4507 塩野義製薬 分析レポート(個人投資家向け)

注意:本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的としません。数値はIFRSベース(連結、単位は特記なき限り円・百万円・億円・兆円の順で記載)。

1. 企業情報

  • 概要:感染症(抗菌薬・抗ウイルス)、疼痛・中枢神経領域に強み。HIV領域ではパートナー創出品からのロイヤリティが大型化。米国を中心に海外展開を強化し、欧州・アジアも開拓。
  • 事業内容:医療用医薬品の研究開発・製造・販売(連結セグメントは単一:医薬品関連100%)
  • 主な製品・収益源(概要):
    • ロイヤリティ収入:HIV領域の長期作用型(LA)製剤や経口2剤合剤の成長が寄与
    • 重点品:セフィデロコル(Fetroja/Fetcroja、抗菌薬)、ゾコーバ(経口抗ウイルス薬)など
  • 上場区分:東証プライム(医薬品)
  • 代表者:手代木 功(代表取締役会長兼社長 CEO)
  • 所在地:大阪市中央区道修町3-1-8
  • 従業員数:4,955人、平均年齢:41.5歳

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内大手の中でも感染症に強みを持つスペシャリティ志向。グローバルHIV市場においては自社販売ではなく、パートナー創出品からのロイヤリティ比率が高く、高採算な収益構造が特徴。
  • 競争優位性(観点):
    • ロイヤリティ基盤(HIV領域)による高い利益率とキャッシュ創出力
    • 抗菌薬(AMR対応含む)や経口抗ウイルス薬など公衆衛生上の重要領域を保有
  • 課題・留意点:
    • 感染症需要の変動(例:COVID-19の流行度合いに依存)
    • ロイヤリティ源の特許・競合動向への感応度
    • 海外販売の拡大と規制リスク、地域別需給(例:中国)の変動

(注)定量的な市場シェアは公開データからは特定不可。

3. 経営戦略と重点分野

  • 基本方針:感染症・疼痛/中枢領域の強化、グローバル展開、創出品・提携/ロイヤリティの拡充、資本効率と財務健全性の両立。
  • 主な施策(最近の開示より):
    • M&A・提携:鳥居薬品に対するTOB実施(持分法適用関連会社化)、JT医薬事業の吸収分割受入合意、Akros Pharma買収合意 など
    • ポートフォリオ:LA製剤や経口2剤合剤など高付加価値製品の拡充、米欧での抗菌薬販売強化
  • 2026年3月期 会社予想(2025/5/12公表):
    • 売上収益 5,300億円(前期比+20.9%)
    • 営業利益 1,750億円(+11.7%)
    • 親会社株主帰属当期利益 1,800億円(+5.6%)
    • EPS 211.59円
  • 1Q進捗(2025/4-6):売上+2.2%、営業利益+24.9%、当期利益+28.5%(会社は通期予想据え置き)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:自社販売収益+ロイヤリティ収入の二本柱。ロイヤリティは高粗利・安定性がある一方、特許・競合・薬価等の影響を受けうる。
  • 需要耐性:
    • 感染症領域は公衆衛生上ニーズが持続する一方、疾病流行の波に応じた変動がある(例:ゾコーバ需要の鈍化)
    • AMR(薬剤耐性)対策など政策面の追い風も想定されるが、償還・採算性の課題は継続的
  • 財務耐性:自己資本比率88.7%、ネットキャッシュ(現金2548億円−有利子負債217億円)約2,331億円、流動比率663%と財務余力が大きい。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:
    • セフィデロコル(siderophore型セフェム系):耐性菌対応で国際的に評価
    • 長期作用型(LA)や2剤合剤などアドヒアランス向上・利便性を志向する製剤技術
  • 主力・収益牽引:
    • ロイヤリティ収入(1Q:639億円、前年同期比+4.7%)
    • 海外での抗菌薬(Fetroja/Fetcroja)が堅調
    • 国内はCOVID-19の沈静化でゾコーバが減少

6. 株価の評価(バリュエーションの単純指標比較)

  • 株価:2,598.5円
  • 会社予想EPS:211.59円 → 予想PER:約12.28倍
  • 実績BPS:1,619.98円 → PBR:約1.60倍
  • 参考比較:
    • 業界平均PER:27.8倍(単純比較) → EPS×業界PER=約5,885円(理論的水準の試算、参考値)
    • 業界平均PBR:1.4倍 → BPS×1.4=約2,268円(参考値)
  • 追加指標(概算):
    • 時価総額:約2.31兆円
    • EV ≒ 2.31兆 − 0.255兆 + 0.022兆 ≒ 約2.08兆円
    • EBITDA(TTM):約1,846億円 → EV/EBITDA ≒ 約11.3倍
    • PSR(時価総額/売上):約5.25倍(売上TTM約4,405億円)
  • 配当:年間予想66円、予想利回り約2.54%、配当性向約30.6%(会社予想EPSベース)

