1. 企業情報
- 概要:中部(中京)エリア地盤の準大手証券グループ。対面営業に強みを持ち、地域金融機関との提携を柱に、富裕層向けウェルス・マネジメント、投資銀行(IPO・公募・M&A)、外国株・外国債、仕組債、デリバティブ、投資信託販売などを展開。グループ内で資産運用、ファンド組成、自己投資、相続・遺言信託関連コンサル、バックオフィス受託、保険代理店等も手掛ける。
- 収益内訳(2025年3月期・連結):手数料48%、トレーディング損益43%、金融収益10%
- 市場:東証プライム(内国株式)、業種「証券・商品先物」
- 本社:東京都中央区
- 代表者:春日井 博
- 従業員:2,658人
- 近年の動き:CHEER証券とTTデジタル・プラットフォームの再編(2025年4月)、R&I「顧客本位の金融販売会社評価」で上位評価「SS」を取得。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:大手総合証券に次ぐ「準大手」グループ。中京圏のブランド力と対面コンサルに強み。地域地銀との提携網で顧客基盤を広げる戦略が特徴。
- 競争優位性:
- 地域密着×地銀提携による紹介・共同営業の獲得力
- 富裕層・事業オーナーに対する対面アドバイス(相続・事業承継、私募・公募の資本政策、オルタナ含む多様な商品提案)
- 仕組債・外国債券など商品オリジネーションと販売力
- 課題:
- 市況(売買代金、ボラティリティ、金利・為替)への感応度が高い収益構造
- 対面中心のコスト構造(販管費)が収益変動期の利益率を圧迫
- ネット証券や低コスト運用商品の拡大による手数料レート低下圧力
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画:「Beyond Our Limits ~異次元への挑戦」(2022年度開始、2025年度は4年目)
- 重点施策(開示ベース):
- 地銀・外部パートナーとの提携強化(Powerful Partners等)と紹介スキーム拡充
- 富裕層向けウェルス・マネジメントの深化(相続・承継、ラップ・投信、オルタナ商品の拡充)
- 投資銀行(ECM/DCM/ESG債、M&A、クロスボーダー)の案件獲得力強化
- デジタル/プラットフォーム再編(CHEER証券再編)による非対面チャネルの補完
- 顧客本位の販売体制徹底(R&I評価「SS」取得)
- 2026年3月期1Q所感:市況逆風下で収益減・利益率低下。計画推進は継続するが、達成度は市況依存の度合いが大きい旨を会社は明示。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:手数料(委託・引受等)+トレーディング損益+金融収益の三本柱。2025.3期はトレーディング比率が高く、市況変動の影響が相対的に大きい構成。
- 持続性の観点:
- 安定性:手数料系の継続課金(投信残高、ラップ口座等)が伸びればボラティリティを緩和可能。
- 変化適応:デジタル子会社再編や外部パートナー活用でチャネル多様化を図る一方、対面の関係資産を活かす「ハイブリッド」化が課題。
- 規制・商品リスク:複雑商品販売の適合性・説明責任などコンダクトリスク管理が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・デジタル:デジタル証券子会社の再編を実施。非対面チャネルとCRM/データ活用の強化が示唆。
- 主力領域:
- 仕組債・外国債券、投資信託の販売
- IPO/PO等のエクイティ関連、ESG債主幹事、M&Aアドバイザリー
- 富裕層向け資産コンサル(相続・信託連携、オルタナティブ投資)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(直近):株価 580円(2025-09-01終値ベース)、BPS(連結)711.24円、ROE(実績)6.11%
- 指標比較
- PBR(実績):約0.82倍(業界平均 1.0倍)→ 帳簿価値対比では低位水準
- EPS(直近12カ月):44.08円
- PER(参考・トレーリング):約13.2倍(= 580 / 44.08、業界平均PER 13.3倍に近い)
- 参考水準感:
- BPS水準との比較:PBR1.0倍相当は約711円。現状はそれに対しディスカウント。
- 収益変動が大きい業態のため、PERは市況で振れやすい点に留意。
7. テクニカル分析(短期)
