日本ケミコン(6997)企業分析レポート

株価:1,430円(2025-09-08 終値ベース)
市場:東証プライム/電気機器

1. 企業情報

  • 概要:日本ケミコンは、アルミ電解コンデンサを中核に、導電性ポリマー、ハイブリッド型アルミ電解、フィルム、MLCC、スーパーキャパシタ、バリスタ、コイル・リアクトル、CMOSカメラモジュール、シリコンウエハ関連などを製造・販売。1931年創業、東京本社。
  • 特徴:アルミ電解コンデンサで世界首位クラスのメーカー。アルミ電解箔まで内製する一貫生産体制を有し、コスト・品質・供給安定性で強み。車載用(AEC-Q準拠)への注力を継続。
  • 事業構成(連結):コンデンサ約96%、その他約4%(2026年3月期1Q実績ベース)。海外売上比率約79%。従業員5,551人。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:アルミ電解コンデンサで世界シェア首位クラス。主要競合はニチコン、ルビコン、パナソニック、海外ではVishay、KEMET(Yageo)、Lelon、Aishiなど。
  • 競争優位性:アルミ電解箔技術と一貫生産、車載・産機向けの高信頼領域、導電性ポリマーやハイブリッド品など高付加価値ラインアップ。
  • 課題:
    • 為替(円高)や原材料価格、関税・地政学など外部要因の影響度が高い。
    • 電子部品サイクルと中国需要の変動。
    • MLCC等との用途競合は限定的ながら、価格競争や需要平準化への対応が継続課題。
  • 市場シェア数値:—(公表資料に明示なし)

3. 経営戦略と重点分野

  • 方針:中期的に車載・産機中心の高信頼・高付加価値分野へシフト、収益改善と財務健全性の強化。為替・関税など外部リスクを織り込んだ事業運営。
  • 第10次中期経営計画(位置づけのみ確認可):詳細KPIは短信抜粋では限定的。
  • 2026年3月期の会社計画(2025/5/13公表、据え置き)
    • 通期売上高 1兆4,600億円、営業利益 75億円、経常利益 58億円、当期純利益 44億円(EPS 206.3円)
    • 重点:車載(xEV、OBC/インバータ、ADAS電源)、産機(FA・電源)向けの拡販、ミックス改善とコスト構造是正。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:量産のアルミ電解を基盤に、導電性ポリマー/ハイブリッドや車載認証品で付加価値を上乗せ。アフターマーケットや保守需要も一定。
  • 需要動向:xEV普及、電源の高効率化、再エネ・蓄電の拡大は中長期の追い風。一方でエレクトロニクス市況や地域需要(中国等)の変動影響は残る。
  • 適応力:一貫生産と車載品質、グローバル供給網により需要変動と品質要求の両面に対応。為替・材料価格への耐性は改善途上。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:アルミ電解箔の加工・エッチング技術、導電性ポリマー・ハイブリッド電解の低ESR・高リップル対応、長寿命・高温対応の車載規格。
  • 主力領域:
    • アルミ電解(一般/高信頼/車載)
    • 導電性ポリマー/ハイブリッド(電源・車載)
    • スーパーキャパシタ(ピークアシスト、補助電源)
    • コイル・リアクトル等の受動部品、CMOSカメラモジュール(規模は小さめ)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,430円/時価総額:約315億円
  • 予想EPS:206.30円 → 予想PER:約6.9倍(業界平均PER 24.2倍)
  • 実績BPS:2,499.24円 → PBR:約0.58倍(業界平均PBR 1.6倍)
  • 予想1株配当:20円 → 予想配当利回り:約1.39%/予想配当性向:約9.7%(20円/206.3円、概算)
  • EV/EBITDA(概算):EV ≒ 315億 +(有利子負債759億−現金241億)= 約833億円、EBITDA(LTM)約105億円 → 約7.9倍
  • 売上高倍率(P/S):約0.25倍(時価総額315億円/LTM売上約1,243億円)
  • コメント:会社計画ベースの収益前提に依存。LTMでは利益水準が低く、予想と実績のギャップに留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日移動平均1,257円、200日1,045円を上回り、52週高値1,467円に近接(約-2.5%)。
  • モメンタム:直近10営業日で切り上がり基調(714円→1,400円台、52週騰落+33.5%)。
  • 需給:信用買残92.9万株(前週比+4.78万)、信用倍率10.28倍と買い長。短期的な需給の偏りに注意。
  • ボラティリティ:出来高は3カ月平均約25万株、直近は増加局面と減少が混在。

8. 財務諸表分析

  • 損益(百万円)
    • 売上高:LTM 122,684(2024/3期 150,740、2023/3期 161,881)
    • 営業利益:LTM 3,740(2024/3期 9,423、2023/3期 12,940)
    • 親会社純利益:LTM −589(指標ベース)。2024/3期は−21,291(特別要因含む)。
    • 2026/3期1Q:売上30,885(+5.4%)、営業利益152、四半期純損失△175。営業利益率約0.49%、売上総利益率約17.3%。
  • 収益性指標(LTM)
    • ROE −1.01%、ROA 1.32%(指標)
    • EBITDA 約105億円、減価償却約71億円(年度データ参照)
  • 財務・流動性
    • 現金等:約241億円/有利子負債:約759億円 → ネット有利子負債約518億円
    • 自己資本比率:34.5%(直近期)、1Q時点32.8%
    • 流動比率:約134%
    • 金利負担:利息費用約15億円(LTM)に対し、LTMの営業利益は約37億円(概算カバレッジに留意)。
  • トレンド評価:2023→2025にかけ売上・利益は調整。1Qは増収も為替差損等で減益。

9. 株主還元と配当方針

  • 予想配当:年間20円(期末一括)。
  • 配当利回り:約1.39%(株価1,430円)。
  • 予想配当性向:約9.7%(会社予想EPS基準、概算)。
  • 自己株式:期末自己株式数 611,878株(2026年3月期1Q)。自己株取得の有無は原資料の確認が必要。
  • その他の還元策:—(明示情報なし)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価は年初来高値圏に接近。50日・200日移動平均を上回る上昇局面。
  • 信用買い超過(倍率10.28倍)で短期の価格変動要因になりやすい構図。
  • 業績見通しは据え置き。為替(円高)、関税・地政学、車載・産機の需要回復ペースが外部要因として注目。

11. 総評

  • 事業面では、アルミ電解を中心とした一貫生産と車載向け高信頼品が強み。中期的にはxEV・産機電源の需要がテーマ。
  • 財務面では、LTMの収益性は低位で、1Qも為替等で赤字。会社計画(通期増益)達成に向け、下期の需要回復・ミックス改善とコスト管理が焦点。
  • バリュエーションは予想ベースのPER・PBRとも業界平均を下回る一方、足元収益の不安定さや財務レバレッジ、為替影響には留意が必要。
  • 株価は高値近辺でモメンタム良好。信用需給の偏りやイベント(決算、為替動向)が短期変動要因となりうる。

注意事項:本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的とするものではありません。記載の数値は概算・四半期時点のものを含み、最新の開示資料での確認を推奨します。


企業情報

銘柄コード 6997
企業名 日本ケミコン
URL http://www.chemi-con.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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