キオクシアホールディングス(285A)企業分析レポート
株価:3,065円(2025-09-05終値)
時価総額:約1.65兆円/発行済株式数:5.395億株
1. 企業情報
- 概要:NAND型フラッシュメモリおよびSSDの開発・製造・販売を行う半導体メモリ専業。旧・東芝メモリ(2019年にKioxiaへ社名変更)。三重・北上などの工場は米ウエスタンデジタル(旧サンディスク)と共同運営。BiCS FLASH(3D NAND)やUFS/eMMC、エンタープライズ/データセンター/クライアント向けSSD、低レイテンシ用途のXL-FLASHなどを展開。
- 事業構成(2025.3):SSD&ストレージ 58%、スマートデバイス 29%、その他 13%。海外売上比率 82%。
- 従業員:15,042人/平均年齢 46.5歳/平均年収 1,148万円
- 今後のイベント:2025年11月6日 6:30(UTC)決算発表予定
- 注記:2025年8月19日に「2026年3月期1Q短信(IFRS)」のXBRL会計期間情報の一部を訂正。PDFや数値自体の変更はなし。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:世界のNAND型フラッシュメモリ大手の一角。サムスン、SK hynix(含むSolidigm)、マイクロン、ウエスタンデジタルと並ぶ上位グループ。
- 市場シェア:年次や市況により変動が大きいが、概ね10%台前半〜後半のレンジで推移する年が多いとみられる。
- 競争優位性
- ウエスタンデジタルとの長期JVによるスケールメリット・設備共同活用
- 3D NAND(BiCS FLASH)世代の高度化、製品ミックス(エンタープライズ/データセンターSSD、車載・産業向けUFS)
- 課題
- メモリ市況の価格変動と在庫調整の影響が大きい
- 高額な設備投資負担と財務レバレッジの管理
- 世代移行(多層化・QLC等)に伴う歩留/コストの継続改善
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・基本方針(公表情報・事業性質から整理)
- 高付加価値領域(データセンター/エンタープライズSSD、車載・産業向け)への比率拡大
- BiCS FLASHの多層化(200層超世代等)と原価低減、QLC/低レイテンシ品(XL-FLASH)で用途拡大
- サプライの機動的調整と在庫健全化、キャッシュフロー重視の投資配分
- 具体施策の例
- 共同FABでの世代移行・技術ロードマップの前倒し
- データセンター向けSSDの製品ライン拡充(PCIe/NVMe世代対応)
- 車載品質要求(信頼性・耐環境性)対応UFS/eMMCの拡販
- 為替・市況変動に備えた運転資本・流動性管理の強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:NANDウェハからSSD/デバイスまでの垂直統合寄りモデル。メモリ価格(ASP)と歩留・コストのバランスが利益を規定。サイクル志向が強く、供給調整と製品ミックス最適化が鍵。
- 適応力:高層化・QLC/PLCなどの技術進化、用途の多様化(AI/データセンター、スマホ高容量化、車載ストレージ)により長期需要は底堅い一方、短中期の価格変動リスクは大きい。JV活用による規模の経済と投資抑制の両立がポイント。
- リスク要因:メモリ市況変動、巨額設備投資・減価償却負担、為替(海外売上比率82%)、地政学/輸出規制、流動性(流動比率0.85)など。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:BiCS FLASH(3D NAND)の高多層化・高速化・低消費電力化を継続。200層超世代の量産導入が業界で進展。XL-FLASHでストレージクラスメモリ領域にも展開。
- 主力製品
- エンタープライズ/データセンター向けSSD(NVMe/PCIe)
- クライアントSSD(PC向け)
- UFS/eMMC(スマートデバイス、車載・産業向け)
- 特徴:高付加価値品の構成比を高めることで、価格サイクル局面でも収益性を補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:3,065円
- BPS(実績):1,409.10円 → PBR:2.18倍(会社データと一致)
