日本通信(9424)企業分析レポート

株価: 153円(終値)

1. 企業情報

  • 概要
    • 日本通信はMVNO(仮想移動体通信事業者)/MVNEとして、個人・法人向けモバイル通信サービス、ローカル4G/5Gを含むモバイルソリューション、SIM上のデジタルID(FPoS)を展開。1996年設立、東京本社。
    • 主力は「日本通信SIM」(音声定額・準定額など)。米国子会社を通じ、閉域網や決済・IoT向けSIM等のソリューションも提供。
    • 2025年6月に携帯電話番号の割当を受領。ドコモ網との相互接続に基づき、音声・SMSを含む新サービスを2026年5月開始目標(会社公表)。
  • 事業構成
    • 連結事業:移動体通信サービス100%(単一セグメント)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • MVNOのパイオニアかつMVNE機能を保有。ドコモとの相互接続により「ネオキャリア」化(自社コアと番号割当を活用したサービス展開)を準備。
    • 付加価値領域としてデジタルID(FPoS)、決済向けSIM、ローカル4G/5G等を併営。
  • 競争環境
    • 競合:大手系MVNO(IIJmio、mineo、OCN等)やMNOのサブブランドなど。料金競争・顧客獲得コストの上昇、ARPUの伸び悩みが業界の一般的課題。
  • 競争上の特徴と課題
    • 特徴:相互接続によるサービス構成の自由度向上、FPoS等の独自技術を基盤とした差別化余地。
    • 課題:ネットワーク調達コストと粗利率のコントロール、スケジュール通りの相互接続・サービス立ち上げ、ID事業の普及速度。

※市場シェアの公表データは手元資料にありません。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・中長期目標(会社公表の想定)
    • ネオキャリア化とFPoSの社会実装により中長期成長を志向。
    • 2034年目標(会社想定):国内売上2,400億円、当期純利益360億円、モバイル1,000万回線、FPoSで電子証明書1億件。
  • 重点施策
    • ドコモ相互接続:音声・SMS含む新サービスを2026年5月開始目標。コアネットワークの仮想化で柔軟性とコスト効率を追求。
    • FPoS(デジタルID):スマホ内HSMを活用した電子署名・認証基盤。自治体(例:めぶくID)・決済アプリ組込み(例:ウェルネット)等の採用拡大。
    • モバイルソリューション:ローカル4G/5G、閉域通信、PCI DSS準拠の決済ソリューション、IoT向けSIMなど法人領域の深耕。
    • 顧客獲得:テレビCM・ネット広告、料金プランの容量増量等で回線数の拡大。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 月額課金のストック収益(回線数×ARPU)が基盤。MVNE・法人ソリューション、FPoSなどのB2B収益で多角化。
  • 持続性の観点
    • ネットワークコスト(卸料金)への依存は利益率の変動要因。相互接続・自社コア活用でマージン構造の安定化余地。
    • 付加価値(ID・決済・閉域・IoT)による単価維持・チャーン抑制、顧客ロックインの可能性。
    • 規制・制度(電子署名法、通信政策)や標準化動向の影響を受けやすい点に留意。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • FPoS:スマホ内HSMで秘密鍵管理を行う認証・署名技術。電子署名法に基づく認定・評価により、金融・行政領域での制度適合性をアピール。
    • ネットワーク:仮想化コアの構築による拡張性・コスト効率。ローカル4G/5Gや閉域網対応。
    • eSIM/サブSIM等の先進的利用形態やセキュリティソリューションの提供。
  • 主力プロダクト/サービス
    • 消費者向け:「日本通信SIM」(音声定額・準定額、容量増量施策)
    • 法人/ソリューション:閉域通信、決済(PCI DSS対応)、IoT向けSIM、ローカル4G/5G
    • デジタルID:FPoSライブラリ、デジタル認証モジュール、自治体・決済アプリへの組込み

6. 株価の評価(バリュエーション比較)

