価値・機能性商品で需要を維持
    • 環境配慮(リサイクル、長寿命、リフィル)やサステナ素材対応で規制変化に適応
  • ボトルネック:為替・関税・原材料高による利益率変動。地域別需要の振れ(欧州景気、米国政策、中国需要)に注意。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性:
    • 熱変色性インク(フリクション)に代表される独自インク技術
    • 書き味や乾燥性、耐水性、発色等の素材・機構設計(ペン先、ボール径、インク供給)
  • 主力・収益牽引:
    • フリクションシリーズ(欧州中心に強含み)
    • G-2(米州)、Vボードマスター/ジュース/ジュースアップ 等
    • 高付加価値万年筆(インク吸引式含む)や木軸「S20」等
  • 今期の動き(中間):日本は一部値上げ影響で玩具が軟調も、筆記具でコラボ商品等が好調。アジアは連結範囲見直しと中国向け「ジュース」が伸長。

6. 株価の評価(バリュエーション比較)

  • 株価:4,578円
  • 予想PER(会社予想):12.16倍(EPS予想 376.53円ベース)
  • 予想PBR:1.23倍(BPS 3,733.31円)
  • 配当利回り(会社予想):2.62%(年120円)
  • 参考比較(業界平均:PER 14.5倍、PBR 1.3倍)
    • PER基準の目安:376.53円 × 14.5倍 ≈ 5,460円
    • PBR基準の目安:3,733.31円 × 1.3倍 ≈ 4,853円
  • 参考指標
    • EV/EBITDA(LTM概算):約6.0倍(時価総額1873億円、純現金約354億円、EBITDA約254億円)
    • E/P(利益利回り):約8.2%(=1/PER)
    • FCF利回り(LTM概算):約3.8%(FCF約71億円/時価総額)

注:通期EPSの会社見通しは資料により約381円の表記もあり、集計前提差による小差が存在。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:
    • 50日線:4,314.6円、200日線:4,309.7円 → 現在値は両移動平均線を上回る
    • 年初来高値:4,833円(現在は約5%下)
    • 52週レンジ:3,698–5,082円の上中位帯(約64%位置)
  • 直近10日:
    • 価格は4,516–4,641円のレンジで推移、足元は4,578円と横ばい圏
    • 出来高は3カ月平均(約8.1万株)に比べ日々の振れあり。本日は時点値でやや低水準
  • 信用動向:信用倍率1.03倍(買残1.22万株・売残1.18万株)でバランスは中立的
  • モメンタム:年初来上昇後の持ち合い局面。上値は年初来高値付近、下値は50/200日線ゾーンが意識されやすい構図

8. 財務諸表分析

  • 収益(百万円)
    • 売上高:126,168(2024/12)→ 118,590(2023)→ 112,850(2022)
    • 営業利益:17,806 → 19,003 → 21,245
    • 当期純利益:15,181 → 13,661 → 15,773
  • 収益性(2024/12ベースの概算)
    • 売上総利益率:約51.3%(64,728/126,168)
    • 営業利益率:約14.1%(17,806/126,168)
    • 純利益率:約12.0%(15,181/126,168)
  • 成長トレンド:
    • 売上は3年で増加基調、利益は原価・販管費上昇や為替要因でピーク(2022)から調整
    • 2025年中間は売上微減も営業増益(連結調整の影響)。経常・純利益は為替差損等で減少
  • 効率・資本
    • ROE:実績11.23%(2024)、直近LTM約9.74%
    • ROA:LTM約6.87%
    • 自己資本比率:79.1%(2024)→ 81.1%(2025/6期中)
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF:約202億円、レバードFCF:約71億円
    • ネットキャッシュ体質(現金等約370億円、総有利子負債約15億円)
    • 流動比率:3.64倍と高水準
  • 財務安全性:
    • D/E(有利子負債):約1.0%
    • 利払い負担は極小(EBIT/支払利息のカバレッジは十分)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間予想120円(中間60円・期末60円)、予想配当性向 約34%
  • 還元施策:自己株式取得を実施(2025/5/9に264,700株取得、中間期の自己株式増加約9.65億円)。自己株式比率は約6.2%
  • 5年平均利回り:1.96%(現状は2.6%台)
  • 権利・イベント:次回権利落ち日(予定)2025/12/29

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • パフォーマンス:52週で+6.8%程度(参考値)
  • ベータ:-0.26(市場連動性は低め)
  • 投資家構成:機関保有約31%、インサイダー約10%(浮動株安定性の一因)
  • 需給:信用残は拮抗。直近は決算通過後の材料消化局面で売買高は平常並み〜やや低調な日もあり
  • 影響要因:
    • 為替動向(円高/円安の利益影響)
    • 原材料・物流費、米国関税政策
    • 欧州・中国等の需要動向、在庫調整
    • 自己株式取得や配当方針の変化

11. 総評

  • 事業:独自インク技術とブランドを核に、海外比率の高い分散ポートフォリオを持つ筆記具大手。リフィル等の継続需要、現地生産・価格適正化で外部環境変動に対応。
  • 収益・財務:売上は堅調、利益はコスト/為替の影響で振れつつも高い自己資本比率とネットキャッシュで安定。中間期は連結調整の寄与で営業増益。
  • バリュエーション:予想PER約12倍、PBR約1.23倍。業界平均(PER14.5倍、PBR1.3倍)との比較では相対指標に差があり、EPS・BPS基準の目安価格は5,460円/4,853円程度の試算。
  • 株価位置:移動平均線上で推移しつつ、年初来高値(4,833円)に近いレンジ内の持ち合い。信用需給は中立。
  • 注目点:為替・関税と原材料費の推移、欧州/中国需要、アジア事業の拡大進捗、在庫・調整額の一過性/持続性、自己株式取得等の資本政策。

(出所)提供データ(決算短信、株価・指標、財務データ等)に基づき作成。記載の比率・倍率は概算を含みます。 不明項目・非開示項目は記載していません。


企業情報

銘柄コード 7846
企業名 パイロットコーポレーション
URL http://www.pilot.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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By シャーロット

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