ワコールホールディングス(3591)企業分析レポート
株価: 5,824円(2025-09-08終値)/時価総額: 約3,058億円
1. 企業情報
- 概要: 婦人インナーウェア(基礎・ランジェリー・ナイトウェア等)を中心に製造・卸・小売を展開。国内「ワコール」「ウイング」、EC・直営、「ピーチ・ジョン」など複数ブランドを保有。海外は米国・欧州・中国などへ展開。
- セグメント(売上構成の目安:2026年3月期1Q)
- ワコール(国内): 49%
- ワコール(海外): 42%(米国・欧州・中国など)
- ピーチ・ジョン: 6%
- その他: 2%
- 販売チャネル: 百貨店、量販店、専門店、直営店、EC、自社サイト・他社モール等
- 最近のトピック: 京都の固定資産売却(特別要因)、欧州の英子会社物流倉庫火災(影響精査中)、構造改革を継続
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内婦人下着で首位クラス。高いフィッティング技術とサイズ展開、ブランド資産、百貨店~ECまでの広いチャネル網を持つ。
- 競争優位性:
- パターン設計・サイズデータに基づくフィット技術
- 高付加価値商品(機能性・快適性・スポーツインナー等)
- マルチチャネル運営と国内認知度
- 課題:
- 国内市場の人口動態・価格志向の変化、SPA・ファストファッション等の価格競争
- 海外市場の需要変動、為替影響、サプライチェーンリスク(英国倉庫火災など)
- 直営店の収益性改善(不採算店の整理)とEC移行への最適化
3. 経営戦略と重点分野
- 中長期方針: 「VISION2030」、ROICマネジメント導入、アセットライト化(資産売却・最適化)、構造改革の継続
- 重点施策(直近の開示より)
- 資産効率改善: 新京都ビル等の売却を実施
- 収益性改善: ROIC/KPI分解に基づく運用開始、チャネル/店舗ポートフォリオの見直し
- ブランド・商品: 「Wing(シンクロブラトップ等)」「GOCOCi」「CW‑X」等の強化、正価販売の推進
- 海外: 欧州Bravissimo買収の寄与拡大、米国・中国の収益性是正
- デジタル/EC: EC販売の強化、データ活用による需要・在庫最適化
- 業績見通し: 通期予想は直近公表から変更なし(2025年8月12日時点)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 定期的な買い替え需要のある日常消費財に近い特徴と、機能性・フィット感による高付加価値化の両立。国内は成熟、海外での伸長とD2C/ECの深耕が収益ドライバー。
- 適応力:
- チャネル転換(百貨店依存低下→EC/直営の強化)
- ブランド・機能性訴求による単価確保
- ROIC管理・アセットライトでの資本効率改善
- リスク: 消費マインド、為替、原材料・物流コスト、海外現地のオペレーション障害(例:英国倉庫火災)
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 長年の体型データ・フィッティング技術、パターン設計、素材・快適性の研究開発。サイズ展開の広さと着用感の最適化。
- 主力・好調品目(開示ベース):
- Wing(シンクロブラトップ等)、GOCOCi(快適系)、CW‑X(スポーツインナー)
- 欧州ではBravissimoの寄与
- 動向: 正価販売比率の改善やEC活用による販管費効率化が進展
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 5,824円
- 会社予想ベース
- EPS(予想): 288.84円 → 予想PER ≒ 20.2倍(5,824÷288.84)
- BPS(実績): 3,971.07円 → PBR ≒ 1.47倍(整合)
- 配当関連
- 年間配当予想: 100円 → 予想配当利回り ≒ 1.72%
- 予想ベース配当性向(概算): 約34.6%(100÷288.84)
- トレーリングの開示では配当性向77.4%とされており、期間・算定基準の違いに留意
- 参考比較(提供データ)
- 業界平均PER: 21.7倍/業界平均PBR: 1.0倍
- 補足: 直近は固定資産売却益等の一過性要因が利益指標(PER、利益率)に影響する可能性があるため、コア収益力との区別が必要
