株式会社ミクニ（証券コード: 7247）の企業分析レポートを以下の通りご報告します。
1. 企業情報
ミクニは1923年創業の独立系メーカーです。主な事業は、自動車・二輪車向けの燃料噴射装置や吸排気系部品などのモビリティ関連製品の製造・販売です。その他に、家庭用ガス機器や水制御機器を扱うガステクノ事業、航空機部品や芝管理機械等の輸入販売を行う商社事業、福祉介護機器などを扱うその他事業も展開しています。特に、2輪用と4輪用の電子制御燃料噴射装置や吸排気系が主力製品となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ミクニは特定の自動車メーカーに属さない独立系の部品メーカーとして、多様な顧客基盤を持っています。主要事業であるモビリティ事業では、電子制御スロットルボディや可変バルブタイミングシステムなど、エンジンの高効率化・環境対応に貢献する製品を提供しています。しかし、自動車業界全体が電動化へとシフトする中で、内燃機関向けの主力製品の将来性に対する適応が課題となる可能性があります。ガステクノ事業においては、中国市場の不動産不況が販売量に影響を与えていると報告されており、市場環境による収益変動のリスクも存在します。一方で、航空機部品や芝管理機械などの商社事業で多角化を図っており、事業リスクの分散に努めています。
3. 経営戦略と重点分野
決算短信からは、コスト低減、販売価格の適正化、および海外市場（特にインド）での事業拡大が現在の重点施策であることがうかがえます。モビリティ事業では客先の新機種投入による販売増を目指し、ガステクノ事業では収益性改善に向けた取り組みが進められています。中期経営計画の具体的な数値目標や詳細な戦略については、今回の情報からは明確な記載がありません。
4. 事業モデルの持続可能性
連結売上高の約8割をモビリティ事業が占めるため、自動車業界の動向が事業全体に大きく影響します。特に、内燃機関に依存する燃料噴射装置などの製品が主力であるため、長期的な視点でのEVシフトへの対応が事業モデルの持続可能性において重要になります。ただし、電子制御部品など高機能製品の開発も手掛けており、技術進化への適応力は持っていると考えられます。また、ガステクノや商社事業といった多角的な事業展開は、特定の市場変動リスクを緩和する役割を果たしています。
5. 技術革新と主力製品
ミクニは、自動車の環境性能向上や効率化に貢献する技術開発に注力しています。主力製品には、電子制御スロットルボディ、プラスチック吸気マニホールド、可変バルブタイミングシステム、電動オイルポンプ、電子排気バルブ、冷却水制御バルブなどがあり、これらは燃費改善や排出ガス削減に寄与するものです。特に、2輪・4輪向けの電子制御燃料噴射装置や吸排気系部品が収益を牽引しています。航空機部品や福祉介護機器など、異分野での製品開発も行っています。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 378.0円
- 1株当たり利益 (EPS 会社予想): 32.66円
- 1株当たり純資産 (BPS 実績): 1,089.31円
- PER (会社予想): 11.54倍
- PBR (実績): 0.35倍
- 業界平均PER: 7.3倍
- 業界平均PBR: 0.5倍
現在の株価は、会社予想PER（11.54倍）が業界平均PER（7.3倍）と比較してやや高い水準にあります。一方で、実績PBR（0.35倍）は業界平均PBR（0.5倍）と比較して低い水準です。このことから、株価のPERは割高感を示唆するものの、PBRは割安感を示唆しており、評価が分かれる可能性があります。理論的な評価として、EPSに基づく適正株価はPER業界平均で約238円、BPSに基づく適正株価はPBR業界平均で約545円と算出されます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 414円
- 年初来安値: 230円
- 現在株価: 378.0円
- 50日移動平均: 320.36円
- 200日移動平均: 306.18円
現在の株価378.0円は、年初来高値（414円）からはやや下落しているものの、年初来安値（230円）からは大きく上昇しています。また、現在株価は50日移動平均（320.36円）および200日移動平均（306.18円）のいずれよりも高い位置にあり、移動平均線の並びから上昇トレンドが継続していると見ることができます。直近10日間の株価推移は、一時400円台をつけましたが、現在にかけてやや軟調な動きとなっています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間で807億円（2022年3月期）から1,014億円（2025年3月期予想）へと緩やかに増加傾向にあります。
- 営業利益: 2022年3月期以降、変動があるものの、2025年3月期は30億円の予想です。2023年3月期には純損失を計上しましたが、2024年3月期には黒字に転換し、2025年3月期には純利益19億円が予想されており、収益性が回復傾向にあることが示唆されます。特に直近の第1四半期決算では、前年同期比で営業利益が58.5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が244.0%増と大幅な増益を達成しています。
- ROE (実績): 5.14% （過去12ヶ月では6.46%）
- ROA (過去12ヶ月): 1.89%
- 自己資本比率 (実績): 34.5%と製造業としては標準的な水準です。
- 流動比率 (直近四半期): 1.25倍
- 純資産: 令和7年6月30日時点では375億円。
- 負債: 当第1四半期の短期借入金が前期末から増加しており、総負債も増加しています。総負債/純資産比率は122.77%と、負債が純資産を上回っており、財務レバレッジは比較的高めです。
- キャッシュフロー: 決算短信では四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないとありますが、貸借対照表上の現金及び預金は前期末から増加しており、資金状況は改善していると見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.71%
- 1株配当（会社予想）: 14.00円
- 配当性向: 23.61%
ミクニは、1株当たり年間配当金14.00円（中間6.00円、期末8.00円）を予想しており、前期実績と同水準です。現在の株価水準に対する配当利回りは3.71%と比較的高い水準にあります。配当性向は23.61%と、利益に対する配当の割合は安定しており、今後の業績の改善に伴い、株主還元の余力も期待されます。自社株買いに関する明確な記述は今回のデータにはありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去52週間の株価変動率は5.57%と、市場全体の変動と比較して限定的です。直近3ヶ月の平均出来高は147.71千株、直近10日の平均出来高は233.59千株と、出来高は比較的水準が高い日もあります。信用買残は833千株と多く、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。信用買い残が増加傾向にあることから、市場からの一定の関心がうかがえますが、今後の株価上昇局面でこれらの買い残が売り圧力となる可能性も考慮されます。50日移動平均線が200日移動平均線を上回って推移しており、株価モメンタムは強気基調を示唆しています。
11. 総評
ミクニは、自動車・二輪向け部品のモビリティ事業を主軸としつつ、ガステクノ事業や商社事業で多角化を進める企業です。売上高は安定的に増加しており、2023年3月期の純損失から回復し、2025年3月期には大幅な増益予想が立てられています。特に、モビリティ事業の海外展開（インド）やコスト削減、販売価格の適正化が収益改善に貢献しています。
株価は年初来高値圏で推移し、移動平均線の上で安定しており、テクニカル的には上昇基調にあります。バリュエーション面では、PBRが業界平均を下回る一方で、PERは業界平均を上回っており、評価の判断は慎重に行う必要があります。株主還元は安定しており、配当利回りも比較的高水準です。
財務面では、自己資本比率は安定しているものの、負債比率は高めであり、運転資金の増加に伴う短期借入金の増加が見られます。自動車業界全体の電動化という大きな課題に直面していますが、電子制御部品など高機能製品への対応や、他事業でのリスク分散を通じて、事業の持続可能性を模索しています。
企業情報
| 銘柄コード | 7247 |
| 企業名 | ミクニ |
| URL | http://www.mikuni.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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