(注)上記は単純計算の参考指標であり、妥当性や将来性を示すものではありません。

7. テクニカル分析(足元)

  • 位置づけ:52週高値2,724円に対し約▲4.6%、52週安値2,028.5円に対し約+28.2% → 52週レンジの上方域。
  • トレンド系:
    • 50日移動平均:2,552.27円、200日移動平均:2,350.47円
    • 現在値は両移動平均を上回る局面(中期・長期とも上向き基調)
  • 需給:
    • 出来高:3カ月平均2.26百万株、直近10日2.01百万株
    • 信用動向:信用買残42.1万株(前週比+4.16万)、信用倍率4.26倍、信用売残9.87万株(前週比+2.59万)
    • 直近では上昇局面(9/3高値2,679円)で出来高増が観測

8. 財務諸表分析(連結)

  • 損益(TTM/年度):
    • 売上収益:4,402〜4,405億円(TTM)/2025年3月期:4,382億円(前年比+0.7%)
    • 営業利益:TTM約2,098億円?(注:EBIT 209,777百万円=約2,098億円)、営業利益率TTM約35%
    • 親会社帰属当期利益:TTM約1,791億円、純利益率約41%
    • 1Q(2025/4-6):売上+2.2%、営業+24.9%、純利+28.5%
  • 収益性:
    • 粗利率:TTM約86%/1Q約87.7%
    • 営業利益率:TTM約35%/1Q約35.2%
    • ROE(実績):13.12%、ROA(TTM):6.85%
  • キャッシュフロー:
    • 営業CF(TTM):2,030億円
    • 1Q:営業CF+410億円、投資CF△1,307億円(鳥居薬品TOB等)、財務CF△294億円
  • 財政状態:
    • 現金等:2,548億円、総負債:約2,198億円、有利子負債:約217億円
    • 自己資本比率:88.7%、流動比率:663%
  • トレンド(年度別、抜粋):
    • 売上:2022/3 3,351億 → 2023/3 4,267億 → 2024/3 4,351億 → 2025/3 4,383億
    • 当期利益:2022/3 1,142億 → 2023/3 1,850億 → 2024/3 1,620億 → 2025/3 1,704億
    • EPS(希薄化後):126.21 → 207.03 → 186.11 → 200.29(TTM)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当方針(会社予想):年間66円(中間33円・期末33円)、予想利回り約2.54%、配当性向約30.6%
  • 株式分割:2024年9月27日付 1→3株
  • 自己株式:期末自己株式数3,884万株(2026年3月期1Q時点、保有比率の変動は開示資料参照)
  • 権利落ち予定:Ex-Dividend Date(予想)2025年9月29日

(注)自社株買いの新規実施有無は本データからは不明。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+18.54%(参考比較:S&P500 +17.17%)
  • 直近10日:2,540〜2,616.5円のレンジで推移。9/3に上昇・商い膨らみ、その後やや高値圏で持ち合い。
  • 信用需給:買い残・売り残とも増加(買い優位、倍率4.26倍)。個人投資家の関心は一定程度継続とみられる一方、短期的な需給変動には留意。

11. 総評(要点整理)

  • 事業面:感染症・HIVロイヤリティに強み。ロイヤリティの伸長と海外抗菌薬の堅調さが収益を下支え。一方、COVID-19関連は流行度合いの鈍化で減少。
  • 財務面:高利益率・強固なバランスシート・高い営業CFが確認できる。1Qも増益進捗。
  • 戦略面:M&A・提携を活用し、海外と高付加価値製品(LA、2剤合剤)に重点。鳥居薬品の持分取得など、事業基盤拡大を進行。
  • バリュエーション:予想PER約12.3倍、PBR約1.60倍。指標比較上は業界平均PER(27.8倍)より低く、PBRは業界平均(1.4倍)を上回る水準。EV/EBITDAは約11倍台。
  • テクニカル:株価は50日・200日移動平均を上回り、52週レンジの上方域。出来高はイベント日(9/3)に増加。

不明点・追加希望があれば、以下の深掘りが可能です。
– 製品別・地域別の売上構成(開示範囲内)
– 中期経営計画KPIの進捗整理
– 感染症パイプライン(開示ベース)の開発段階一覧
– 収益感応度(為替、薬価改定、特許時期等)の試算(前提開示のうえ)


企業情報

銘柄コード 4507
企業名 塩野義製薬
URL http://www.shionogi.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 医薬品 – 医薬品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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