KOZOホールディングス(9973)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
KOZOホールディングスは、1964年創業、1972年設立の持ち帰りすし事業を祖業とする企業です。2024年6月に「株式会社小僧寿し」から「KOZOホールディングス株式会社」へ商号を変更しました。主要事業は「小僧寿し」「茶月」などの持ち帰り寿しチェーンを全国展開する小売事業、宅配「デリズ」や外食チェーン運営(「TBJ」など)の飲食事業、食材卸売やSaaSプラットフォーム「Delix」を提供する流通事業の3つのセグメントにわたります。食肉事業等は売却しています。
2024年12月期における連結事業の売上構成比は、流通事業が48%、飲食事業が30%、小売事業が23%となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
KOZOホールディングスは、持ち帰り寿司市場においてはかつて「大手」として知られていますが、近年は事業を多角化し、宅配、外食、流通へと展開しています。
国内では、個人消費の回復やインバウンドの増加といった追い風はあるものの、エネルギーコストや物流コストの高止まりが収益を圧迫する要因となっています。特にフードデリバリー市場などでは競争が激化しており、不採算店の閉鎖など構造改革を進めています。具体的な市場シェアを示すデータは提供されていませんが、各事業領域において競争環境に直面している状況です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、以下の点を重点施策として推進しています。
* 海外事業展開の拡大: 特に北米や英国等への展開を強化しています。
* 店舗の再編と収益改善: 小売事業では不採算店撤退と地方でのドミナント戦略、インストア出店を推進。飲食事業ではゴーストレストラン事業を縮小し、「TBJ(Taco Bell)」等の出店を強化しています。
* 新規事業の導入: 流通事業ではSaaSプラットフォーム「Delix」の導入を進め、新たな収益源の育成を図っています。
* 物流体制の強化: 運送業認可の取得や配送体制の拡充を通じて、流通事業の競争力強化を目指しています。
持株会社体制への移行も、グループ全体の経営効率化と戦略的な事業成長を目的とした動きと考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
KOZOホールディングスの事業モデルは、持ち帰り寿司を基盤としつつ、宅配、外食、食材卸売、さらにはSaaS事業へと多角化することで、市場ニーズの変化に対応しようとしています。不採算事業の縮小・撤退と成長分野への投資を推し進める「スクラップ&ビルド」の戦略は、持続可能性を高めるための取り組みと言えます。
ただし、継続的な営業損失や低い自己資本比率が示すように、現在の財務体質は脆弱であり、事業再編と収益化を早急に進めることが持続可能性の確保において重要です。
5. 技術革新と主力製品
技術革新については、流通事業でSaaSプラットフォーム「Delix」を導入し、デリバリー店舗の業務効率化や顧客獲得支援を行うなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した新たなビジネスモデルを構築しています。
主力製品・サービスは以下の通りです。
* 小売事業: 「小僧寿し」「茶月」などの持ち帰り寿し。
* 飲食事業: 宅配「デリズ」、外食チェーン「TBJ(Taco Bell)」など。
* 流通事業: 食品・食材の卸売、およびSaaSプラットフォーム「Delix」。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 26.0円
- EPS(会社予想): -0.16円
- PBR(実績): 16.88倍
- BPS(実績): 1.54円
会社予想EPSがマイナスであるため、PERは計算できません。PBRは16.88倍となっており、提供された業界平均PBR(1.3倍)と比較すると、実績BPS(純資産額)に対して株価が非常に高く評価されている状況です。これは、1株あたりの純資産額が低いことに起因していると考えられます。利益が赤字である現状では、財務状態に基づく株価の評価は高い水準にあります。
7. テクニカル分析
現在の株価26.0円は、年初来高値49円と年初来安値15円の中間やや下寄りに位置しています。
直近10日間の株価推移を見ると、26円から28円のレンジで推移し、9月2日には一時29円の高値をつけましたが、その後は再び26円に落ち着いています。
50日移動平均線(29.42円)を下回っており、短期的な下降トレンドにある可能性があります。一方で、200日移動平均線(20.75円)は上回っており、中長期のトレンドでは上昇基調を維持していると見なすこともできます。直近は出来高の多い日と少ない日があり、方向感に乏しい値動きが見られます。
