9552 M&A総研ホールディングス 分析レポート(2025-09-07時点)
株価: 1,391円/時価総額: 825億円/市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要
- 中小企業領域を中心としたM&A仲介が主力。独自のDX基盤とAIマッチングアルゴリズムを活用し、売り手企業は着手金等が無料の完全成功報酬制を採用。
- コンサルティング、資産運用コンサルティング、オペレーティング・リースなど新規事業を拡大中。
- 事業構成(2024.9 期)
- M&A仲介 99%(セグメント利益率が収益の柱)
- その他 1%(立ち上げ投資段階)
- 基本データ
- 設立: 2018年10月/従業員: 456人
- 代表: 佐上 峻作
- 本社: 東京都千代田区丸の内1-8-1
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界環境
- 中小企業の後継者問題や政策支援を背景とし、国内M&A仲介市場は中長期的に拡大傾向。
- 競合
- 主な上場競合には、日本M&AセンターHD(2127)、M&Aキャピタルパートナーズ(6080)、ストライク(6196)など。
- 競争優位性
- データ/AIドリブンのマッチング精度と、売り手の完全成功報酬モデルにより案件獲得効率に強み。
- デジタル起点の案件ソーシングにより、短期リードタイム化や営業生産性の向上を志向。
- 課題
- 直近は成約件数の減速と新規事業の立ち上げ費用で利益が圧迫。
- 大手競合に比べ、市場シェア・顧客基盤の拡充は道半ば。人材採用/育成への継続投資が必要。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(開示ベース)
- M&A仲介の生産性最大化(AIマッチング精度向上、DX推進)
- 事業ポートフォリオ拡張(コンサル/資産運用コンサル/オペレーティング・リース)
- 海外展開(シンガポール現法設立、海外案件の獲得)
- 具体施策(2025年9月期3Q時点)
- M&A仲介:累計成約175件、アルゴリズム改善継続
- コンサル:コンサルタント118名まで増員(先行投資負担あり)
- リース:新会社(総研リース)設立、事業推進
- 業績予想(会社計画)
- 2025/9通期 予想:売上高 179.5億円(前期比+8.5%)、営業利益 39.6億円(同+31.6%)、経常利益 57.32億円、純利益 57.40億円、EPS 70.53円
- 注:四半期進捗は減益傾向(先行投資・成約減)だが、通期は増収を計画
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 成功報酬中心のフィーフォービジネス。売上は成約件数・平均フィーに連動し、案件パイプラインと市況の影響を受けやすい。
- 強み/適応力
- データベース/AIによるマッチング最適化、デジタルマーケでの案件獲得が伸び代。
- 周辺領域(コンサル等)への展開で収益源の多角化を模索。
- リスク/留意
- マクロ環境や金利・政策変更によるM&A市況の変動、競争激化、人材獲得コスト増。
- 先行投資期の利益ブレが大きくなる可能性。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発
- AIマッチングアルゴリズム/検索最適化、アナリティクスによるターゲティング、ワークフローのDX化に注力。
- 主力収益源
- M&A仲介フィーが収益の中核。その他事業は拡大中だが、現時点では赤字(3Q累計でセグメント損失拡大)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(原則、会社開示の予想・実績ベース)
- 株価 1,391円、EPS(会社予想)68.12円、BPS(実績)125.51円
- PER(会社予想)約20.4倍、PBR(実績)約11.1倍(確認値:1,391/125.51)
- 参考比較
- 業界平均PER: 17.0倍 → EPS×平均PER = 68.12×17 ≈ 1,158円
- 業界平均PBR: 1.8倍 → BPS×平均PBR = 125.51×1.8 ≈ 226円
- 参考的に算術比較すると、同社は業界平均PER/PBRに対し高位の水準。
- 追加指標(TTM系は市場データベース値)
- TTM EPS 65.93円 → 予想PER以外のTTM PER ≈ 21.1倍
- EV/EBITDA(概算): EV ≈ 825億 − 49.5億 + 3.4億 ≈ 776億円、EBITDA ≈ 47.1億円 → 約16.5倍
- PSR(時価総額/売上): TTM売上15.38億円→約5.4倍、会社予想売上179.5億円→約4.6倍
- 補足
