エスペック(6859)企業分析レポート
株価: 3,400円(2025-09-10終値)
市場区分: 東証プライム/電気機器
1. 企業情報
- 概要
- 環境試験機器・装置の世界大手。温度・湿度・熱衝撃など各種ストレス環境を再現する試験槽(チャンバー)でトップポジション。
- 装置事業(環境試験器、二次電池関連、半導体関連、HALT/HASS 等)、サービス事業(アフターサービス、受託試験、レンタル、校正等)、その他事業(環境保全、植物育成装置・植物工場)を展開。
- 海外売上比率は約52%(2025.3期)。
- 事業構成(出所:会社開示等)
- 装置 85%、サービス 12%、その他 3%(カッコ内の数値は営業利益率目安の表記とされることが多い)
- 付記
- 従業員数 1,860名、平均年齢 40.3歳、平均年収 763万円。大阪市北区に本社。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 環境試験機器で世界最大手。幅広いラインアップ(温湿度・急速温度変化・熱衝撃・超低温・二次電池/半導体向け等)とグローバルサービス網を保有。
- 競争優位性(示唆)
- 長年の実績に基づく信頼性、厳格な規格・認証対応、納入実績に基づくアフターサービス力、エネルギー効率や省スペースといった装置性能。
- 課題
- 半導体・EV電池等の投資サイクルや為替の影響を受けやすい。
- 大型・長納期案件の受注・計上タイミングにより四半期の業績変動が大きくなりうる。
- 欧州・中国など地域ごとの需要差、価格競争の強まり。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(開示要旨・推測を含まない範囲)
- 重点領域:エナジーデバイス(二次電池・EV関連)、半導体関連装置の強化。
- サービス事業(予防保全、修理、受託試験、レンタル、校正)の拡大による収益安定化。
- 海外での受注拡大(日本・北米が好調、東南アジア・台湾も拡大傾向)。
- 施策
- 従業員インセンティブ制度(E-Ship)導入決議(2025/8/7)。自己株式135,500株を信託へ処分予定。
- 装置大型化・複数台一括案件への対応強化(期ズレ管理、受注残の着実な消化)。
- 業績見通し(2026年3月期:会社計画)
- 通期:売上 680億円、営業利益 85億円、経常 86.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益 61.9億円(据え置き)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 装置販売の一過性売上に加え、アフターサービス・受託試験・レンタル・校正等の継続収入を組み合わせたモデル。
- ニーズ適応力
- 脱炭素・電動化・生成AIの普及で電子部品・電池・半導体の信頼性評価需要が継続。規格/安全対応の高度化で試験需要は構造的に底堅い。
- リスク
- 投資サイクルによる受注変動、原材料・外注費や為替の変動、期ズレによる四半期ブレ。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性
- 高速温度変化、熱衝撃、広温湿度レンジ、省エネ化、データロギング・ネットワーク監視等の進化。
- 二次電池向けの安全性・信頼性評価システム、半導体試験関連、HALT/HASS。
- 収益牽引領域(直近期の示唆)
- 半導体関連装置は受注・売上とも増加(1Q短信)。
- サービスは需要堅調だが、人員・減価償却増で短期的に利益圧迫の局面あり。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価3,400円
- 予想EPS(会社):283.53円 → 予想PER ≈ 11.99倍
- 実績BPS:2,539.87円 → PBR ≈ 1.34倍
- 予想配当:115円 → 予想配当利回り ≈ 3.38%
- 参考比較(業界平均)
- 業界平均PER 24.2倍、PBR 1.6倍(提供データ)。当社はPER・PBRともに業界平均比で低位に位置。
- その他参考指標(概算)
- 時価総額 約808.6億円、現金約135.6億円、借入約0.7億円 → EV ≈ 673億円
- LTM EBITDA ≈ 101.3億円 → EV/EBITDA ≈ 6.6倍(概算)
- PSR(時価総額/売上)≈ 1.2倍(売上672.9億円ベース)
- 配当性向
- トレーリング約34.6%(提供データ)。フォワード目安 ≈ 40.6%(=115/283.53、概算)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均 3,223円、200日移動平均 2,710円。株価は両移動平均を上回り、上昇基調を示唆。
- 位置づけ
