日進工具 (6157) 分析レポート

本資料は公開データに基づく情報提供であり、投資助言を目的としたものではありません。数値は概算・四捨五入を含みます。

1. 企業情報

  • 概要: 超硬小径エンドミルに特化した切削工具メーカー。精密金型、電子部品、半導体関連などの高精度加工向け工具を製造・販売。自社開発機による生産体制と無借金経営が特徴。
  • 主力製品: 小径超硬エンドミル、マイクロドリル、アルミ・樹脂向けエンドミル、長ネックエンドミル、フラットドリル、スレッドミル等。ハイテク産業向けのソリッドカーバイド工具を提供。
  • 事業構成(連結、2025.3): エンドミル(6mm以下)80%、エンドミル(6mm超)8%、他エンドミル5%、他製品7%。海外売上比率28%。
  • 基本情報: プライム市場上場、機械セクター。本社:東京都品川区。従業員358人(平均年齢38.6歳、平均年収644万円)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 小径・高精度の超硬エンドミル領域に特化したニッチプレイヤー。国内外の総合工具メーカー(例:OSG、ユニオンツール、総合素材系の工具事業など)と並び、微細加工領域での専門性が強み。
  • 競争優位性:
    • 小径・高精度領域への集中とノウハウの蓄積
    • 自社開発機による生産効率・品質のコントロール
    • 粗利率の相対的な高さ(第1四半期粗利率約54%)
  • 課題:
    • 景気・設備投資サイクル(半導体、自動車、金型)の変動影響
    • 海外での価格競争(特に汎用領域での低価格品)
    • 原材料(超硬材)・エネルギー価格、為替変動の影響
  • 市場シェア: 公開情報では明確な数値は非開示。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略の方向性(開示情報の要旨):
    • 主力領域(小径エンドミル)での高付加価値化・新製品投入
    • 生産性向上とリードタイム短縮(小集団改善「オレンジFC活動」等)
    • 収益性重視のコスト管理
  • 中期的重点分野:
    • 半導体・電子部品・データセンター関連などの高精度加工需要
    • 中華圏のEV・スマートフォン向け需要
    • 製品ポートフォリオ強化(CBN製品等の高硬度材対応)
  • 2026年3月期の会社計画(据え置き):
    • 売上高 96.8億円(前期比+2.6%)、営業利益 17.4億円(同-1.5%)、純利益 12.0億円(同-5.1%)、EPS予想 48.20円

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 工具は消耗品で交換需要が継続。微細・高精度加工分野は技術進化とともに継続的な更新需要が見込まれる構造。
  • 需要対応力: 新製品投入、コーティング・形状最適化、リードタイム短縮による顧客の加工課題解決を志向。景気循環の影響は受けるが、用途分散(半導体・電子部品・金型・車載等)と海外売上で平準化を図る。
  • リスク適応: 原材料・為替・関税などの外部要因に留意。コスト管理・生産性向上の取り組みで耐性を高める方針。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性:
    • 小径・長ネック・高硬度材対応など難加工領域に強み
    • 自社開発機による高精度生産と品質一貫管理
  • 直近期の新製品(決算短信より):
    • CBN 4枚刃 SSR400、CBN 3枚刃 SSPB320、MRBTNH230 など
  • 収益牽引:
    • 「エンドミル(6mm以下)」が最大(第1四半期売上 17.97億円、構成の中心)

6. 株価の評価(バリュエーションの参考計算)

  • 株価: 778円、時価総額: 約193.8億円(データ提供値)
  • 予想EPS: 48.16円 → 予想PER 約16.1倍(提供指標: 16.07倍)
  • 実績BPS: 725.71円 → PBR 約1.07倍(提供指標: 1.07倍)
  • 配当: 年間30円予想 → 予想配当利回り 約3.86%(提供指標: 3.85~3.88%)、配当性向 約59.5%
  • 業界平均との比較(参考):
    • 業界平均PER 16.6倍、業界平均PBR 1.4倍
    • 参考算定: 業界平均PER適用時の参考価格 ≈ 48.16×16.6 = 約799円
    • 参考算定: 業界平均PBR適用時の参考価格 ≈ 725.71×1.4 = 約1,016円
  • ネットキャッシュ考慮の参考:
    • 現金同等物 約94.5億円(1株当たり約379円)
    • 概算EV ≈ 時価総額193.8億円 − 現金94.5億円 ≈ 約99.3億円
    • EV/EBIT(TTM)≈ 99.3/17.7 ≈ 約5.6倍
    • EV/EBITDA(TTM)≈ 99.3/24.1 ≈ 約4.1倍
  • 参考PSR(TTM): 時価総額/売上高 ≈ 193.8/94.3 ≈ 約2.1倍

