SBSホールディングス(2384)企業分析レポート

株価:3,685円(2025-09-05 終値)/市場:東証プライム/業種:陸運業(運輸・物流)

1. 企業情報

  • 概要:総合物流グループ。3PL/4PL(物流一括受託)を中核に、トラック・鉄道輸送、低温(コールドチェーン)、物流センター運営、国際物流、流通加工、法人向け当日配送、宅配、引越、オンサイト物流、3PLコンサル等を展開。
  • 併営事業:
    • 物流サポート(人材派遣・マーケティング・保険/リース・環境/再エネ等)
    • 物流不動産(倉庫の開発・賃貸・流動化=売却による資金回収)
  • 売上構成(2024年):物流約94%、不動産約4%、その他約2%
  • 特徴:食品物流やEC対応、ラストワンマイルに強み。グループで倉庫を開発・活用し、必要に応じて流動化(売却)して資本効率を高めるモデル。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内3PL大手の一角。M&Aで事業領域・地域を拡張し、総合力(3PL/4PL、EC物流、冷凍冷蔵、国際)を強化。
  • 競争優位性:
    • 物流×不動産の一体運営(大型拠点の自社開発→稼働→流動化)で柔軟な供給力と資本回転を両立。
    • EC対応力(「EC物流お任せくん」)やラストワンマイル、食品低温など、需要が底堅い領域に注力。
    • M&Aによる機能/エリア拡張(国内外)。
  • 課題:
    • ドライバー不足・人件費/燃料費上昇への対応(積載率改善・自動化・単価是正などが鍵)。
    • 不動産の流動化有無で利益変動が大きくなる点。
    • 買収後のPMI(統合)と海外運営リスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期計画:SBS Next Stage 2025(最終年度:2025)
    • M&Aを通じた規模拡大・ポートフォリオ拡充、シナジー創出。
    • 3PL/4PLの高度化、EC物流の本格展開、ラストワンマイル強化。
    • 物流不動産の開発・賃貸・流動化による資本効率の向上。
  • 足元の施策(2025中間期短信より):
    • EC物流プラットフォーム「EC物流お任せくん」を関東・関西で展開。置き配など受取利便性強化。
    • 海外:オランダBlackbird Logistics買収などで欧州拠点拡充。
    • 国内:NSKロジスティクス等のM&Aを実施。2025年10月にブリヂストン物流の株式取得予定。
    • 収益性改善:倉庫稼働率/トラック積載率の向上、付加価値サービス拡大。
  • 2025年通期予想(会社計画):売上高 4,850億円、営業利益 205億円、当期純利益 112億円、EPS 281.99円(予想据え置き)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • コアは3PL/4PL等のストック性が相対的に高い物流委託収益。
    • 物流不動産は賃貸収益に加え、流動化益の有無で業績変動が生じやすい。
  • 適応力:EC・低温・ラストワンマイルなど需要成長領域へリソース配分。M&Aで機能拡張し、景気や規制・人手不足の構造変化に対応。
  • 留意点:労務・燃油・為替、規制(時間外労働規制等)、M&AのPMI進捗が収益に影響。

5. 技術革新と主力サービス

  • 技術/運用の特徴:
    • EC専用オペレーション(WMS等)とプラットフォーム化によるスケールメリット。
    • 置き配・ルート最適化など配送効率化。
    • 低温物流での品質管理ノウハウ。
  • 収益牽引:3PL/4PL・EC物流が中核。不動産は大型案件の流動化がある期に利益寄与が膨らむ傾向。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:3,685円
  • 会社予想EPS:281.99円 → 予想PER:約13.07倍(提示値と一致)
  • BPS(実績):2,219.36円 → PBR:約1.66倍
  • 配当(会社予想):85円 → 予想配当利回り:約2.31%、予想配当性向:約30%(=85/281.99)
  • EV/EBITDA(参考・直近12カ月ベース):
    • 時価総額 約1,463億円
    • ネット有利子負債 約816億円(総借入1,081億円−現金265億円)
    • EV 約2,280億円/EBITDA 約253億円 → 約9.0倍
  • 業界平均比較(参考):PER 平均13.9倍、PBR 平均1.0倍。予想PERは業界平均と概ね同水準、PBRは平均を上回る水準。

