1. 企業情報
株式会社創健社は、健康自然食品の卸売を行う企業です。主に専門店、地方問屋、生協といったチャネルを通じて、油・乳製品、調味料、嗜好品・飲料、乾物・雑穀、副食品、栄養補助食品などの幅広い健康志向食品を提供しています。国産の原料を使用した食品や有機食品に強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
創健社は「健康自然食品の卸売大手」として位置付けられています。国産原料使用や有機食品に注力することで、健康志向の高い消費者層や特定チャネルからの支持を得ている可能性があります。
一方で、市場全体としては、原材料費やエネルギー価格の高騰、円安の進行、消費者の節約志向の高まり、人手不足や物流問題など、多岐にわたる課題に直面しています。
市場シェアに関する具体的なデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、2023年4月1日から2026年3月31日までの期間を対象とする第6次中期経営計画「新たな成長に向けた価値観の向上」を推進しており、現在はその最終年度にあたります。
具体的な施策や重点分野としては、以下の点に注力しています。
* 食品添加物不使用表示ガイドラインの遵守
* オーガニック（有機）食品やプラントベース（植物性食品）商品の訴求強化
* ブランド商品のファン育成
* 原材料の有効活用
4. 事業モデルの持続可能性
創健社の事業モデルは、健康志向や食の安全への関心の高まりを背景とした市場ニーズに対応しています。国産原料や有機食品へのこだわり、またオーガニック・プラントベース商品の訴求は、持続可能な食生活への意識向上と合致しており、将来的な市場拡大の可能性を秘めています。
主な販売チャネルである専門店や生協に加え、ECサイトやデリバリー等の非対面販売の拡大といった市場変化への適応も事業の持続性において重要と考えられます。
5. 技術革新と主力製品
提供データに技術革新に関する具体的な情報は記載されていません。
収益を牽引している製品としては、連結事業構成から「調味料」（構成比35%）が最も大きく、次いで「副食品」（26%）、「嗜好品・飲料」（21%）が主な収益源となっています（2025年3月期予想）。
直近の2026年3月期第1四半期の売上高では、嗜好品・飲料や副食品が増加に寄与した一方で、調味料や栄養補助食品が減少しています。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 2,616.0円
- PER（会社予想）: 114.39倍
- PBR（実績）: 1.60倍
- EPS（会社予想）: 22.87円
- BPS（実績）: 1,636.32円
業界平均と比較すると、同社のPER（114.39倍）は業界平均PER（10.1倍）を大きく上回っています。PBR（1.60倍）も業界平均PBR（0.7倍）より高い水準にあります。これらの指標は、現在の株価が予想利益や純資産に対して比較的高く評価されていることを示唆している可能性があります。
7. テクニカル分析
- 現在の株価: 2,616.0円
- 年初来高値: 3,100円
- 年初来安値: 2,195円
- 50-Day Moving Average: 2,612.18円
- 200-Day Moving Average: 2,484.95円
現在の株価は、年初来高値から約15.6%下落した水準にあり、年初来安値からは約19.2%上昇しています。直近の株価は50日移動平均線とほぼ同水準で推移しており、200日移動平均線は上回っています。直近10日間の株価推移は2,607円から2,650円の範囲で小幅な動きにとどまっています。全体として、年初来の株価レンジの中間やや高値寄りの位置で推移していると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間、売上高は緩やかな増加傾向にあります。2022年3月期の4,632百万円から、2025年3月期（予想）は4,950百万円となっています。2026年3月期第1四半期の売上高は前年同四半期比0.2%減とほぼ横ばいでした。
- 利益: 営業利益は過去数年間低水準で推移しており、変動も見られます。2024年3月期は24百万円、2025年3月期（予想）は65百万円です。直近の2026年3月期第1四半期では、販売費及び一般管理費が増加したため、6百万円の営業損失を計上しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、固定資産売却益の計上により1百万円の黒字を確保しています。売上総利益率は25.0%と前年同四半期比で改善しています。
- キャッシュフロー: 第1四半期累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。現金及び預金は、前期末の1,246百万円から当第1四半期末で1,225百万円に減少しています。
- 収益性指標: ROE（実績）は4.14%、ROA（過去12か月）は1.44%と、資本効率は低い水準で推移しています。
- 財務健全性: 自己資本比率は39.4%（実績）、39.6%（当第1四半期末）であり、流動比率は2.07倍と、財務の安定性はある程度保たれていると考えられます。総負債は823百万円、有利子負債比率は71.94%です。当第1四半期末には長期借入金の減少が見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.76%
- 1株配当（会社予想）: 20.00円
- 配当性向: 29.44%
同社は、2025年3月期の実績および2026年3月期（予想）において、年間20.00円の1株当たり配当を計画しています。配当性向は約30%であり、比較的安定した水準で配当を実施する方針が見られます。自社株買いに関する積極的な方針の開示はありませんが、自己株式を保有している状況です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、小幅なレンジでの推移にとどまっており、明確な上昇または下降の勢い（モメンタム）は確認できません。
出来高は過去3ヶ月平均で312株、直近10日間平均で190株と非常に少なく、売買代金も低水準です。これは市場の関心が限定的であり、流動性が低いことを示唆しています。そのため、少額の売買でも株価が変動しやすい可能性があります。
信用取引は信用買残が5,400株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。ベータ値は0.24と低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低い、比較的ディフェンシブな特性を持つ株式であると考えられます。
株価への影響を与える要因としては、同社の業績発表（特に利益改善の進捗）や、健康食品市場全体のトレンド、人件費・物流費等のコスト変動、為替・原材料価格の動向などが挙げられます。
11. 総評
創健社は健康自然食品の卸売業界において、国産・有機食品に強みを持つ老舗企業です。健康志向の高まりという追い風を受けつつも、原材料高騰や消費者の節約志向といった市場全体の課題に直面しています。
売上高は緩やかな成長を続けていますが、利益水準は低く、直近の四半期では営業損失を計上しており、販管費の抑制が今後の課題として認識されます。収益性指標（ROE、ROA）は低い水準にあります。一方で、自己資本比率や流動比率から見た財務の健全性は一定程度保たれていると言えます。
株価評価においては、PERおよびPBRが業界平均と比較して高い水準にあります。株価モメンタムは目立った動きがなく、出来高も非常に少ないため、流動性には注意が必要です。
同社は中期経営計画でオーガニック・プラントベース商品訴求など、市場ニーズをとらえた戦略を掲げており、その具体的な進捗と利益改善への寄与が今後の注目点となるでしょう。株主還元は安定的な配当を継続する方針です。
企業情報
| 銘柄コード | 7413 |
| 企業名 | 創健社 |
| URL | http://www.sokensha.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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