- 10営業日レンジ:577~597円でのレンジ推移。年初来高値597円に接近後、直近はやや押し戻し(終値580円)。
- 出来高:8/22に出来高膨らみ後は平常化、9/1はやや多め(約90万株)。
- 水準感:年初来高値(597円)から約-3%、年初来安値(395円)からは大幅上方に位置。短期は高値圏に近いレンジ内のもみ合い。
- 信用動向:信用倍率3.32倍。買残減(-57.8千株)、売残小幅増は短期の持ち高調整・利益確定の示唆。
8. 財務諸表分析(連結)
- 損益推移(百万円)
- 売上高(営業収益相当):2022/3 80,974 → 2023/3 73,381 → 2024/3 89,201 → 2025/3 86,327
- 営業利益:9,886 → 3,162 → 15,308 → 11,744
- 親会社純利益:13,150 → 1,953 → 10,189 → 11,048
- 2026/3期1Q:営業収益19,619(-15.4%)、営業利益392(-91.4%)、純利益340(-89.6%)
- 収益性
- 営業利益率:2025/3期約13.6%(=11,744/86,327)、2024/3期約17.2%、2023/3期約4.3%
- 1Q(2026/3期):約2.0%と大幅低下(市況影響・金融費用増)
- 効率・安全性
- 自己資本比率:2025/3期末 12.9%、2025/6/30 14.7%
- 総資産:1,218,378百万円、純資産:191,661百万円(2025/6/30)
- 流動比率:約133%(証券業の勘所として運用・調達構造は一般事業会社と異なる)
- キャッシュフロー:四半期CFは作成なし(注記)。減価償却費は1Qで914百万円。
- 所見:2023/3期のボトムから回復したが、2026/3期1Qは手数料・トレーディングの減少と金融費用増で利益圧縮。構造的な固定費水準が利益振れ幅を拡大させる傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 2025年3月期の実績配当:年間28円(中間12円・期末16円)
- 2026年3月期の配当予想:未定(業績予想非開示のため)
- 実績ベースの参考利回り:28円 / 580円 ≒ 約4.8%(将来を保証するものではない)
- 配当性向の参考:2025/3期EPS 44.08円に対し、配当28円で約63.5%
- 自己株式:発行済の約3.7%を保有(直近)。今期の新規自己株買いの有無は未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値圏へのトライ後、短期はレンジ内で方向性模索。1Qの大幅減益が上値追いの勢いを抑制する一因。
- 需給:信用買い優位だが買残は減少傾向、短期筋の回転・手仕舞いがうかがえる。
- イベント:
- 権利落ち日(予定):2025-09-29
- 決算発表予定:2025-10-30
これらは短期の需給・変動要因となり得る。
11. 総評
- 事業面:中京地盤と地銀提携、富裕層向け対面コンサル、投資銀行機能を組み合わせた「地域密着×総合金融」モデルが特徴。R&Iの顧客本位評価で高評価。
- 収益構造:トレーディング・手数料依存度が高く、市況影響が大きい。1Qは収益・利益ともに落ち込み、費用固定性が響いた。
- バリュエーション:PBRは業界平均を下回る一方、トレーリングPERは業界平均並み。帳簿価値とのギャップはROEや収益安定性の評価に連動しやすい。
- 株主還元:前期は配当実績年28円。今期は未定。自己株式保有あり。
- 留意点:金利・為替・株式市況、商品別需給・規制対応が業績に影響。デジタル・パートナー戦略の成果と手数料の安定化度合いが中期の鍵。
注記:
– 本資料は公開情報に基づく客観的整理であり、投資判断を勧誘・助言するものではありません。
– 数値は原則として連結ベース。株価・出来高等は直近終値(2025-09-01)等に基づき記載。配当利回りは実績ベースの参考値です。
企業情報
銘柄コード | 8616 |
企業名 | 東海東京フィナンシャル・ホールディングス |
URL | http://www.tokaitokyo-fh.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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