KADOKAWA(9468)企業分析レポート
株価: 3,319円(2025-09-05終値)/市場区分: プライム
本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資助言を行うものではありません。不明項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要: 出版・IP創出、アニメ/実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTechを展開する総合エンタメ企業。旧カドカワとドワンゴの統合会社。アニメ化・ゲーム化までのメディアミックスに強み。
- 事業内訳(売上構成の目安)
- 出版・IP創出: 約54%
- アニメ・実写: 約18%
- ゲーム: 約12%
- Webサービス: 約6%
- 教育・EdTech: 約5%
- その他(MD、施設等): 約5%
- 海外売上比率: 約22%(2025.3期)
- 代表的資産/特徴:
- 書籍(紙・電子)、ライトノベル等の大型IP創出力
- アニメ企画・製作・配給機能
- ゲーム(フロム・ソフトウェア関連IP等)
- 動画コミュニティ/イベント運営(ドワンゴ系)
- 専門学校・EdTechソリューション
- 主要株主(抜粋): ソニーグループ(約10%)、NTT、バンダイナムコHD、サイバーエージェントなど戦略的株主が並ぶ
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内出版大手の一角で、アニメ・ゲーム・Web・教育まで横断するIPマネタイズ体制を保有。出版専業に比べ、映像/ゲームまで一気通貫の“メディアミックス”で差別化。
- 競争優位性:
- 年間5,500超の新規IP創出など、IP供給力が厚い
- ゲーム・映像への展開力(ヒット時のレバレッジが高い)
- 電子書籍/海外(アジア等)での販売力
- プラットフォーム(動画コミュニティ)やイベント運営機能
- 課題:
- タイトル依存度(ヒット有無で利益変動が大きい)
- 出版市場の構造的縮小とコスト上昇
- サイバー攻撃・システム障害リスク(過去に影響あり)
- 在庫評価・為替など外部要因
3. 経営戦略と重点分野
- 企業ビジョン/基本戦略: 「グローバル・メディアミックス with Technology」
- 重点施策(短信・開示より)
- IP創出の継続強化(新規IP数 前年同期比+9.5%)
- 海外展開の加速(伊Edizioni BD S.r.l.を70%取得、欧州でのコミック流通強化)
- テクノロジー活用(プラットフォーム運営効率化、グループ連携)
- 事業ポートフォリオ運営(ゲーム/映像/MD/イベントの連動)
- 通期見通し(2026年3月期、会社計画)
- 売上高 2,919億円(+5.0%)
- 営業利益 167億円(+0.3%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 114億円(+54.2%)
- EPS予想 77.79円、EBITDA 255億円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 出版は電子/紙の両輪+権利許諾、バックカタログの継続収益
- アニメ/映像は企画製作・配給・権利収入
- ゲームは大型IPの販売・ライセンスによる高採算寄与
- Webはプラットフォーム収益・イベント、EdTechは授業料/システム収益
- 持続性評価の観点:
- ヒット依存のブレを複数セグメントで分散
- 電子書籍・グローバル展開で市場縮小リスクを一部相殺
- プラットフォーム/ITの堅牢性・セキュリティ投資が継続課題
- 教育・EdTechは中長期で安定収益の柱化が期待される構造
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性:
- 動画コミュニティ運営・ITインフラ効率化、イベント運営ノウハウ
- グループ横断でのデータ活用・制作/配信のデジタル化
- 主力/収益牽引領域(2026年3月期1Q実績より)
- ゲーム: 『ELDEN RING NIGHTREIGN』等の貢献でセグメント利益が大きく寄与
- 出版: 海外(アジア)堅調、電子は前年特殊要因の反動で減
- Webサービス: コミュニティ回復、ITコスト減で増益
- 教育・EdTech: 生徒数増で増収増益
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 3,319円
- 会社予想EPS: 77.79円 → 予想PER 約42.7倍(開示値 42.67倍)
- 実績BPS: 1,690.77円 → PBR 約1.96倍(開示値 1.96倍)
- 参考指標:
- 予想配当: 30円 → 配当利回り 約0.90%
- 参考P/S: 売上/株 1,974円(LTM)→ P/S 約1.68倍
- 業界平均との比較(情報・通信業 目安)
- PER: 業界平均約23.2倍 vs 同社約42.7倍
- PBR: 業界平均約2.3倍 vs 同社約1.96倍
- コメント(定量比較の事実整理):
