日東紡績(3110)企業分析レポート

株価(現在):6,950円(2025-09-10 終値近辺)

1. 企業情報

  • 概要:
    • ガラス繊維を中核に、電子材料、メディカル(体外診断薬)、複合材、資材・ケミカル、断熱材などを展開する素材メーカー。
    • 電子機器用の高機能ガラスクロス(Tガラス、NEガラス等)で知られ、半導体パッケージ基板や高多層プリント基板用途に強み。
    • 断熱材(グラスウール)は建築物・船舶・車両等で採用。メディカルは免疫・生化学・血液分野の体外診断用試薬を供給。
  • 連結事業構成(売上構成の目安)
    • 電子材料 38%、メディカル 12%、複合材 12%、資材・ケミカル 9%、断熱材 14%、その他 15%
  • 海外売上比率:43%(2025/3期)
  • 従業員数:2,745人、本社:東京都千代田区
  • 代表者:多田 弘行

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • 電子材料(高性能ガラスクロス)でグローバルに高い存在感。高弾性・低熱膨張・低誘電特性など、HPC/AIサーバーや先端半導体パッケージ基板での要求性能に合致。
    • 断熱材は国内有力プレイヤーの一角。メディカルは国内体外診断薬の安定供給者。
  • 競争優位性:
    • 高機能ガラス組成(T/NEガラス)、極細糸・薄物クロス加工などの製造ノウハウ、品質安定性、顧客適合力。
    • 事業ポートフォリオの分散(電子材料・メディカル・断熱材)がサイクル耐性に寄与。
  • 課題:
    • 需要サイクル(半導体・住宅市況)変動の影響、原燃料・物流コスト、為替影響。
    • 断熱材は国内建築需要の波と設備修繕コストが収益性に影響。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・計画:
    • 長期ビジョン「Big VISION 2030」、中期経営計画(2024–2027年度)を推進。
  • 重点施策(示唆):
    • 電子材料:AIサーバー/先端半導体パッケージ向けの高付加価値ガラスクロスの拡販・能力最適化。
    • メディカル:体外診断薬の製品強化と収益性維持(インフレ対応、供給安定)。
    • 複合材:自動車・産業用途の軽量化ニーズへの対応、高機能グラスファイバーの用途拡大。
    • 断熱材:省エネ・断熱需要の取り込み、コスト最適化と品質安定化。
    • 財務:資本効率と成長投資の両立(配当方針は後述)。通期業績予想(売上1,200億円、営業利益170億円、EPS 357.08円)は据え置き(2025/5/9公表)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 高機能素材のプレミアム価格と長期取引関係に基づく収益。電子材料の高マージンが全体の利益を牽引。
  • 適応力:
    • AI/HPCや5G、車載エレクトロニクスなど成長領域に製品特性が適合。メディカルはディフェンシブ性、断熱材は省エネ規制の追い風。
  • リスク:
    • サイクル・為替・原材料価格・地政学。設備修繕等の一時コスト。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:
    • Tガラス・NEガラス等の高機能ガラス組成、極細単糸/薄物ガラスクロス、低誘電・低CTE特性など。
  • 主力領域:
    • 電子材料:半導体パッケージ基板・高多層基板向けガラスクロス(1Q電子材料売上構成比約40%、セグメント利益率約36.7%)。
    • メディカル:体外診断用試薬(免疫・生化学・血液)。
    • 断熱材:住宅・非住宅向けグラスウール。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 6,950円、会社予想EPS 357.08円、BPS 3,514.94円
    • 予想PER ≈ 6,950 / 357.08 ≒ 19.5倍(会社公表 19.44倍と整合)
    • PBR ≈ 6,950 / 3,514.94 ≒ 1.98倍(公表 1.97倍と整合)
    • 予想配当利回り:会社公表 1.58%(参考:年間106円前提では株価6,950円で約1.5%)
    • EV/EBITDA(LTM概算):EV ≒ 時価総額2,618億 + 正味有利子負債259億 ≒ 2,877億円、EBITDA約250億円 → 約11.5倍
  • 参考比較:
    • 業界平均PER 18.3倍、PBR 1.4倍(同区分平均比でPER・PBRはいずれも上回る)

