5232 住友大阪セメント 分析レポート
基準日: 2025-09-05 / 株価: 4,020円 / 市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: セメント大手。国内外でセメント・生コンクリート、固化材、道路・土木用骨材、石灰石・ドロマイト等の鉱産品、石灰・肥料、フライアッシュ脱硫用炭酸カルシウム、シリカ粉などを提供。電力供給や廃棄物再資源化も展開。
- 高付加価値分野: 光電子(LNモジュレータ等の光通信部品・計測機器)、半導体製造装置向けセラミック部材・ナノ粒子・抗菌材・機能性塗料、電池素材など。IT・不動産賃貸・情報処理・電気工事も手掛ける。
- 事業構成(売上比/営業利益率: 2025.3期 連結):
- セメント 71%(利益率 1%)
- 鉱産品 8%(15%)
- 建材 11%(7%)
- 光電子 1%(-14%)
- 新材料 7%(14%)
- その他 2%(18%)
- 特徴: 国内シェア3位、廃棄物再資源化・売電で先行。住友系。新素材・電池素材、光電子分野を育成。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 立ち位置: 国内セメント大手の一角(国内シェア3位)。
- 競争優位の源泉(事実ベース):
- 自社石灰石鉱山等による鉱産品一体運営
- 廃棄物焼却・再資源化や代替燃料活用の運転実績
- 電力供給(売電)による収益源の多様化
- 非セメント領域(新材料・光電子)によるポートフォリオ分散
- 課題(事実ベース):
- 国内需要は週休2日化・時間外規制影響等で減少(2026年3月期1Q、国内セメント需要前年比▲6.4%)
- エネルギー・原燃料コスト、CO2削減要請への対応
- セメントの低マージン構造、販売数量変動の影響
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画(2023–2025年度)要点:
- 既存事業の収益改善(セメント収益力回復、光通信部品のシェア獲得)
- 成長基盤構築(半導体製造装置向け電子材料の拡大、海外展開(豪州)、脱炭素関連の新規事業)
- 経営基盤強化(人財・R&D・知財・DX)
- 進捗(2026年3月期1Q):
- 新材料セグメントの売上+33.5%、営業利益+523百万円と大幅増。計画の成長ドライバーに沿う形。
- セメントは数量減で売上減、製造コスト改善で損益は改善(営業損失縮小)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 国内外セメント・鉱産品・建材の安定収益に、売電・廃棄物再資源化、新材料・光電子の成長収益を加えた複線型。
- 外部環境適応:
- 国内建設需要や労働規制の影響を受けやすい一方、輸出や代替燃料・リサイクルの拡大で対応。
- 脱炭素要請への設備・運転改善、資源循環の取り組みあり。
- 半導体・光通信向けの新素材で景気・需給サイクル分散を図る動き。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 光電子分野のLN(リチウムニオベート)モジュレータ等、高速光通信対応部品の内製化とコスト改善。
- 半導体製造装置向けセラミックス、ナノ粒子、機能材(抗菌材・機能塗料等)の開発。
- 収益牽引:
- 2026年3月期1Qのセグメント利益では、新材料が906百万円と連結営業利益の大きな寄与。
- 光電子は赤字ながら数量増・コスト改善で損益改善傾向。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提データ:
- 株価 4,020円、BPS 5,862.29円、会社予想EPS 426.81円(別資料の通期EPS予想 435.93円)
- 業界平均: PER 18.3倍、PBR 1.4倍
- 指標計算:
- PER(会社予想ベース): 約9.4倍(4,020円 ÷ 426.81円)。IR通期EPS 435.93円の場合 約9.2倍。
- PBR: 0.69倍(4,020円 ÷ 5,862.29円)
- PSR(LTM): 約0.61倍(時価総額133.6百億円 ÷ 売上2,177.8百億円)
- EV/EBITDA(概算): 約6.3倍[EV=時価総額133.6+有利子負債86.7−現金15.4=約204.9百億円、EBITDA 326.6億円]
- 相対比較(数値差の提示):
- PER・PBRは業界平均(18.3倍、1.4倍)に対し、いずれも低い水準の数値となっている。
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日移動平均 3,867.9円、200日 3,639.3円。株価は両線の上方に位置。