  • 前提データ(直近)
    • 株価 153円、時価総額 約255.3億円、BPS 23.34円、PBR 6.56倍、EPS(LTM)5.12円
    • 業界平均:PER 23.2倍、PBR 2.3倍
  • 算定指標(概算)
    • PER(トレーリング): 153円 / 5.12円 ≈ 29.9倍
    • PBR(実績): 6.56倍(提示値)
    • P/S(LTM): 153円 / 59.66円 ≈ 2.56倍(RPS=59.66円)
    • EV/EBITDA(LTM): EV ≈ 255.3 + 20.4 − 42.6 = 約233.1億円、EBITDA ≈ 12.7億円 → 約18.3倍
  • コメント
    • PERは業界平均PER(23.2倍)を上回る水準。PBRも業界平均PBR(2.3倍)を上回る。
    • ROEは実績で26.24%(別データでは過去12か月ベース23.75%の表記もあり)。高ROEとPBR水準の関係性に留意。

(注)データ出所や計測期間の違いにより一部指標に乖離があります。

7. テクニカル分析

  • トレンドと位置づけ
    • 10日間の終値推移は下向き(171円前後 → 153円)。
    • 50日移動平均: 159.96円、200日移動平均: 147.91円。終値は50日線を下回り、200日線を上回る位置。
  • 高値圏/安値圏
    • 52週レンジ: 114~193円。現在値153円はレンジの中位付近。
  • 出来高・需給
    • 当日出来高は約281万株で3カ月平均(約216万株)を上回る。
    • 信用買残8,436千株、信用倍率17.48倍と買い残優位。需給の片寄りは短期ボラティリティ要因となり得る。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 売上高(FY2025):92.4億円(FY2024: 74.0億円)と増収継続。
    • 2026年3月期1Q:売上+31.6%、営業利益+36.7%、純利益+29.8%(前年比)。
  • 収益性(LTM目安)
    • 売上総利益率:約41.6%(3,842/9,239)
    • 営業利益率:約10.4%(962/9,239)[参考:別データで11.8%表示あり(期間差)]
    • 当期純利益率:約9.2%(849/9,239)
  • 効率性
    • ROE(実績): 26.24%(参考値:23.75%)
    • ROA(LTM): 10.64%(提示値)
  • 安全性・資本構成
    • 自己資本比率:約50%(50.4%)
    • 現預金 42.6億円、総借入 20.4億円、ネットキャッシュ約+22.2億円
    • 流動比率 2.91倍
  • キャッシュフロー
    • 営業CF(LTM):約11.1億円、レバードFCF:約2.8億円
    • 2026年3月期1Q:営業CF+3.3億円、投資CF▲3.7億円(コアNW/FPoS等へ投資)、財務CFほぼ横ばい
  • 収益ドライバー
    • 「日本通信SIM」の回線純増とARPU施策、法人ソリューション/FPoSの採用拡大。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 会社予想配当:0円(配当利回り0%、配当性向0%)
  • 自己株・希薄化
    • 自己株式:約2.95万株と小規模。
    • 2025年7月に譲渡制限付株式を合計91.5万株発行(取締役・執行役員等向け、発行価額157円)。発行済株式比で約0.55%相当の潜在的希薄化。
  • 大株主構成(抜粋)
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)12.34%ほか。インサイダー保有比率10.21%、機関保有12.79%。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 直近は調整局面(終値が50日線を下回り、下落日が優勢)。52週変化率は▲14.75%で市場平均(S&P500 +16.84%)比で見劣りの推移。
  • 投資家関心・需給
    • 信用買い残の増加(前週比+134.9万株)と売り残減少で、短期的に買いポジションが積み上がる構図。
    • 3カ月平均より高い出来高が継続。イベントとして相互接続進捗、四半期決算、FPoS採用事例の拡大が注目材料。

11. 総評

  • 事業面
    • MVNO基盤の回線増と、ドコモ相互接続を見据えた「ネオキャリア」化、FPoSを核とするデジタルID事業の多角化が並行して進展。1Qは増収増益で、投資(コアNW/FPoS)も継続。
  • 収益性・財務
    • 粗利率は4割超、営業利益率は一桁台後半~一割程度。高ROE・ネットキャッシュのバランスシート。卸単価や投資負担、制度・規制の動向が利益率の変動要因。
  • バリュエーション・株価動向
    • PER・PBRは業界平均を上回る水準。短期は50日線下、200日線上でのもみ合い圏。信用買い残の積み上がりなど需給面の動向に留意。
  • 重要論点
    • 相互接続スケジュールの実現度、サービス開始後の回線純増・ARPU、FPoSの採用拡大と収益化のモニタリングがポイント。

本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。記載数値は四半期・年度の区分やデータソースにより差異が生じる場合があります。最新の開示・IR資料をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 9424
企業名 日本通信
URL http://www.j-com.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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