(注)直近12カ月の利益は不動産流動化の反動等で低下しており、LTMベースの指標は会社予想ベースと乖離する可能性があります。

7. テクニカル分析

  • トレンド:50日移動平均3,241円、200日移動平均2,807円。現株価は両線を上回り、上昇トレンド。
  • 水準感:年初来高値3,720円に接近(9/5高値3,720円)。高値圏での推移。
  • 出来高:本日13.3万株は3カ月平均約6.3万株を上回り、直近の関心は高まりつつある。
  • モメンタム:10営業日で上昇基調、52週騰落+49.9%、ベータ0.42(相対的にディフェンシブ特性)。

8. 財務諸表分析

  • 売上高(連結):2021 4,034億円 → 2022 4,555億円 → 2023 4,319億円 → 2024 4,481億円。
  • 営業利益:2021 207億円 → 2022 218億円 → 2023 197億円 → 2024 177億円。
  • 当期純利益:2021 108億円 → 2022 117億円 → 2023 101億円 → 2024 96億円。
  • マージン:
    • 2024年OPマージン約4.0%。
    • 2025年上期は不動産流動化反動等でOPマージン約2.8%(前年同期約4.9%)。
  • 2025年上期(1-6月):売上2,285億円(+3.1%)、営業利益64億円(▲41.7%)、純利益28億円(▲57.2%)。物流は増収増益、不動産は反動減。
  • ROE/ROA:2024年実績ROE 11.46%。直近12カ月ではROE 6.5%程度、ROA 2.6%(利益低下の影響)。
  • キャッシュフロー(直近12カ月):営業CF 約172億円、レバードFCF 約65億円。
  • 財務健全性:自己資本比率 26.8~27.8%、D/E(簿価)約95%、流動比率 約119%。有利子負債はある程度の水準。
  • 金融費用:ネット利息はマイナス(費用超過)。金利動向の影響を受けやすい。
  • セグメント(2025上期の営業利益):物流 48.6億円、不動産 14.8億円、その他 2.6億円。

(注)不動産流動化のタイミングにより通期の利益変動が大きくなる点に留意。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:2025年は中間無配・期末85円(会社予想)。前年(2024年)年間70円からの増配予定。
  • 予想配当利回り:約2.31%(株価3,685円ベース)。
  • 予想配当性向:約30%。
  • 自社株買い:開示情報ベースで特記事項は確認できず。
  • 株主構成:創業系(鎌田企画)約50%、インサイダー保有約61%、浮動株約1,452万株(フロート)。安定株主比率が高い構造。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近動向:年初来高値を更新する局面。信用買残は35.4万株(前週比▲1.43万株)、信用倍率11.07倍。個人主体の回転が想定される。
  • 出来高:直近は平均を上回る増加。
  • 関心材料:
    • 2025年通期の増益計画(物流の収益性改善、M&A効果)。
    • ブリヂストン物流の取得予定(2025年10月)などM&A進捗。
    • 不動産流動化の有無と規模、PMIの進展、コストインフレ/人手不足対応。
  • 今後のイベント:2025/12/29 権利落ち日(期末配当85円予定)。

11. 総評

  • 3PL/4PLを中核に、EC・低温・ラストワンマイルなど構造的需要の高い領域で基盤を拡大。不動産の開発・流動化を組み合わせる独自モデルで規模と資本効率の両立を志向。
  • 2025年上期は不動産流動化の反動で減益だが、通期は物流の収益性改善とM&A効果を織り込んだ増益計画。
  • バリュエーションは予想PERで業界平均と概ね同水準、PBRは平均を上回る。株価は52週高値圏でモメンタム良好。
  • 注視点は、(1)不動産流動化の進捗と利益影響、(2)M&AのPMIと海外運営リスク、(3)人件費・燃料費などコスト動向、(4)財務レバレッジと金利環境。

(本レポートは情報提供を目的とし、投資勧誘・助言を行うものではありません。数値は提供データに基づきます。未開示・不明点は記載を省略しています。)


企業情報

銘柄コード 2384
企業名 SBSホールディングス
URL http://www.sbs-group.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 運輸・物流 – 陸運業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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