- 価格帯: 52週高値 4,140円(年初来高値 4,097円)に対し終値 4,020円(高値から約▲2.9%)。52週安値 3,140円に対し約+28%高。
- モメンタム:
- 短期は上昇基調(50日線>200日線、いわゆるゴールデンクロス状態)。
- 出来高は3カ月平均22.1万株に近い水準(直近 22.4万株、10日平均 23.5万株)。
- 信用動向: 買残 150千株(前週比+42千株)、信用倍率 8.04倍と買い越し拡大。需給の偏りは価格変動の振れを大きくすることがある。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結、単位: 百万円)
- 売上高: 184,209(2022)→ 204,705(2023)→ 222,502(2024)→ 219,465(過去12か月)
- 営業利益: 6,879(2022)→ ▲8,555(2023)→ 7,251(2024)→ 9,352(過去12か月)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 9,674(2022)→ ▲5,719(2023)→ 15,339(2024)→ 9,008(過去12か月)
- マージン(過去12か月): 粗利 22.8%、営業 3.38%、純利 4.50%
- 収益性・効率性
- ROE(実績・連結): 4.67%
- ROA(過去12か月): 1.71%
- EBITDA: 326.6億円、減価償却 226.0億円
- 金利負担: 受取利息13.8億円、支払利息102.9億円(EBITDA/利息 ≈ 31.7倍、EBIT/利息 ≈ 13.4倍)
- 安全性・流動性(直近四半期)
- 自己資本比率 54.1%(1Q末 53.2%)
- 現金同等物 154.3億円、有利子負債 867.1億円(ネット有利子負債 約712.8億円)
- D/E(簿価ベース)約45%、流動比率 1.16
- 四半期トピックス(2026年3月期1Q)
- 売上 5,153.6億円(▲3.2%)・営業利益 174.0億円(+37.7%)・純利益 148.0億円(+115.8%)
- セメントは数量減で赤字継続も損益改善、新材料が大幅増益
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 実績(2025/3期): 年間120円(中間60円、期末60円)
- 予想(2026/3期): 年間120円(変更なし)
- 予想配当利回り: 約2.99%(120円/4,020円)
- 直近のPayout Ratio(実績ベース): 約44.4%(120円/希薄化後EPS 270.47円)
- 5年平均配当利回り: 3.42%
- 自社株買い
- 2025年5月13日取締役会決議に基づき取得実施。自己株式は1Q末で増加(期末自己株式数 780,247株)。発行済株式数 33,237,017株。
- 権利落ち: 次回権利落ち予定日 2025-09-29
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率: +5.84%
- ベータ(5年・月次): 0.16(市場連動性は相対的に低い数値)
- 保有主体: インサイダー比率 約4.9%、機関投資家保有 約51.6%
- 需給・関心
- 信用買い越し(倍率 8.04倍)と買残増加は個人投資家の関心の強まりを示すデータ。
- 直近イベント: 2026年3月期1Q決算(8/5)公表済、新材料の伸長が材料視。今後の予定として権利落ち(9/29)等がスケジュール化。
11. 総評(事実の整理)
- セメント主体の安定基盤に、半導体向け新材料・光電子など成長分野を積み上げる構成。2026年3月期1Qは新材料が連結利益に大きく寄与。
- 国内セメント需要の減少が続く一方、製造コスト改善・再資源化・売電などで収益改善の動きがみられる。
- 財務は自己資本比率5割超、金利負担に対するキャッシュ創出力(EBITDA)に余力。流動比率は1.16と中庸。
- バリュエーションは、PER・PBRともに業界平均水準(18.3倍、1.4倍)より低い数値。EV/EBITDAは概算6.3倍。
- テクニカル面では株価は50日・200日線を上回り、52週高値圏に近い位置。信用買い残の積み上がりが短期の値動きに影響する可能性があるデータとなっている。
出典・根拠: 提示の会社概要・決算短信(2026年3月期1Q)、直近株価・出来高データ、各種ファクトセット(指標/財務)、会社開示の業績・配当予想等。不明・未記載項目は割愛。
企業情報
銘柄コード | 5232 |
企業名 | 住友大阪セメント |
URL | http://www.soc.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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