ヤマタネ(9305)企業分析レポート
株価(終値): 2,879円(2025-09-09)
市場区分: プライム(卸売業/商社・卸売)
時価総額: 653億円、発行済株式数: 22,688,362株
株式分割: 2025/5/29に1→2分割
1. 企業情報
- 概要: 物流(倉庫・港湾・通関・国際引越等)、食品(米穀卸・加工食品等)、情報(システム開発・機器レンタル)、不動産賃貸を展開。1924年創業。都市型・文書保管に強み、米穀卸も大手。M&Aで食品領域を拡大。不動産賃貸が収益を下支え。
- 連結事業構成(2025.3期目安): 物流31%(利益率約6%)、食品61%(同約5%)、情報2%(同約2%)、不動産6%(同約40%)
- 特色: 倉庫準大手、海外引越の実績、米の需給・価格動向の影響を受けやすい一方、不動産の安定収益でポートフォリオを分散。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 物流: 準大手の倉庫事業者。都市型・文書保管や国際引越など、比較的ニッチだが価格転嫁余地のある領域に強み。
- 食品: 米穀卸の大手の一角。需給逼迫時の単価上昇を収益機会にできる一方、原料確保と数量減のバランス管理が課題。
- 競争要因・課題:
- 労務・外注費の上昇に対する価格転嫁、保管スペースの稼働最適化が収益性に直結。
- 米の不作・政策・在庫動向など外部要因による価格・数量の変動リスク。
- 不動産は稼働率維持と修繕費コントロールが鍵。
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性(会社開示要旨)
- 物流: 国際(海外引越)を伸長。国内は一部荷主解約影響を人員配置・効率化で吸収。外注費・人件費の価格転嫁を継続。
- 食品: 安定供給を前提に適宜価格転嫁。米の需給逼迫局面では単価上昇を収益化。加工食品(ショクカイ等)も拡大。
- 情報: システム開発・保守、棚卸支援機器レンタル(季節偏重・第2/第4四半期に集中)。
- 不動産: 高稼働の維持と前期取得物件の寄与拡大。
- 中計: 定量目標の明示はなし(短信時点)。2026年3月期は上方修正済み。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の分散: 物流・食品に加え、不動産の高マージンが安定収益としてポートフォリオを補完。
- 変化対応力: 物流・食品での価格転嫁が進展。米需給や為替・物価の変動に対しては供給安定と在庫・価格戦略が重要。
- リスク: 食品の原料不足・数量減、物流の人件費・外注費上昇、金利上昇による利払い負担増。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 文書保管や棚卸支援機器レンタルなど、運用オペレーションの効率化に軸足。大型R&D色は限定的。
- 収益ドライバー:
- 食品カンパニー(米の単価上昇と加工食品の堅調)
- 物流カンパニー(海外引越の増勢、価格転嫁)
- 不動産(高稼働率・高利益率)
6. 株価の評価
- 前提データ(会社予想・実績)
- EPS(会社予想・分割後): 222.35円(短信では222.81円)
- BPS(実績・分割後): 2,720.72円
- PER(会社予想): 12.95倍(株価2,879円基準)
- PBR(実績): 1.06倍
- 配当(会社予想): 年62.5円(利回り約2.17%)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER: 12.1倍、業界平均PBR: 1.0倍
- 同社はPERが平均に近い水準、PBRは概ね平均並み。
- EV/EBITDA(概算・LTM)
- EV ≒ 時価総額653億円 + 純有利子負債約707億円 = 約1,360億円
- EBITDA ≒ 約90億円 → EV/EBITDA ≒ 約15倍
7. テクニカル分析
- トレンド位置づけ:
- 50日MA: 2,647円、200日MA: 2,178円 → 現在値は両移動平均を上回る上昇トレンド内。
- 52週高値: 3,280円(現値は高値比約-12%)
- 足元の値動き:
- 8/28の急伸(3,065円)後は2,830~2,950円レンジで推移し上値が重い局面。
- 出来高は3カ月平均(約9.96万株)に対し直近はやや細り。
- 需給(信用)
- 信用買残 149,500株(前週比-24,300)、信用売残 89,600株(同+14,100)、信用倍率1.67倍。