- 予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは平均を下回る水準
- 収益成長見通しやヒットタイトルの寄与度合いが評価に影響
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド(直近10営業日): 3491円 → 3319円へ下落基調、陰線優位
- 移動平均: 50日線 3,669円、200日線 3,662円付近 → 現在値は両線を下回る
- レンジ: 年初来高値 4,117円/安値 3,076円 → 現在値はレンジ下限寄り
- 出来高: 直近増加傾向(平均10日 56万株 vs 当日 71万株)
- 信用動向: 信用倍率 10.59倍、買残増加(+72.7千株)→ ロング優位の需給
- 価格帯認識(客観):
- 中長期MA割れの調整局面
- 3,076円付近に年初来安値サポート
- 3,650~3,700円帯は上値抵抗になりやすい水準(50/200日線)
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高: 221,208(2022)→ 255,429(2023)→ 258,109(2024)→ 277,915(LTM)
- 営業利益: 18,520(2022)→ 25,931(2023)→ 18,455(2024)→ 16,652(LTM)
- 当期純利益: 14,078(2022)→ 12,679(2023)→ 11,384(2024)→ 7,392(LTM)
- 傾向: 売上は増加傾向だが、利益はピーク後に縮小し、マージン低下(LTM営業利益率 約6.0%→3.6%台)
- 収益性指標
- 営業利益率(LTM): 約3.6%
- ROE(実績): 約3.36%
- ROA(LTM): 約2.19%
- 1Q(2026年3月期)セグメント概況
- 出版・IP創出: 売上3,446億円相当/セグ損失(反動減)
- ゲーム: 売上865億円、セグ利益337.9億円と牽引
- Web: 売上53.6億円、セグ利益6.9億円
- 教育: 売上43.9億円、セグ利益8.6億円
- その他: セグ損失10.2億円
- キャッシュフロー・財政状態
- 営業CF(LTM): 131億円とプラス
- レバードFCF(LTM): ▲73億円(投資先行)
- 現金等: 1,347億円、総資産: 約3,999億円
- 有利子負債: 266億円、D/E低位、自己資本比率 約61%
- 流動比率 約220%と流動性は厚い
- 安全性: 高水準の現金・低負債で財務余力は大きい一方、利益率改善が課題
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:
- 2025年3月期 実績: 年間30円
- 2026年3月期 会社予想: 年間30円(利回り約0.90%)
- 配当性向(参考・LTM): 約57%(30円/株 ÷ EPS 52.44円ベース)
- 自社株買い: –(自己株保有 約0.9%の開示あり)
- 権利・配当関連イベント:
- 直近決算予定: 2025年11月6日
- 次回権利落ち予定: 2026年3月30日
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日移動平均を下回る調整局面。52週変化率 +9.0%ながら、足元は下押し圧力が強い局面。
- ボラティリティ: β 0.30(5年・月次)と低め
- 需給: 信用買い優位(倍率10.6倍)、短期の値動きに影響しやすい構図
- 保有構造: インサイダー比率約31%、機関投資家保有約24%(流通株式は限定されやすい)
11. 総評(要点整理)
- 事業面: IP創出を核に、アニメ・ゲーム・Web・教育に展開する“メディアミックス”体制が特徴。ゲーム(特にフロム系IP)の収益貢献が大きく、ヒット有無で業績変動が生じやすい。
- 財務面: 現金厚く負債は低位で安全性は高い一方、近年は利益率が縮小。ROEも3%台と低水準で、収益性改善が定量的な課題。
- バリュエーション: 予想PERは業界平均を大きく上回り、PBRは平均を下回る水準。成長見通しや大型タイトルの動向、海外展開の進捗が評価に影響。
- テクニカル/需給: 年初来レンジ下限寄りで移動平均を下回る調整。信用買いに偏る需給は短期ボラティリティの材料。
- 注目ポイント:
- ゲーム/映像のパイプライン進捗と収益寄与の持続性
- 電子書籍・海外(欧州含む)の伸長度合い
- プラットフォームの安定運用(サイバーセキュリティ含む)
- 収益性(営業利益率、ROE)の改善トレンド
本資料は公開データの要約であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。最新のIR資料(決算短信・補足資料)をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9468 |
企業名 | KADOKAWA |
URL | https://www.kadokawa.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。