- 年初来高値 3,450円、安値 1,920円。現値3,400円は高値近辺(高値圏)。
- 直近の節目:上値抵抗 3,450円(年初来高値)、下値目安 3,300円前後(直近の押し安値帯)。
- 需給・出来高
- 本日出来高 74.1千株は直近10日平均(63.5千株)を上回る。
- 信用倍率 5.62倍。信用買残/売残は前週比で双方減少(買残 -1.4千株、売残 -4.0千株)。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結、百万円)
- 売上高:41,852(2022)→ 52,892(2023)→ 62,126(2024)→ 67,288(過去12か月)
- 営業利益:1,973 → 4,371 → 6,591 → 7,529
- 親会社株主に帰属する当期純利益:1,905 → 3,330 → 4,969 → 6,003
- 伸長が継続。1Q(2026/3期)は大型案件の期ズレで売上-10%、営業利益-63.7%(前年同Q比)。
- 収益性(過去12か月・概算)
- 粗利率 ≈ 35.6%(=23,987/67,288)
- 営業利益率 ≈ 11.2%(=7,529/67,288)
- 当期純利益率 ≈ 8.9%(=6,003/67,288)
- 効率性・安全性
- ROE(実績)10.97%、ROA(過去12か月)5.93%
- 自己資本比率 74.7%、流動比率 3.39倍
- 総現金 135.6億円、総有利子負債 0.7億円程度で実質ネットキャッシュ。
- キャッシュフロー等
- 減価償却費(1Q累計)4.93億円。1QのCF計算書は未作成(短信記載)。
- セグメント(1Q)
- 装置:売上 103.4億円、セグメント利益 4.18億円。日本・北米受注好調、欧州・中国は売上減。
- サービス:売上 18.3億円、セグメント損失 0.41億円(拡大投資による費用増)。
- その他:売上 2.6億円、セグメント損失 0.41億円(受注は増加)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025/3期:年間95円(中間35円・期末60円)
- 2026/3期(会社予想):年間115円(中間45円・期末70円)
- 予想配当利回り ≈ 3.38%(株価3,400円)
- 配当性向
- トレーリング約34.6%、フォワード目安約40.6%(概算)。
- 自己株式・その他
- 自己株式比率 7.19%。E-Ship信託向けに自己株式135,500株を処分予定(1株3,320円、取締役会決議済)。自社株買いの新規開示は本データ内に記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率 +40.88%。β 0.78。株価は年初来高値付近で推移。
- 直近10日では3,300円台前半から持ち直し、出来高はやや増加傾向。
- 投資家構成(提供データ)
- インサイダー保有 13.16%、機関投資家保有 29.25%、浮動株 16.22百万株。
- 近況イベント
- 2025/8/7:1Q決算公表(通期予想据え置き、E-Ship導入決議)。
- 2025/9/29:配当権利落ち予定日。
- 株価に影響し得る要因
- 受注残の期ズレ解消と計上進捗、半導体/EV電池投資動向、為替、原材料・外注費、地域別需要変動、E-Shipに係る保証リスク等。
11. 総評
- エスペックは、環境試験機器で世界トップクラスの実績と広範な製品・サービスを持ち、エレクトロニクス・EV・半導体など構造的需要を背景に中期的な成長を継続している。装置に加えサービスの拡大で収益の安定性向上を図っている一方、四半期では大型案件の期ズレや投資サイクルの影響を受けやすい特性がある。
- 財務は高自己資本比率・実質ネットキャッシュで健全。配当は前期95円→今期予想115円と増配見込み。E-Ship導入など人的資本施策も進める。
- バリュエーションは、予想PER約12倍・PBR約1.34倍・EV/EBITDA約6.6倍(概算)で、提供された業界平均PER・PBRと比べ低位に位置。株価は年初来高値圏で、受注消化の進捗や半導体・EV関連の設備投資動向が短中期の注目点となる。
- 本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではない。不明点・追加分析(セグメント別前年同期比較や感応度分析等)が必要な場合は具体的な項目をご指示ください。
企業情報
銘柄コード | 6859 |
企業名 | エスペック |
URL | http://www.espec.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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