かんぽ生命保険(7181)企業分析レポート
株価:4,216円(前日終値)
市場:東証プライム/保険業
時価総額:約1.57兆円
発行済株式数:371,822,700株
単元株数:100株(最低購入代金:約42.16万円)
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1. 企業情報
- 概要
- 日本全国の郵便局網を通じて個人向けの簡易・小口の生命保険を主力に展開。終身・定期・養老・個人年金・医療等の保険販売、再保険、資産運用、郵便局の保険代理業務等を行う単一セグメント(生命保険)。
- 2006年設立。日本郵政グループの中核生保。第一生命との提携関係あり。
- 特徴
- 販売チャネル:郵便局ネットワークと直営拠点が中核。女性・中高年層に顧客基盤。
- グループ内での役割:日本郵政が約49.8%を保有する筆頭株主。
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2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内大手生保の一角。全国の郵便局網という独自かつ広範な販売チャネルに強み。
- 競争優位性
- 圧倒的なリーチと認知、簡易・小口商品に強み、既契約保有の厚み、第一生命との連携。
- 課題(一般論を含む)
- 国内市場の成熟、金利・市場環境変動に伴う運用利回りとALMの難度、規制・会計基準の変化、販売チャネルの生産性・品質向上など。
- 競合は大手生保(日本生命、第一生命、明治安田、住友生命など)や通販・デジタル系まで幅広い。
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3. 経営戦略と重点分野
- 開示ハイライト(2026年3月期1Q短信)
- KKR/GAFGと連携した再保険ビークルへの出資(コミット最大約20億米ドル)。認可後、2026年前半の運用開始想定。2026年3月期への影響は軽微見込み。
- 示唆される重点テーマ
- 資産運用力の強化と収益源の多様化(再保険・オルタナティブの活用等)。
- 保障性商品の強化、郵便局チャネルの生産性・品質改善、デジタル活用による手続効率化。
- 資本効率の改善(配当の安定性、自己株式の取得・消却の活用など)。
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4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 保険料収入と運用収益が二本柱。保険契約準備金の動向や市場金利・資産価格に業績が影響。
- 持続性の観点
- 高齢化・医療需要の基調は追い風。一方、国内市場成熟や金利・市場リスクの管理が鍵。
- 広域チャネルと既契約の厚みは収益安定性に寄与。再保険・投資提携を通じたリスク分散の動き。
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5. 技術革新と主力製品
- 主力領域
- 簡易・小口の生命保険、医療・入院、個人年金等。
- 技術・運営
- 情報システムの設計・開発・運用もグループ内で担い、事務効率化・運用高度化を推進(開示ベース)。
- 再保険・代替投資の活用により、運用手法の多様化を図る動き。
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6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現状指標
- PER(会社予想):11.53倍(EPS予想 365.71円)
- PBR(実績):0.46倍(BPS 9,104.44円)
- 配当利回り(予想):2.94%(1株124円、配当性向約32%)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:13.7倍 → 同社PERは約16%ディスカウント水準(11.53/13.7≒0.84)。
- 業界平均PBR:1.0倍 → 同社PBRは約54%ディスカウント。
- 補足指標
- 益回り(EPS/株価):約8.7%(=365.71÷4,216)。
- 5年平均配当利回り:3.85%(現状はそれを下回る水準)。
- 会社ガイダンスEPS(2026/3期予想):366.05円(短信記載)。
(注)比較は特定時点のデータに基づく一般的な相対評価です。
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7. テクニカル分析(短期)
- トレンド
- 直近終値:4,216円。52週高値:4,260円に接近。
- 50日移動平均:3,693円、200日移動平均:3,154円 → いずれも上回り、上昇トレンド継続。
- 価格帯・モメンタム
- 直近10日で高値圏推移。年初来高値圏に近い水準。
- 出来高は3カ月平均(約86.6万株)に対し、直近はやや同等〜やや下回る日が多いが、8/26に出来高増(約162万株)。
- 信用需給
- 信用倍率:1.84倍。買残増・売残減 → 短期は強含みのポジショニング(数値上の事実)。
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8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結)