(注)上記は単純化した概算であり、有利子負債・非営業資産等の調整は限定的。

7. テクニカル分析(短期)

  • 位置関係:
    • 52週高値 806円、安値 648円。現在値は高値から約3~4%下、200日移動平均線(約738円)・50日線(約760円)の上方。
  • 直近推移:
    • 10日終値は概ね780円前後でのレンジ推移。直近出来高は本日7.2千株、10日平均約24.7千株、3カ月平均約28.6千株。
  • 需給:
    • 信用買残 10.04万株、信用倍率 8.03倍。売り残は1.25万株。やや買い長の需給構造。
  • 価格帯の目安(参考):
    • レジスタンス: 800~806円
    • サポート: 50日線付近(約760円)、200日線付近(約738円)

8. 財務諸表分析

  • 成長・収益性(連結、億円・概算)
    • 売上高: 95.2(2022/3)→ 96.6(2023/3)→ 90.4(2024/3)→ 94.3(直近12か月)
    • 営業利益: 21.1 → 21.1 → 18.7 → 17.7(直近12か月)
    • 営業利益率(過去12か月): 約17.2%(提供指標)
    • 純利益率(過去12か月): 約13.9%
    • 第1四半期(2025/4-6): 売上横ばい(-0.5%)ながら、粗利率改善で増益(営業+15.5%)
  • 効率性:
    • ROE 実績 約7.1%(TTM提供値 7.26%)
    • ROA 約5.9%
  • 財政状態・流動性:
    • 自己資本比率: 91.4~92.5%
    • 流動比率: 約12.6倍
    • 現金等: 約94.5億円(無借金)
  • コスト構造・その他:
    • TTM減価償却費 約6.4億円、EBITDA 約24.1~24.7億円
    • 第1四半期粗利率 ≈54.0%(前年同期 ≈51.2%)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当方針: 2025年3月期実績・2026年3月期予想ともに年間30円(中間15円・期末15円)。
  • 配当利回り: 約3.86%(株価778円ベース)。5年平均利回り 2.27%。
  • 配当性向: 約59.5%(TTM)
  • 自己株式: 約0.46%保有。直近で大規模な自己株買いの開示は—(確認情報なし)。
  • 参考日程: 権利落ち日(予定)2025/9/29。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム: 50日・200日線とも上回る水準で推移。年初来高値圏に近いレンジでのもみ合い。
  • ボラティリティ: 5年β 0.47(市場感応度は相対的に低位)。
  • 需給・オーナーシップ:
    • インサイダー保有比率 約36.9%、機関保有 約22.5%、フロート約1,454万株。浮動株は相対的に限定的。
    • 信用需給は買い長(倍率8.03倍)。
  • 予定イベント:
    • 直近の1Q決算は7/31公表済。次回決算説明会日程は—(未記載)。
    • 配当権利取り関連で9月下旬に需給イベント。

11. 総評

  • 専門性の高い小径超硬エンドミルに特化し、粗利率・営業利益率は業界内でも堅調。第1四半期は売上横ばいながら、コスト管理と生産性向上で利益率を改善。
  • 財務体質は強固(無借金・高流動比率・高自己資本比率)。現金水準が厚く、EV倍率でみた指標は穏当な水準感が示唆される一方、需要は半導体・電子部品向けが相対的に堅調で、自動車・金型向けは不透明感。
  • バリュエーションはPERで業界平均に概ね近く、PBRは業界平均を下回る。株価は中長期移動平均線上で推移し、年初来高値付近のレンジ圏。
  • 留意点は、為替・原材料・貿易政策(関税)など外部要因、および顧客業界のサイクル。新製品投入と生産性改善が利益維持・改善のカギ。

(注)本レポートは公開情報の整理を目的としており、投資判断はご自身の責任で行ってください。


企業情報

銘柄コード 6157
企業名 日進工具
URL http://www.ns-tool.com/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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