- ROEは実績79.2%と非常に高い一方、直近TTMは36.99%(指標上の振れあり)。収益水準の変動に応じてバリュエーションの解釈が変化し得る点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 1,347.6円/200日: 1,476.9円 → 株価は50日線付近、200日線下(中期は下向きトレンドの範囲)。
- 価格レンジ
- 10日レンジ: 1,332〜1,413円でのもみ合い傾向。
- 年初来: 高値2,103円/安値915円。52週高値は3,115円データもあり(年初来との定義差に留意)。
- 出来高・信用
- 直近出来高は3カ月平均を下回る日が多く、短期は商い細り。
- 信用買残79.0万株、売残14.0万株、信用倍率5.65倍。買残は前週比で減少、売残はやや増加。
8. 財務諸表分析
- 成長推移(年次、単位:千円)
- 売上高: 2021 1,328,039 → 2022 3,911,607 → 2023 8,642,517 → 2024 16,549,607
- 営業利益: 2021 563,072 → 2022 2,103,534 → 2023 4,579,256 → 2024 8,408,674
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 2021 368,164 → 2022 1,326,616 → 2023 2,646,864 → 2024 5,788,644
- 直近(2025年9月期 第3四半期累計)
- 売上高 115.97億円(前年同期比▲9.2%)
- 営業利益 32.43億円(同▲53.8%)
- 純利益 19.13億円(同▲57.5%)
- セグメント:M&A仲介 売上107.24億(▲15.4%)、セグ利益39.46億(▲45.5%)/その他 売上8.73億(+785%)、セグ損失6.54億
- 収益性・効率性
- 直近TTMマージン: 営業利益率約19.4%、純利益率約20.8%(データベース値)
- ROE 36.99%(TTM)/ROA 26.83%(TTM)。実績ROE79.22%(前期)は高水準。
- 財務安全性
- 自己資本比率 83.0%(3Q時点)、流動比率 5.33、総現金 49.5億円、総有利子負債 0.34億円 → ネットキャッシュ基調。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024/9実績: 年0円、2025/9予想: 年0円。Payout Ratio 0%。
- 自社株買い
- 自己株式 316.7万株(3Q時点)。株主資本の減少要因として自己株取得を実施。
- 株主構成
- インサイダー保有比率 53.83%、機関投資家 17.93%、浮動株 2,372万株。大株主は創業者。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス
- 52週騰落率: ▲52.62%(提供データ)。β値 0.71。
- 直近の値動き
- 10日間は1,35x〜1,40x円でのレンジ推移、出来高は3カ月平均を下回る日が多い。
- 信用買残は減少、売残は増加。短期的にはポジション調整の動きが示唆されるデータ。
- 価格帯認識
- 株価は50日線近辺・200日線下。年初来レンジの中位圏(定義による)。
11. 総評(ポイント整理)
- ビジネス
- AI/DXを核にしたM&A仲介が高収益の源泉。売り手完全成功報酬とデジタル集客で差別化。
- 直近は成約件数の減速と新規事業の先行投資で利益が縮小。その他事業は成長と損失が並走。
- 財務・安全性
- ネットキャッシュ、自己資本比率80%台で健全性は高い。ROE/ROAも高水準だが、直近TTMでは低下傾向が確認できる。
- バリュエーション
- 予想PER約20.4倍、PBR約11倍、EV/EBITDA約16.5倍。業界平均PER/PBR比では高位。収益水準の変動(通期達成度・マージン回復)により評価が変動しやすい。
- テクニカル
- 中期では200日線下。出来高は落ち着き、短期はレンジ色が強い。信用は買い長の水準だが徐々に整理の兆し。
- モニタリング事項
- 成約件数の回復度合い、単価動向(平均フィー)、新規事業の損失縮小ペース、海外案件の寄与、自己株買い等の資本政策の動向。
本資料は提供データに基づき作成していますが、TTM等の一部指標に相違が見られるため、評価の前提時点にご留意ください。投資判断はご自身でご確認のうえ実施ください。
企業情報
銘柄コード | 9552 |
企業名 | M&A総研ホールディングス |
URL | https://masouken.com/holdings |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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