ラクーンホールディングス(3031)企業分析レポート
株価: 683円(2025-09-02終値)
市場区分: 東証プライム | 業種: 情報・通信業(17業種: 情報通信・サービスその他)
時価総額: 約152.0億円 | 単元株数: 100株 | 最低購入代金: 約6.83万円
1. 企業情報
- 概要
- BtoB取引のインフラを提供。主力はメーカーと小売・サービス事業者をつなぐ卸・仕入EC「スーパーデリバリー(SD)」、海外向け「SD export」、クラウド受発注「COREC」。
- フィンテック領域ではBtoB後払い・与信決済「Paid」、売掛債権保証「URIHO」等を展開。保証や与信ノウハウを活かし、中小企業の掛売リスクを低減。
- 連結事業構成(2024.4期目安):EC 57%、フィナンシャル 43%(かっこ内の数値は出所表記上の利益率参考:EC 27%、フィナンシャル 13%)。
- 会社基礎情報
- 設立: 1996年5月 | 本社: 東京都中央区
- 代表者: 小方 功 | 従業員: 225人、平均年齢33.9歳、平均年収631万円
- 連結子会社の変更: 家賃保証のラクーンレントが前期に連結除外済み
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- BtoB卸・仕入ECとBtoB決済・保証を組み合わせたモデルは国内で特徴的。ECの流通拡大と、決済・保証の取扱高・保証残高拡大を並行して進める「両輪」。
- 競争優位性
- 高粗利のプラットフォーム型収益構造(過去12か月の粗利率約81%)。
- 与信・債権保証のデータ・ノウハウ蓄積に基づくリスク管理能力。
- EC顧客をフィンテックへ、またその逆のクロスセルによるLTV向上余地。
- 課題
- 海外送料・物流費の上昇など外部コストの変動が利益率に影響(1Qは「その他費用」増が利益圧迫要因)。
- 特定地域(例: 香港)の需要低迷や為替・関税政策等、外部環境の不確実性。
- 信用・保証事業は景気局面により貸倒リスクが変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性
- 「BtoB取引のインフラ化」。顧客獲得ペースの加速とグループ内クロスセルにより、顧客生涯価値(LTV)を高める。
- 中期経営計画(初年度の重点)
- 顧客獲得強化とプロダクト磨き込み(ECはSEO/広告投資、海外展開、配送最適化等)。
- フィナンシャル事業はPaid取扱高とURIHO保証残高の拡大、スコアリングの高度化。
- 進捗(2026年4月期1Q)
- 売上+2.3%だが、海外送料等のコスト上昇で営業利益は減。通期予想は据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- EC: 出店・取引手数料、海外取引のサービス料ほか。
- フィンテック: 決済手数料・保証料、与信・回収機能に対する対価。
- 強靭性・適応力
- 二面市場(出店者/仕入先)のネットワーク効果と、与信・保証データの蓄積が参入障壁に寄与。
- 外部コスト(物流・関税等)や景気動向の影響は受けやすく、価格設計や業務オペレーション最適化による吸収が論点。
5. 技術革新と主力製品
- 主力サービス
- スーパーデリバリー/SD export、COREC、Paid、URIHO。
- 技術・独自性
- クラウド受発注やEC基盤、スコアリングを用いた与信・債権管理。API/外部連携余地。
- 事業ドライバー
- 1Q流通額:SD 72.7億円(前年同期比+8.5%)。
- Paid取扱高:109.8億円(前年同期比+12.2%)。URIHO保証残高:659.1億円(前期末比+4.6%)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 683円
- 会社予想EPS: 44.27円 → PER約15.43倍(提供指標と一致)
- 実績BPS: 213.83円 → PBR約3.19倍(提供指標と一致)
- 参考比較
- 業界平均PER: 23.2倍、業界平均PBR: 2.3倍
- 同社はPERが業界平均を下回り、PBRは上回る水準。
- ROEと指標整合
- 予想EPS/BPS=約20.7% → PER×ROE ≒ PBR(15.43×0.207≒3.19)と整合。
- 配当
