東京センチュリー(8439)企業分析レポート
本資料は、公開情報に基づく客観的な整理です。投資助言ではありません。数値は連結・過去12か月(LTM)または会社開示の最新値を優先しています。
1. 企業情報
- 概要:総合リース大手。国内リース、オートモビリティ、スペシャルティ(航空機・船舶・不動産・環境エネルギー等)、国際、環境インフラの5領域で事業展開。情報通信機器や産業機器のリースが祖業で、モビリティサービス(オートリース・レンタカー・カーシェア)や再生可能エネルギー発電事業も展開。
- 沿革・特徴:1964年創業。2016年に現社名へ変更。伊藤忠商事系の資本関係を背景に、商社ネットワークとの共同投資や事業提携に強み。銀行系に比べ経営の自由度が高いとされる。
- 事業セグメント(2026/3期1Q 売上・利益要旨)
- 国内リース:売上1,173億円、セグメント利益67.6億円
- オートモビリティ:売上827億円、利益62.9億円
- スペシャルティ:売上807億円、利益79.9億円(前年の航空機一過性益の反動で減益)
- 国際:売上534億円、利益38.4億円(有価証券売却益寄与)
- 環境インフラ:売上132億円、利益5億円(発電事業改善)
- 従業員:8,146人、平均年齢43.7歳、平均年収901万円
- 上場:東証プライム(その他金融業)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内大手リースグループの一角。主要株主に伊藤忠商事(29.8%)、NTT(10%)、みずほ銀行(3.8%)など事業会社・金融機関が並ぶ点が特徴。浮動株は相対的に少なめ(インサイダー保有66.8%、フロート約1.57億株)。
- 競争優位性(示唆)
- 事業投資・共同投資(商社・事業会社とのアライアンス)
- モビリティや再エネなどオペレーション寄り事業の拡大
- 国内外分散による収益源の多様化
- 課題(示唆)
- リース業特有の高レバレッジ(自己資本比率14.5%)
- 金利上昇・為替変動・残存価値リスク(航空機・自動車等)への感応度
- 一過性益(投資有価証券売却益等)への依存度の変動
※市場シェアの定量データは本資料では未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(開示要旨)
- モビリティ、スペシャルティ(航空機・船舶・不動産・環境エネ)、国際、環境インフラを重点に事業投資を継続
- パートナー企業との共同投資や事業提携の活用
- 国際事業での投資有価証券取引の機動運用
- 中期計画:本四半期資料では中計の修正記載なし(通期予想も据え置き)
- 2026/3期通期計画(会社予想)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:930億円(進捗率1Q時点約24%)
- 1株当たり当期純利益(EPS):約190.6円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:物件リースによる利鞘・手数料・残価益、モビリティの稼働益、投資有価証券の実現益、発電事業の電力販売収益など多層的。
- 強み:セグメント・地域・アセットの分散、共同投資による資本効率の向上余地。
- 主要リスクと適応力
- 金利:資金調達コスト上昇は利鞘を圧迫し得る一方、貸出条件への転嫁や商品設計での吸収が論点。
- 為替:円高時の為替換算差が純資産に影響(1Qは為替換算調整勘定が減少)。
- 残存価値:航空機・自動車など景気・相場の影響。分散と保守的な残価設定が鍵。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 主力:情報通信機器・産業機器のリース、オートリース・レンタカー・カーシェア、航空機・船舶・不動産向けストラクチャードファイナンス、再エネ発電。
- 技術・運営面の動向(示唆):モビリティ分野ではフリート管理・単価改善(インバウンド需要)等の運営改善が収益に寄与。環境インフラではバイオマス混焼発電の改善が進展。
6. 株価の評価(2025-09-02終値 1,884.5円)
- 時価総額:約9,274億円
- EPS(会社予想):約190.56円 → 予想PER:約9.89倍(業界平均PER 10.3倍と近い水準)
- BPS(実績):約2,011.38円 → PBR:約0.94倍(業界平均PBR 0.9倍付近)
- 配当:年間予想68円 → 予想配当利回り:約3.61%、配当性向:約35.7%
- 参考:EV/EBITDA(概算)=約13.6倍(リース業は負債構造の特殊性があり、単純比較は留意)
評価の所見:
– 予想PERは業界平均と概ね同水準、PBRは1倍弱。配当利回りは5年平均(2.94%)を上回る水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均1,747円、200日1,568円。株価は両移動平均を上回り上昇トレンド。
- 水準感:年初来高値=52週高値1,888.5円を本日更新。高値圏のレンジで推移。
- 需給:
- 信用買残25.8万株、信用倍率10.42倍(買いに偏重)。前週比で買い・売りともに減少。
- 出来高:直近10日平均約36.3万株、本日40.1万株(3カ月平均64.5万株には未達)。
- 水準の目安(参考):レジスタンス=1,888.5円、サポート=1,850円近辺/50日線1,747円。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長(売上・利益)
- 売上高:1.278兆円(2022/3)→1.325兆円(2023/3)→1.346兆円(2024/3)→1.369兆円(LTM)
- 営業利益:826億円(2022/3)→912億円(2023/3)→1,042億円(2024/3)→1,171億円(LTM)
- 当期純利益:502億円(2022/3)→47億円(2023/3、一過性損失影響)→721億円(2024/3)→853億円(LTM)
- 収益性
- 営業利益率:LTM約10.2%(会社指標)
- 純利益率:LTM約6.1%
- ROE:実績8.97%(LTM8.49%)
- ROA:LTM約1.09%
- コスト構造
- 減価償却費:LTM約2,662億円(資産集約型モデル)
- 金利費用:LTM約968億円(資金調達コスト上昇の影響が継続)
- 財政状態・流動性(2025/6/30)
- 総資産:6.79兆円、純資産:1.13兆円、自己資本比率:14.5%
- 現金・預金:6,060億円、有利子負債:4.987兆円、D/E(帳簿ベース):約441%
- 流動比率:約149%
- キャッシュフロー
- 1Qは連結CF計算書未作成の注記あり(季節性・投資活動の影響に留意)
総じて、売上・営業利益は安定的に増加。2023/3期の一過性損失の反動で純利益は回復し、LTMでは利益率も一定水準を維持。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/3):年間62円(中間29円・期末33円)
- 配当予想(2026/3):年間68円(中間34円・期末34円)
- 予想配当利回り:約3.61%、配当性向:約36%
- 自己株式:発行済の約0.48%(自己株買いの新規開示は本資料内で未確認)
- 直近株式分割:2023/12/28に4:1
- 重要日程:権利落ち日 2025/9/29(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週変化率+5.9%。直近は年初来高値圏で推移。1Q決算は売上総利益増も純利益はやや減少(△4%)だが、通期計画の進捗は約24%。
- 需給・関心度
- 大株主に事業会社が多く、浮動株が相対的に小さい構成。短期のフローで価格変動が増幅されやすい局面があり得る構造。
- 信用買い残はやや高めの倍率。出来高は3カ月平均に比べ控えめだが、10日平均は上回る。
11. 総評
- 強み
- 事業・アセット・地域の分散と、商社等との共同投資による機動性
- モビリティ/環境インフラの運営力強化と国際事業の収益機会(売却益など)
- 安定した増収・増益トレンドと配当の積み上げ
- 留意点
- 高レバレッジ構造と金利・為替の感応度、航空機・自動車等の残存価値リスク
- 一過性要因(投資有価証券売却益・為替換算差等)による利益変動
- 自己資本比率は1桁台後半〜10%台半ばで推移しており、景気・市場環境の変動耐性を注視
- バリュエーションと株価水準
- 予想PERは業界平均並み、PBRは1倍弱。配当利回りは同社過去平均を上回る水準。
- 株価は移動平均線を上回り、52週高値圏で推移。短期的にはテクニカル節目(1,888.5円)周辺の値動きに注目が集まりやすい構図。
今後のイベント(予定):
– 配当権利落ち:2025/9/29
– 決算発表(2026/3期2Q想定時期):2025/11/7
(注)本レポートは情報提供を目的としたもので、投資判断はご自身でご確認ください。最新情報・詳細は会社IR、決算短信・補足資料をご参照ください。
企業情報
銘柄コード | 8439 |
企業名 | 東京センチュリー |
URL | https://www.tokyocentury.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – その他金融業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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