売上と利益
- 売上高: 過去数年間で増加傾向にあり、2021年の8,019百万円から2024年には18,109百万円へと大きく伸長しています。直近中間期(2025年1月~6月)も前年同期比で+9.0%と増収を達成しています。
- 利益: 営業利益、経常利益、純利益は過去数年間にわたり継続して赤字を計上しています。ただし、直近中間期では、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する中間純損失のいずれも、前年同期と比較して損失幅が縮小しています。通期の会社予想では、営業利益と経常利益は黒字転換が計画されていますが、純利益は依然として赤字予想です。
収益性と効率性
- ROE(実績): -418.18%と大幅なマイナスであり、 ROA(過去12か月)も-4.29%。いずれも資本及び資産からの収益性が極めて低い状態を示しています。
- 営業利益率(過去12か月): -1.94%。売上総利益率は約40%ですが、販管費等の営業費用が売上総利益を上回っており、営業損失につながっています。
財務安全性
- 自己資本比率(実績): 1.8%。直近中間期では8.1%と改善しましたが、依然として低い水準です。これは、財務基盤が脆弱であることを示唆します。
- 流動比率(直近四半期): 0.89。短期的な支払能力の指標である流動比率が1を下回っており、流動資産が流動負債を下回る状況です。
- 総負債/自己資本比率(直近四半期): 223.98%。総負債が自己資本の2倍以上となっており、財務レバレッジが非常に高い状態です。
キャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュフロー: 過去12か月で-642百万円、直近中間期で-848百万円と継続してマイナスです。これは、本業での現金創出ができていないことを示します。
- 財務活動によるキャッシュフロー: 直近中間期では385百万円のプラスとなっており、社債発行や株式発行によって資金を調達していることが示唆されます。
資金調達によって事業活動・投資活動によるマイナスCFを補填している状況です。
9. 株主還元と配当方針
KOZOホールディングスの会社予想配当利回りは0.00%で、1株配当も0.00円です。直近の決算短信でも配当は0円を継続しており、現時点では株主還元策としての配当や自社株買いは実施されていません。財務状況と利益水準から、現在は事業への再投資を優先しているものと考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、一時的な上昇を見せたものの、その後は横ばいからやや軟調な推移を示しています。出来高は9月2日に大幅に増加しましたが、その後は落ち着いています。
信用買残が発行済株式数の約6.5%(19,319,300株)と多く、前週比でも増加しています。信用売残が0であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、需給バランスに影響を与える可能性があります。
今後のイベントとして、2025年8月12日から18日にかけて通期の決算発表が予定されており、この内容が改めて投資家の関心を高め、株価に影響を与える可能性があります。また、商号変更後の新しい経営体制での中期経営戦略の進捗も注目されるでしょう。
11. 総評
KOZOホールディングスは、基盤事業である持ち帰り寿司を軸に、宅配、外食、流通、SaaSといった多角的な事業展開を進め、持続的な成長を目指しています。売上高は着実に増加しており、直近中間期では損失幅の縮小も見られるなど、事業構造改革の兆候が表れています。特に海外展開やSaaS事業といった新規分野への取り組みは、将来の成長ドライバーとして注目されます。
一方で、財務面では継続的な営業損失、極めて低い自己資本比率、マイナスの営業キャッシュフローなど、複数の課題を抱えています。PBRも高い水準にあり、現時点での財務状況は脆弱と言えます。
今後の焦点は、新規事業や成長分野への投資が本格的な収益改善に繋がり、黒字化を実現できるか、また財務体質を強化できるかにあります。通期での黒字転換予想はされていますが、純利益は依然赤字が見込まれており、引き続き経営戦略の実行と財務状況の動向が注視される状況です。株主還元は現時点では行われていません。
企業情報
銘柄コード | 9973 |
企業名 | KOZOホールディングス |
URL | https://kozohd.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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