ニップン(2001)企業分析レポート
株価(9/3終値ベース): 2,319円/時価総額: 1,964.8億円/市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要
- 1896年創業の製粉老舗。国内製粉で業界2位。2021年に日本製粉から社名変更。
- 製粉(小麦粉、ふすま、コーン製品、米粉等)に加え、プレミックス(天ぷら粉・お好み焼粉・パンケーキ等)、乾燥パスタ、オリーブオイルやアマニ製品、冷凍食品・中食、ペットフード、健康食品、倉庫・港湾運送、エンジニアリング、不動産賃貸など多角化。
- ブランド例:REGALO(プレミックス等)、冷凍パスタ・パスタソース、デザート、冷凍生地等。
- 事業構成(2025.3 連結)
- 製粉 30%(営業利益率約7%)
- 食品 58%(同約4%)
- その他 12%(同約6%)
- 直近イベント
- 権利落ち日: 2025/9/29
- 決算発表予定: 2025/11/6
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内製粉で第2位。原料調達力、港湾サイロ・製粉拠点、顧客基盤(業務用中心)に強み。
- 加工食品・冷凍食品・健康食品・ペット関連へ事業ポートフォリオを拡大。
- 競争優位性と課題
- 優位性:規模の経済、仕入・物流の効率性、価格改定によるコスト転嫁、ブランド力(パスタ・冷凍食品等)。
- 課題:政府売渡価格に連動する小麦価格の変動、為替(輸入依存)、物流・人件費上昇、消費の節約志向。国内人口動態による需要頭打ちへの対応。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(短信・開示より)
- 製粉:コスト上昇(原料・物流・人件費)への価格改定と収益性維持。需要動向に応じたミックス最適化。
- 食品:外食回復・インバウンド需要取り込み、家庭用はマーケティング強化と機能性・高付加価値訴求、適時の価格見直し。
- 冷凍食品:需要拡大を見据え、畑中食品を連結化し新工場建設に着手(供給力増強)。
- その他:ペットフードの高単価品拡大、外食の採算改善、健康食品の育成。
- 海外:アジアを中心に展開、収益機会の拡大。
- 2026年3月期1Qのトピック
- 売上+2.2%、営業利益+8.0%。純利益は前年同期の遊休地売却特益の反動で-49.6%。
- 自己資本比率は60.7%→63.5%へ改善。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源は製粉の安定収益+食品・冷凍食品等の成長領域の組み合わせ。価格改定で原材料・エネルギー高に適応している点が確認できる。
- 多角化により原料市況の影響を分散。冷凍食品能力増強は中期の需要拡大に整合。
- リスク適応
- 原材料(小麦・油脂等)と為替の変動リスクに対し、価格政策・調達多様化・在庫運用で対応。
- 物流・人件費の上昇は効率化・製品ミックス改善で吸収を図る。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発
- 冷凍食品の新工場投資による生産技術・供給体制強化。
- プレミックス・パスタ・機能性オイル(オリーブ油、アマニなど)での商品開発。
- 主力領域
- 業務用小麦粉・プレミックス、乾燥パスタ/パスタソース、冷凍パスタ・中食、ペットフード・健康食品。高付加価値品が収益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在値: 2,319円
- 会社予想EPS(連結): 249.33円 → PER約9.30倍(提供値と一致)
- 実績BPS(連結): 3,076.53円 → PBR約0.75倍
- 配当: 年66円、配当利回り約2.85%、配当性向約23.9%
- 業界平均との単純比較(参考)
- 業界平均PER 19.5倍をEPSに適用した参考価格: 約4,863円
- 業界平均PBR 1.3倍をBPSに適用した参考価格: 約4,000円
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 2,186.5円、200日: 2,175.4円。株価は両移動平均を上回る上昇トレンド。
- 年初来高値/52週高値: 2,333円。本日高値で更新。現在は52週高値圏。
- 直近10日値動き
- 2,260~2,330円レンジでじり高基調。出来高は3カ月平均(約19万株)をやや下回る日が多い。
- 変動特性
- 5年β: -0.14(市場連動性は低位)。
8. 財務諸表分析
- 成長性(連結)
- 売上高: 321,317百万円(2022/3)→ 365,525(2023/3)→ 400,514(2024/3)→ 410,878(2025/3・過去12か月)。年々増収。
- 営業利益: 11,284 → 12,290 → 20,343 → 21,489百万円へ増益傾向。
- 収益性
- 粗利率:約24%(99,590/410,878)
- 営業利益率:約5.3%(過去12か月)
- 当期純利益率:約4.8%
- ROE: 実績10.62%(開示値)、過去12か月ベース8.0%(別指標)。算定基準の違いに留意。
- ROA(過去12か月): 3.39%
- 財務安全性
- 自己資本比率: 60.7%(期末実績)→ 63.5%(2026/3期1Q)
- 現金同等物: 454億円、総有利子負債: 474億円、D/E約18%
- 流動比率: 2.09倍
- 特記事項
- 2026/3期1Qの純利益減は前年の遊休地売却による特別利益の反動。営業段階は増益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間配当予想: 66円(利回り約2.85%)
- 配当性向: 約24%(直近データ)
- 自社株
- 自己株式: 約0.5~0.6%保有(2026/3期1Q末 527千株)。
- その他
- 直近の自社株買い実施可否は開示からは確認不可。
- 2016年に1:2の株式分割実施履歴あり。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日・200日線を上回り、年初来高値更新で上昇モメンタムが優位。
- 52週騰落率: 約+2.5%。
- 需給
- 信用買残: 62,700株(前週比-3,500)、信用倍率4.27倍。買い残はやや整理の動き。
- 出来高は3カ月平均(約19万株)に対し直近はやや低め。
- イベント
- 9/29権利落ち、11/6決算予定。原材料市況・為替・政府小麦売渡価格の改定などが短期の株価要因。
11. 総評
- 同社は国内製粉2位の基盤に、加工食品・冷凍食品・健康・ペット等を加えた収益ポートフォリオを構築。原材料・物流コスト上昇局面でも価格改定とミックス改善で営業段階は増益を維持している。冷凍食品の能力増強は需要トレンドに整合。
- 財務は自己資本比率が60%超、D/Eも低位で安定。ROEは8~10%台、営業利益率は約5%台。
- バリュエーションは提供指標でPER約9倍、PBR約0.75倍と、業界平均指標と比べ低位水準にある一方、成長性・事業ミックス・一時要因の影響差異に留意が必要。
- 株価は52週高値圏で推移。短期的には原材料価格・為替、インバウンド・外食需要、価格政策、決算発表等がモメンタムに影響しやすい。
注記
– 本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資判断を目的とした助言ではありません。数値は百万円・円ベース(文脈により過去12か月/通期予想/四半期)で記載。算定基準の違いにより一部指標間で差異が生じる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 2001 |
企業名 | ニップン |
URL | https://www.nippn.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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