※上記は事実ベースの指標比較であり、投資判断を示すものではありません。

7. テクニカル分析

  • 価格位置:
    • 年初来高値:6,970円(本日高値到達)
    • 52週高値:7,670円、52週安値:3,025円
    • 移動平均:50日線 6,105円、200日線 5,345円 → いずれも上回る上方乖離
  • 出来高:
    • 直近10日平均出来高 153万株、3カ月平均 85.5万株 → 直近は出来高増加局面
  • 評価:
    • 年初来高値圏で推移。短期的な上昇モメンタムが観測される一方、52週高値には余地あり。

8. 財務諸表分析

  • 成長・収益性(通期推移)
    • 売上高:840億円(2022)→ 875億円(2023)→ 932億円(2024)→ 1,090億円(2025)
    • 営業利益:73億 → 49億 → 84億 → 164億
    • 親会社株主帰属純利益:65億 → 28億 → 73億 → 128億
    • EPS:168.04円(2022)→ 73.94円(2023)→ 200.39円(2024)→ 352.61円(2025)
    • マージン(LTM):営業利益率 約15.2%、当期純利益率 約11.5%
  • 最新四半期(2026/3期1Q)
    • 売上高 282.3億円(+8.1%)、営業利益 43.0億円(+10.0%)、純利益 31.5億円(-3.2%)
    • セグメント利益率(1Q目安):電子材料 約36.7%、メディカル 約11.8%、資材・ケミカル 約4.8%、複合材・断熱材は赤字
  • 効率・安全性
    • ROE(実績):約10.1%(公表 10.36%)
    • ROA(LTM):約4.9%
    • 自己資本比率:約58.1%、流動比率:約296%
    • 総有利子負債:約526.6億円、現金:約267.6億円 → ネットDE約259億円、Net Debt/EBITDA ≒ 1.0倍
    • 金利負担:支払利息 5.6億円、EBIT 180.8億円 → インタレストカバレッジは高水準
  • トレンド評価:
    • 2023→2025にかけて収益性が大幅改善。電子材料が牽引する一方、断熱材・複合材は収益課題。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績(2025/3期):年間106円(中間27.5円、期末78.5円)
  • 2026/3期:中間27.5円予想、期末は未定(会社公表)
  • 予想配当利回り:1.58%(会社公表)、配当性向目安:約30%(公表)
  • 自社株:自己株式比率 約3%(1Q時点1,316,391株)。直近の新規自己株買いプログラムの明記は確認情報なし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:
    • 直近約2週間で5,400円台→6,900円台へ上昇。年初来高値更新。
  • 需給・関心:
    • 信用買残 401千株(前週比 -71千株)、信用売残 146千株(前週比 +99千株)、信用倍率 2.75倍。
    • 直近は出来高増加・価格上昇とともに、売り建ても増加。短期の需給変動要因として意識されやすい。
  • ベータ:0.45(5年・月次)→ 市場全体に対する感応度は相対的に低い。

11. 総評(事実整理)

  • 電子材料(AIサーバー・先端半導体パッケージ向け)が高収益で全社利益を牽引。1Qのセグメント利益率も高水準。
  • 断熱材・複合材は収益課題が残る一方、メディカルは安定需要が下支え。
  • 財務は自己資本比率約58%、Net Debt/EBITDA ≒ 1倍、金利負担軽微で健全性がうかがえる。
  • バリュエーションは、業界平均と比べPER・PBRともに上回る水準。EV/EBITDAは概算で約11.5倍。
  • 株価は年初来高値圏で上昇モメンタム。出来高増、信用需給の変化(買い残減・売り残増)が短期の値動きに影響する可能性。
  • 通期予想は据え置き。今後の注目点は、電子材料の需要持続性、断熱材の回復度合い、為替・原材料コスト、設備修繕費用の影響、ならびに10/31の決算発表と9/29の権利落ち日。

本レポートは提供データに基づく事実整理および指標計算であり、投資勧誘や価値判断を含みません。各数値は公表値・提供値を優先し、一部は概算を含みます。


企業情報

銘柄コード 3110
企業名 日東紡績
URL http://www.nittobo.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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