淀川製鋼所(5451)企業分析レポート
以下は、公開情報に基づく客観的な事実整理です。投資判断を目的とした助言は行いません。不明な点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:表面処理鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板、カラー鋼板等)が主力の独立系圧延メーカー。家庭向けエクステリア(物置・車庫・カーポート等)や建材(屋根・外装)も展開。ロール、グレーチング、不動産(賃貸ビル・駐車場)を含む多角化ポートフォリオ。台湾に上場子会社(SYSCO)を持ち、海外比率38%(2025.3)。
- 主な連結事業構成(売上/営業利益率の目安):鋼板関連 95%(約7%)、ロール 1%(約2%)、グレーチング 2%(約3%)、不動産 1%(約46%)、他 1%(約12%)
- 特徴:カラー・めっき鋼板等の高機能表面処理技術、エクステリア製品(「ヨド物置」等)で認知度。財務は自己資本比率が高く(73.7%)、ネットで受取利息超過。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内位置付け:高炉大手(日本製鉄、JFE等)傘下ではない独立系の表面処理鋼板メーカー。上流(熱延コイル等)は外部調達、下流の表面処理・製品化で付加価値を確保するモデル。
- 競争環境:
- 鋼板:国内は大手系列・専業コーターとの競争。品質・納期・製品ラインアップ(耐食・意匠・クロメートフリー等)が差別化要素。
- エクステリア:家庭用物置はブランド競争(例:イナバ、タクボ等)。同社は量販・販社網に強み。
- 課題:鋼材サイクル(原料・市況)と建設需要の変動、通商政策(関税)・為替、海外供給過剰(特に中国)など外部要因の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針:「中期経営計画2025」の着実な実行を掲げ、収益力の強化を重視。
- 重点項目(開示の範囲で要旨)
- プロダクトミックス高度化:高機能・高付加価値の表面処理鋼板比率の向上、クロメートフリー等の環境対応製品の拡充。
- 海外事業:台湾(SYSCO)、中国(YSS)、タイ(PPT)など子会社の収益性改善と規模の確保(2026年3月期1Qは台湾増収増益、中国改善)。
- 安定収益源:エクステリア・不動産等、景気変動耐性のある事業の育成。
- 事業基盤:生産性・原価低減、為替・原料などの外部リスクへの機動的対応。
- 2026年3月期会社計画(通期):売上1,990億円、営業利益116億円、経常170億円、純利益115億円、EPS(会社予想)79.51円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:上流外部調達→表面処理・加工で付加価値→建材・エクステリア等の製品販売。景気敏感な鋼板に、比較的安定的な不動産・エクステリア収益を組み合わせるポートフォリオ。
- 適応力:価格転嫁力、在庫・生産調整、海外分散が鍵。高機能・環境対応製品の拡充は需要変化への対応余地。高自己資本比率・ネット受取利息は耐性の一因。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:耐食・意匠性を持つカラー鋼板、クロメートフリー処理など環境対応技術。用途別の多様な塗装・表面処理ソリューション。
- 主力製品・分野:溶融亜鉛めっき鋼板、カラー鋼板、建材(屋根・外装)、エクステリア(物置・車庫)、高機能グレーチング、鉄鋼用ロール等。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前日終値:1,398円(2025-09-02終値)
- 指標(連結、会社予想ベース)
- PER:17.58倍(EPS 79.52円)
- PBR:1.07倍(BPS 1,311.84円)
- 配当利回り:4.29%(1株配当 60円)
- 参考:直近12か月EPS(分割前表示467.03円)は1→5分割後換算で約93.4円。これに基づく実績PERは約15.0倍(1,398÷93.4)。
- 業界平均との比較(提供値):PER 8.0倍、PBR 0.6倍に対し、同社は相対的に高め。自己資本比率の高さや非鉄鋼系収益の寄与等が背景となる可能性。
7. テクニカル分析(短期)
