マルマエ(6264)企業分析レポート
株価: 1,650円(2025-09-05終値)
市場: 東証プライム | 業種: 機械(33業種: 機械)
時価総額: 215.4億円 | 発行済株式数: 13,053,000株
1. 企業情報
- 概要:
- 半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向けの精密機械部品を設計・製造・加工。真空チャンバー、シャワーヘッド、排気プレート、エレクトロスタティックチャック(ESC)、ヒーター、上部電極、ターゲット、搬送系部品などを供給。
- 用途はエッチング、CVD、塗布・現像、スパッタ、単枚洗浄、アッシング、ウェハボンディング、イオン注入、アニール等の真空プロセス領域。
- 2025年より「機能材料事業」を追加(KMアルミニウム社の子会社化)。アルミのインゴット・ビレット・スラブ・合金、高純度アルミ地金の製造・販売。
- そのほか、産業・医療機器の設計製造、アルミ素材の製造・販売、ソフトウェア開発、板金・配管、運送、不動産賃貸等も展開。
- 事業構成(単独・2024/8期末時点の目安): 半導体関連部品75%、FPD関連部品21%、その他4%
- 本社: 鹿児島県出水市 | 設立: 2001年 | 代表: 前田俊一
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 半導体・FPD製造装置の精密真空部品に強み。大型・高精度加工の能力が差別化要因。
- 消耗部材(例: シャワーヘッド、ESC部材等)を含むため、装置稼働に伴う交換需要を取り込める。
- 競争優位と課題:
- 優位: 大型・高精度加工、真空関連の一貫対応力。FPD・半導体の複数用途での対応。
- 課題: 設備投資サイクルの影響(新規装置投資の停滞時は新規案件が減少)。一部分野(太陽電池等)需要の置換開拓が継続課題。機能材料分野では海外勢との競争に直面。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略の方向性(開示情報からの整理):
- 半導体分野の消耗品需要を軸に収益基盤を強化。
- 上流の素材(高純度アルミ等)を取り込み、バリューチェーンを拡張(KMアルミニウム社の取得)。
- FPDではOLED向け設備投資を取り込み。
- 具体施策(2025年8月期 第3四半期短信より):
- 機能材料事業を新設(KMアルミニウム社子会社化)。のれんは14年均等償却。
- 人材投資と在庫改善で精密部品事業の収益性を改善。
- 半導体装置部材(真空チャンバー)は在庫調整の影響で短期的に低調だが、消耗品とFPDが補完。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- BtoBの部品供給。新規装置投資と稼働に伴う消耗品交換の双方から収益機会。
- 素材(高純度アルミ)を内製グループで持つことで、供給安定・差別化の余地。
- 適応力:
- 市況変動(半導体・FPDの投資サイクル)に影響を受ける一方、消耗品需要は比較的底堅い。
- 機能材料の追加でポートフォリオを拡大し、市況の分散効果に期待。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 真空領域の大型・高精度加工技術に強み。装置性能・歩留まりに直結する部材で品質要求が高い分野に対応。
- 機能材料(高純度アルミ)の精製技術をグループ内に取り込み、エッチング装置部品等への採用拡大を狙う。
- 収益を牽引:
- 精密部品事業(半導体・FPD向け)が中心。2025年8月期3Q累計売上: 精密部品 58.43億円(セグメント利益 14.07億円)、機能材料 14.26億円(同 1.49億円)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価1,650円、会社予想EPS 99.93円、BPS 567.59円
- 予想PER: 16.5倍(会社公表値と整合)
- 実績PBR: 2.91倍
- 予想配当: 年間40円 → 予想配当利回り約2.42%
- 予想配当性向: 約40%(40円/99.93円)
- 参考比較:
- 業界平均PER: 16.6倍、業界平均PBR: 1.4倍(PBRは平均比でプレミアム)
- 参考指標(LTMベースの目安):
- 希薄化後EPS(過去12か月): 62.04円 → トレーリングPER約26.6倍
- 予想売上高(2025/8期): 112.54億円 → 時価総額215.4億円よりP/S約1.9倍
- EBITDA(LTM)約23.8億円、ネット有利子負債約99.7億円 → EV約315億円、EV/EBITDA約13倍(概算)
- コメント:
- 予想ベースでは業界平均PERに近い水準。PBRは自己資本比率が低下(連結化・のれん計上)していることやROE/成長期待の影響で相対的に高め。
7. テクニカル分析
- 価格位置: 50日移動平均1,535.9円、200日移動平均1,436.0円。株価1,650円は両移動平均を上回る上昇トレンド圏。
- レンジ: 52週高値1,802円、安値894円。現状は高値から約8%下、上限帯に近い位置。
- モメンタム:
- 直近出来高は3カ月平均(約18.1万株)を上回る日が増加(10日平均約25.6万株)。
- 8/28の配当落ち後、8/29に出来高を伴い上昇。その後も堅調推移。
8. 財務諸表分析
- 収益・利益(単位: 円換算は百万円)
- 2025年8月期3Q累計(連結): 売上 7,269、営業利益 1,450、経常利益 1,338、純利益 939。営業利益率約19.9%、純利益率約12.9%。
- 会社通期予想(連結): 売上 11,254、営業利益 1,900、純利益 1,265、EPS 99.93円。
- 過年度(主に単体ベース): 2022年に業績ピーク後、2023~2024年に減速。2025年は回復基調(連結化の影響含む)。
- 効率・収益性
- LTMベース: 営業利益率 13.21%、純利益率 11.65%、ROA 5.17%、ROE 14.16%。
- 参考(単体・実績値): ROE 0.26%(2024期の落ち込み影響)。
- 財政状態
- 2025/5/31(連結): 総資産 250.3億円、純資産 71.9億円、自己資本比率 28.7%。
- 現預金 41.0億円、有利子負債 140.7億円、D/E約196%(連結化・M&Aでのれん計上 42.4億円、長期借入金 125.1億円)。
- 流動比率 2.22と短期安全性は一定水準。
- のれんは純資産の約59%相当、14年で均等償却(年あたり約3.0億円の費用計上見込み)。
- キャッシュフロー
- 3Q短信ではCF計算書未作成。LTMのEBITDAは約23.8億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2024年: 年間30円(中間10/期末20)
- 2025年(会社予想): 年間40円(中間15/期末25)→ 予想利回り約2.42%
- 配当性向目安: 予想ベース約40%(参考: トレーリングは約56%)
- 自社株買い:
- 自己株式比率 約2.99%(390,706株)。新規の買付計画の記載は確認できず。
- 株主構成:
- インサイダー保有比率 約45.7%、浮動株は相対的に少なめ(フリーフロート約666万株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 信用動向: 信用買残30.6万株、信用倍率5.70倍。買い越し基調。買い残・売り残ともに前週から減少し、ポジション整理の動きも一部確認。
- 出来高: 直近は増加傾向(イベント後の関心継続)。β値1.03と市場並みの変動性。
- 業績・ニュース要因:
- 3Q時点での増益、機能材料事業の取り込み、AI/先端ロジック・DRAM向け投資の継続、OLED関連の投資動向などが背景。
- 一方、半導体装置の在庫調整・投資先送りの影響はセグメントによりバラつき。
11. 総評(簡潔な整理)
- 2025年は連結化と消耗品中心の回復で収益性が改善。機能材料事業の追加により、上流素材を含むバリューチェーンが拡張された。
- 財務面ではM&Aに伴うのれん計上と有利子負債の増加でレバレッジが上昇。償却負担や金利コスト、のれんの健全性がモニタリングポイント。
- バリュエーションは予想PERが業界平均並、PBRは平均超。ROEや成長期待、のれん・自己資本構成の違いが影響している可能性。
- テクニカルには移動平均線上で上昇基調、52週レンジ上限に比較的近い。出来高・信用動向から投資家関心は維持。
- 業績ドライバーは半導体向け消耗部品とFPD(OLED)に加え、機能材料の拡大。半導体投資サイクルや在庫調整の進捗、海外勢との競争環境が注目点。
データ注記
– 数値は提示データに基づき記載(会社予想・短信・LTM指標・市場データ等)。2025年より連結決算に移行しており、単体実績との比較には基準差があります。
– 本レポートは情報提供を目的とし、投資勧誘や助言を行うものではありません。記載内容の正確性には留意していますが、最新の開示をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6264 |
企業名 | マルマエ |
URL | http://www.marumae.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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