- 年間予想配当22円、配当利回り約3.22%、配当性向約56%。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ: 643円〜976円 → 現在はレンジ下寄り(安値比+約6%)。
- 移動平均: 50日線約690円、200日線約788円 → 現在値は両線を下回る。
- 直近の値動き
- 8/29(決算短信公表日)後、9/1に出来高増を伴い下落(724→669)。9/2は反発(+2.1%)。
- 出来高
- 3カ月平均28.4万株に対し、直近10日平均40.5万株、当日50.2万株と増加傾向。
- 信用動向
- 信用買残114.97万株(前週比+27.89万)、売残40.85万株(+12.42万)、信用倍率2.81倍。短期的なモメンタムの変化に注意。
8. 財務諸表分析
-
収益・利益(連結)
- 売上高推移(億円):47.9(2022)→53.2(2023)→58.1(2024)→61.0(2025)
3年CAGR約+8%。
– 営業利益(億円):11.3(2022)→11.9(2023)→5.7(2024)→12.5(2025)と回復。
– 親会社純利益(億円):3.5(2022)→6.7(2023)→3.3(2024)→8.4(2025)。
– 利益率(過去12か月、提供指標): 営業利益率17.38%、純利益率13.11%。
– 1Q(2026/4期)
– 売上+2.3%、営業利益-9.6%、純利益-15.9%(海外送料等の増加が主因)。
– キャッシュ・フロー / 財政状態
– 営業CF(過去12か月)約6.60億円、当期1Q累計は季節性もありマイナス。
– 現金同等物約40.1億円、借入約14.2億円、自己資本比率27.3%、流動比率約124%。
– ROE(実績)18.18%、ROA 4.82%。
– コメント
– 高粗利の一方で、販管費(特に海外関連費用)の変動が利益振れ要因。
– 連結範囲変更(家賃保証の除外)が年次比較に影響。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 実績(2025/4期):年22円(中間10円、期末12円)
- 予想(2026/4期):年22円(中間11円、期末11円)
- 予想配当性向:約56%(提供指標)
- 自己株式
- 自己株式比率約8.09%(1,800,600株)。現時点で新たな買付公表情報は未確認(短信上)。
- 参考
- 5年平均配当利回り1.77%に対し、現状利回りは高めの水準。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 200日線下での推移が続き、中期的には下方圧力が意識されやすい局面。直近は決算後にボラティリティ上昇。
- イベント
- 次回配当の権利落ち予定日:2025-10-30(予定)。
- 投資家層・流動性
- インサイダー保有23.85%、機関保有20.32%、浮動株約1,471万株。
- 直近出来高は平均を上回り、注目度が一時的に上昇。
11. 総評
- 事業面
- EC×決済・保証の組み合わせによる高粗利なプラットフォームを構築。取扱高・保証残高は拡大基調で、中期計画は顧客獲得とクロスセルによる規模拡大を重視。
- 収益・財務
- 2025期は営業利益が回復し、ROEも高水準。もっとも、2026期1Qは海外関連コスト増で利益率が鈍化。現金水準に余裕があり、自己資本比率は約27%。
- バリュエーション・株価
- 予想PER約15.4倍、PBR約3.19倍。業界平均と比較するとPERは低位、PBRは高位。52週レンジ下寄りで推移し、移動平均線を下回る。
- 留意点
- 物流費・関税・為替等の外部コスト変動、地域需要の弱含み、信用コストの動向が利益振れ要因。連結範囲変更の影響も年次比較時に注意。
本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、特定の投資行動を勧誘・推奨するものではありません。不明点や追加で確認したい項目があればご指定ください。
企業情報
銘柄コード | 3031 |
企業名 | ラクーンホールディングス |
URL | https://www.raccoon.ne.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。