- 価格帯:年初来高値 1,403円、安値 959円。現状はレンジ上限付近(終値は高値に接近)。
- 直近10日:終値はじり高基調(1339→1398)。9/2は年初来高値を一時更新(1,403円)。
- 出来高:20〜33万株台で推移、上昇局面でやや増加。
- 信用動向:信用倍率1.05倍、買残増・売残減。ポジションは中立〜やや買い優位。
- 短期評価:高値圏での推移。1,360〜1,380円付近に短期サポート、1,400円台がレジスタンスとして意識されやすい状況。
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上・利益(単位:百万円)
- 売上高:LTM 208,460、2024/3期 203,957、2023/3期 220,314
- 営業利益:LTM 13,889(営業利益率6.7%)、2024/3期 12,018(5.9%)、2023/3期 12,666(5.7%)
- 親会社純利益:LTM 13,499(純利率6.5%)、2024/3期 4,456、2023/3期 10,593
- 正常化利益(Normalized):LTM 10,384(特殊要因控除後の目安)
- 収益性:粗利率 LTM 約16.4%(34,149/208,460)、営業利益率 LTM 6.7%。前年比で改善傾向。1Q(2026/3期)は売上+0.3%、営業利益+3.3%。
- セグメント(2026/3期1Q)
- 鋼板関連:国内数量減で減収も、海外(台湾・中国・タイ)が補完しセグメント利益4,217。
- 不動産:売上336、利益190と高採算。
- キャッシュフロー/財務:
- 減価償却費 LTM 4,651。ネットで受取利息超過(利息収入665>支払利息86)。
- 自己資本比率 73.7%、ROE 7.03%。レバレッジは低位で財務安全性は高い。
- リスク要因(会社開示の要旨):米国関税政策、中国の供給過剰・不動産調整、国内建設投資水準、為替・原材料価格、人手不足等。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2025/3期 実績:年間351円(分割前)=分割後換算約70.2円。
- 2026/3期 予想:年間60円(中間20・期末40、分割後表示)。配当予想は当1Qで修正あり(会社公表)。
- 指標:
- 予想配当利回り:4.29%(終値1,398円ベース)
- 予想配当性向:約75.5%(60÷EPS 79.52)
- 自己株式:期末自己株式数 14,547,086株(期末発行済株式数159,186,150株に対し一定比率)。資本政策の柔軟性につながる要素。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は上昇基調で高値圏。信用残は中立水準で、売り残減少・買い残増加。
- 需給・イベント:
- 年初来高値更新トライに伴う出来高増加。
- 直近イベント:権利落ち予定(Ex-Dividend)2025-09-29。権利取り・配当落ちの需給影響に留意。
- 業績開示は1Q(8/6)公表済。次の進捗更新が関心材料。
11. 総評
- 概況:高自己資本比率のもと、主力の表面処理鋼板に海外子会社の回復、安定的な不動産・エクステリアを組み合わせた収益構造。2026/3期は通期で減益予想(会社計画)だが、1Qは増益スタート。
- バリュエーション:PBR約1.07倍、PER約17.6倍(予想)で、業界平均(PER8.0倍、PBR0.6倍)に比べ相対的に高め。直近12か月EPS換算では実績PER約15倍。
- 株主還元:予想配当60円で利回り約4.3%、配当性向は約75%。自己株式保有も一定水準。
- 株価位置:年初来レンジ上限付近で短期モメンタムは良好。需給は中立〜やや買い優位。
出典・注:
– 2026年3月期 第1四半期決算短信(2025/8/6公表)および提示データに基づく。
– 1株当たり指標は2025/7/1の1→5株式分割後換算を前提(過去のEPS等は必要に応じ換算)。数値は四捨五入により合計と一致しない場合があります。
企業情報
銘柄コード | 5451 |
企業名 | 淀川製鋼所 |
URL | http://www.yodoko.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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