- 経常収益(目安):2022/3 3.48兆円 → 2023/3 3.10兆円 → 2024/3 2.72兆円 → 過去12か月 3.54兆円。
- 税引前利益:2022/3 2,206億円 → 2023/3 1,378億円 → 2024/3 1,212億円 → 過去12か月 1,169億円。
- 親会社株主に帰属する当期純利益:2022/3 1,581億円 → 2023/3 976億円 → 2024/3 871億円 → 過去12か月 1,235億円。
- EPS:2022/3 375円 → 2023/3 249円 → 2024/3 227円 → 2025/3(実績/TTM近辺)約323円。
- 収益性(参考指標)
- 営業利益率(過去12か月):12.23%
- 純利益率(過去12か月):4.08%
- ROE(実績):3.72%(過去12か月 4.01%)、ROA(過去12か月):0.39%
- バランスシート
- 総資産:約58.9兆円(2025/6末)。自己資本比率:5.7%(実績5.4%)。
- 有価証券:46.4兆円、保険契約準備金:49.6兆円(保険会社特有の構造)。
- 現金同等:1.5兆円、総デット:4.84兆円(定義に留意)。
- 2026年3月期 1Q(前年比)
- 経常収益:1.43兆円(-2.1%)
- 経常利益:674億円(-1.0%)
- 純利益:347億円(+65.4%)、EPS:93.18円
- 包括利益の増加、準備金繰入れ・戻入れや運用環境改善の影響。
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9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期実績:年間104円(中間52円/期末52円)
- 今期予想:年間124円(中間62円/期末62円)予想据置き
- 予想配当性向:約32%
- 自己株式
- 2024年11月、2025年3月の自己株式取得決議と、2025年5月の一部消却を実施(短信注記)。保有自己株式は期末401,746株。
- 保有構造
- 日本郵政が約49.8%保有。インサイダー持株比率約52.3%、浮動株約1.72億株。大株主の存在は流動性や資本政策の柔軟性に影響し得る。
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10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落:+46.8%。直近は上昇基調で高値圏。
- ベータ(5年):0.14(市場連動性は低め)。
- 出来高・需給
- 3カ月平均出来高:約86.6万株、直近10日平均:約77.2万株。
- 信用買い残の増加と売り残の減少が観測。
- 影響要因
- 金利・市場環境、準備金評価、資産運用収益、再保険投資(KKR連携)の進捗、配当・資本政策、郵便局チャネルの販売動向など。
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11. 総評(サマリー)
- 事業面
- 全国郵便局という独自チャネルと簡易・小口保険の強みを持つ大手生保。市場成熟や金利・市場変動といった構造的課題はある一方、再保険ビークル活用等を通じた収益源多様化・資本効率改善の取り組みが進む。
- 業績・財務
- 2024/3期までの利益は調整局面だったが、直近12か月で純利益は持ち直し。1Qは純利益が増加。ROEは3〜4%台で、PBR0.46倍というバリュエーションに表れている。自己資本比率は保険会社特有の水準。
- バリュエーション・株価
- PER・PBRともに業界平均に対してディスカウント水準。株価は移動平均を大きく上回り、52週高値圏。短期的なモメンタムは良好だが、金利・市場動向や再保険投資の進捗、配当政策等のニュースに敏感に反応しやすい局面。
- 留意点
- 保険会社特有の会計(準備金や評価差)により四半期の変動が大きくなる場合がある。規制・会計基準、金利・市場価格、販売チャネルの生産性・品質、再保険・代替投資のリスク特性などに留意。
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参考データ(抜粋)
– 今後のイベント:決算発表(2025/8/8実施済:1Q)、権利落ち日(2025/9/29予定)
– 値幅制限:3,516〜4,916円
– 年初来高値・安値:4,260円/2,503円
(注)本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値は資料時点のもので、将来の結果を保証するものではありません。
企業情報
銘柄コード | 7181 |
企業名 | かんぽ生命保険 |
URL | http://www.jp-life.japanpost.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 保険業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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