- EPS(直近12か月):約515.48円 → PER(TTM):約5.95倍
- 参考比較(業界平均):PER 24.2倍、PBR 1.6倍
- PBRは業界平均を上回る一方、TTMベースのPERは業界平均を下回る水準。メモリサイクル由来の利益変動可能性やTTMの一過性を考慮する必要がある。
- 参考指標(概算):
- 時価総額:約1.65兆円
- ネット有利子負債:約0.82兆円(有利子負債0.995兆−現金0.178兆)
- EV/EBITDA(TTM):約3.6倍(EV約2.47兆/EBITDA約0.685兆)
- PSR(TTM):約1.0倍(株価/売上高PS)
(注)TTM=直近12か月。上記は提供データに基づく概算であり、会計基準・期間の相違で指標が変動する場合があります。
7. テクニカル分析
- 年初来レンジ:1,510円〜3,250円。現値は上限に近い水準。
- 移動平均:50日線 2,474.86円、200日線 2,187.15円 → いずれも上回る上方乖離。
- 直近の値動き:10営業日で2,392円→3,065円へ上昇。出来高は本日2,577万株(3カ月平均約749万株)と急増。
- 値幅制限上限(3,130円)に接近する高寄与日。モメンタムは短期的に強い推移。
8. 財務諸表分析
- 売上高(TTM):約1.71兆円(前年通期約1.08兆円)
- 営業利益(TTM):約4,517億円(前年は約2,527億円の赤字から転換)
- 当期純利益(TTM):約2,723億円(前年は約2,437億円の赤字)
- 利益率(提供指標):営業利益率 13.10%、純利益率 13.63%
- EBITDA(TTM):約7,683億円
- キャッシュフロー:営業CF(TTM)約4,424億円(プラス)
- 財務安全性:
- 自己資本比率:25.3%
- D/E(総負債/自己資本):約130.9%
- 流動比率:0.85(短期流動性には留意)
- 資金調達:有利子負債約9,954億円、現金同等物約1,784億円 → ネットデット約8,170億円。
- トレンド評価:市況回復に伴い赤字から黒字へ大幅改善。収益・CFは回復基調だが、設備投資負担・在庫/価格サイクルの影響度合いが今後の変動要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当予想:0円(配当利回り 0.00%、配当性向 0%)
- 自社株買い:–(開示情報なし)
- 方針メモ:上場初期段階かつ投資サイクル・財務規律を優先している可能性。還元方針は業績・投資計画・財務体質に応じて変動し得る。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期的に上昇加速。年初来高値(3,250円)に接近。
- 出来高:直近で大幅増加。需給面では信用取引の買残減(−180.7万株)、売残増(+27.3万株)、信用倍率1.69倍。
- 関心材料の例
- メモリ価格(ASP)の回復・供給調整動向
- データセンター/AI需要による大容量SSD需要
- 技術世代移行(BiCSの高多層化、QLC化)と原価低減の進捗
- 財務体質(レバレッジ・流動性)や運転資本の管理
- XBRL訂正のような開示更新(今回は数値影響なし)
11. 総評
- 事業面:NANDメモリ専業の上位メーカー。共同FABのスケール、3D NANDの世代進化、データセンター/車載向けの比率拡大が収益ドライバー。
- 業績面:市況回復で大幅な黒字化・営業CF改善を確認。一方で、市況・在庫・為替・投資負担などによる変動性は引き続き内在。
- 財務面:自己資本比率25%台、D/E約131%、流動比率0.85と、成長投資と財務規律のバランス管理が重要。
- 株価面:PBR 2.18倍、PER(TTM)約5.95倍、EV/EBITDA約3.6倍。年初来レンジ上限に近く、短期モメンタムは強い。
- 留意点:メモリサイクルの振れ幅、技術移行の進捗、サプライ調整・価格動向、為替感応度、流動性指標の推移に注目。
企業情報
銘柄コード | 285A |
企業名 | キオクシアホールディングス |
URL | https://www.kioxia-holdings.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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