- 短期的には買い玉が整理され、売り残が増加する動きで需給は拮抗方向。
8. 財務諸表分析
- 成長性(売上・利益: 百万円)
- 売上高: 46,765(2022)→ 51,090(2023)→ 64,512(2024)→ 80,922(2025)
- 営業利益: 3,003 → 3,588 → 3,483 → 3,780
- 当期純利益: 1,832 → 2,150 → 2,487 → 3,091
- 傾向: 売上は継続増加、営業利益は4期で堅調。2026/3期1Qは営業利益率9.1%と改善(前年2.68%)。
- 収益性(2025/3期・連結)
- 粗利率: 約12.5%(10,107/80,922)
- 営業利益率: 約4.7%(3,780/80,922)
- EBITDA: 9,024 → EBITDAマージン約11.2%
- ROE: 5.61%(実績)
- 財務安全性・効率性(直近四半期等)
- 自己資本比率: 35.0%→1Q 35.4%
- 流動比率: 約0.67倍(流動資産24,899/流動負債37,333)
- 総資産回転率(1Q年率換算の参考値ではなく四半期比率): 0.132
- 有利子負債: 約767億円、手元資金: 約61億円 → レバレッジは高め、利息負担は増加傾向(支払利息 552→718百万円/LTM)。
- セグメント(2026/3期1Q)
- 物流: 売上6,229、利益557(価格転嫁進展)
- 食品: 売上14,320、利益1,509(米単価上昇、数量は減)
- 情報: 売上406、損失9(季節要因)
- 不動産: 売上1,174、利益528(高稼働・修繕費減)
- キャッシュフロー
- 四半期CF計算書は未作成注記。1Qで現預金は増加(4,983→6,064百万円)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(分割後): 年間62.5円(中間25.0円、期末37.5円 予想)、配当利回り約2.17%(株価2,879円)。
- 配当性向:
- 会社予想EPS(約222.8円)ベースの前向き配当性向: 約28%
- データ提供上のトレーリング配当性向: 70.1%(算出基準の差異に留意)
- 自社株: 自己株式 約2.44%(277千株)。直近の新規買付公表は確認不可(短信記載なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週で+78%と上昇。直近はイベント後の高値圏からの持ち合い・押し目形成の様相。
- 出来高: 直近10日平均は3カ月平均を下回り、短期の関心はやや落ち着き。
- 想定要因:
- 2026/3期の業績予想上方修正(1Qで営業・経常・純利益が大幅増)
- 米需給逼迫による単価上昇と国際物流の堅調
- 金利・物価、為替、原料調達の不確実性
- 予定イベント:
- 次回配当権利落ち: 2025/9/29
- 決算期日レンジ(参考掲載): 2025/7/31〜8/4に1Q発表済
11. 総評
- 収益構造は「食品(米)×物流×不動産」の分散型。2026/3期1Qは食品の単価上昇と物流の価格転嫁で収益性が改善。不動産は高マージンで下支え。
- 財務は自己資本比率35%と一定の安定性がある一方、流動比率0.67倍、有利子負債・利払い負担は相対的に重く、金利・資金繰りの管理が重要。
- バリュエーションはPER/PBRともに業界平均近傍。EV/EBITDAは借入依存度の影響で相対的に高めの水準となる計数。
- テクニカル面では中長期上昇トレンド継続ながら、直近はレンジ推移。信用買いは減少、売りは増加で短期需給は拮抗。
- 外部要因として、米の需給・価格、労務・外注費、金利動向、為替などが主要な変動ドライバー。
注記
– 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的とするものではありません。
– 金額は特記なき場合「百万円」単位、1株指標は株式分割(1→2, 2025/5/29)後の表示を前提としています。
– 一部データは期間や基準差により数値が併存します(例: LTMと通期実績、会社予想と外部集計の差異)。計数の解釈にはご留意ください。
企業情報
銘柄コード | 9305 |
企業名 | ヤマタネ |
URL | https://www.yamatane.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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