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 50日移動平均 5,391円、200日移動平均 5,181円 → 現在値は両移動平均を上回る上方トレンド位置
- レンジ: 年初来高値 6,055円/安値 4,639円 → 現在値は高値から約3.8%下
- モメンタム(直近10営業日): 5,437円→5,824円へ上昇基調、出来高は3カ月平均(約16万株)と同程度
- 信用需給: 信用倍率 0.27倍(売り残>買い残)。短期的な需給の偏りに留意
8. 財務諸表分析
- 売上高の推移(連結)
- 2022/3: 1,720億円
- 2023/3: 1,886億円
- 2024/3: 1,872億円
- 過去12か月: 約1,739億円(構造改革・チャネル調整の影響)
- 利益面
- 営業利益: 2024/3は赤字、直近12か月は黒字転換
- 2026/3期1Qは固定資産売却益により営業利益が一時的に大幅増(営業利益率が一過性で高水準)
- コア指標としての「事業利益」(売上総利益−販管費)は1Qで2,358百万円(売上比約5.2%)
- 収益性指標
- ROE(実績・通期ベース): 3.46%
- 過去12か月ROE(提供指標): 8.22%(一過性益の影響の可能性)
- キャッシュフロー・財務健全性
- 営業CF(過去12か月): +82億円
- フリーCF(過去12か月): +244億円(資産売却収入の寄与含む)
- 現金同等物: 367億円(1Q期末)
- 総有利子負債: 248億円/D/E約12%/自己資本比率約71%
- 流動比率: 約236%(1Q)
- 資本効率・費用構造
- アセットライト化で資産効率は改善傾向
- 販管費削減や正価販売強化により粗利率・コア利益の改善を志向
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想: 年間100円(中間50円・期末50円)を継続予想
- 自己株式: 期末自己株式数 1,622,540株(1Q)、1Qに自己株式取得等で財務CF▲96億円
- 配当性向: トレーリング約77%(指標ベース)、予想ベース概算34.6%(一過性・期間差に留意)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +32.66%(提供指標)
- ボラティリティ: ベータ(5年)0.01(市場連動性は低位の指標)
- 株主構成: 機関投資家保有比率 約58%、自己株式 約6.9%(提供一覧に基づく)
- 近接イベント
- 権利落ち日(予定): 2025-09-29
- 決算発表予定: 2025-11-12
- 価格影響要因(例)
- 英国子会社の物流倉庫火災の影響確定・保険金の扱い
- 海外(米国・欧州・中国)の販売動向と為替
- 構造改革の進捗、資産売却・資本政策のアナウンス
11. 総評(事実整理)
- 国内首位クラスのブランド力とフィット技術、マルチチャネル展開を基盤に、ROIC経営・アセットライト化などの構造改革を推進中。
- 2026年3月期1Qは固定資産売却益の計上により利益が大きく伸長。一方、コア収益(事業利益率)は一桁台で、海外需要やチャネル戦略の精緻化が引き続き重要。
- 財務は自己資本比率70%超、D/E約12%と健全。キャッシュポジションは厚く、自己株式取得も実施。
- バリュエーションは会社予想ベースPER約20倍、PBR約1.47倍。業界平均PER(21.7倍)と比較して概ね同程度の水準で、PBRは平均を上回る。直近の利益指標は一過性要因の影響を受けうるため、コア収益力のトレンド確認が必要。
- 株価は移動平均線上方、年初来高値圏に位置。需給(信用売り超過)や近接イベント、英国倉庫火災影響の開示などが短期の変動要因となりうる。
注記: 本資料は公開情報に基づく事実の整理・計数計算であり、投資助言を行うものではありません。数値は一部で期間や算定基準の相違により乖離が含まれる可能性があります。最新の公式開示をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 3591 |
企業名 | ワコールホールディングス |
URL | http://www.wacoalholdings.jp |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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