霞ヶ関キャピタル(3498)企業分析レポート
以下は提供データに基づく客観的な整理です。投資判断を目的とせず、事実と数値の把握に主眼を置いています。数値は特記なき限り連結・円ベース、直近期は分割後(1→2、効力発生日:2025/9/1)換算の指標を用いています。
1. 企業情報
- 概要
- 不動産コンサルティングを中核に、再生可能エネルギー発電施設の開発・運営、投資用不動産の開発・販売、物流(冷凍冷蔵・自動倉庫等)、ホテル(FAV HOTEL等)、ヘルスケア(ホスピス住宅)などを展開。ファンド組成・運用受託も実施。
- 海外はドバイでのレジデンス投資・売却などに取り組む。
- 事業区分:単一セグメント(不動産コンサルティング)
- 会社設立:2015年6月30日(事業開始は2011年)
- 上場市場:東証プライム
- 従業員:590名、平均年齢37.9歳、平均年収1,677万円
- 直近イベント:2025/8/28 権利落ち日(配当)
- 住所:東京都千代田区霞が関3-2-1
- 代表者:河本 幸士郎
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 「開発(物流・ホテル・ヘルスケア・再エネ)+アセット売却・運用受託」の複合モデル。冷凍冷蔵・自動化倉庫やホスピス住宅など、構造的需要が見込まれるニッチでの案件創出が特徴。
- FAV HOTEL等のホテルブランド展開、冷凍自動倉庫の長期運用ファンド組成など、開発から運用・ファンド化までの一気通貫のスキームを志向。
- 競争優位性(示唆)
- 冷凍冷蔵×自動化・自然冷媒対応など、規制・省人化ニーズを取り込む開発テーマ。
- 投資家・ファンドへのパッケージ売却とAM・PJMフィー獲得の両立。
- 課題
- 金利・REIT市況の変動がエクジット環境・資金調達コストに影響。
- 在庫(販売用不動産)水準や短期借入の増減管理が運転資金・BSに影響。
- 海外(ドバイ)では為替・地政学・建設コストの不確実性。
※ 市場シェアの公表値は未確認。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(短信等からの要点)
- 単一セグメントながら、領域別に「物流(冷凍冷蔵・自動化)」「ホテル(自社ブランド)」「ヘルスケア(ホスピス)」「再エネ」「海外(ドバイ)」を推進。
- 開発→運用(自社/外部)→ファンド組成のバリューチェーンで、売却益と運用フィーの両輪化。
- 具体的施策(2025年8月期3Qまで)
- 物流:冷凍自動倉庫の開発推進、長期運用ファンド(8物件)を組成完了、着工・運用移行案件あり(LOGI FLAG TECH八戸Ⅰ等)。
- ホテル:FAV、FAV LUX、edit x seven等のブランド展開、リノベ取得や開発フェーズ移行。
- ヘルスケア:ホスピス住宅の開発・運営一体(CLASWELL下石神井が開業)。
- 海外:ドバイでのレジデンス取得・売却による知見蓄積。
- 中期計画
- 通期見通しは維持。中計の数値目標詳細は当該資料での確認が必要(短信内に詳細定量記載はなし)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 不動産販売(エクジット利益)+AM/PJM等フィー+賃料・金融関連収益のミックス。
- 持続性の観点
- 景気・金利・REIT市況の影響を受けやすい販売収益に加え、運用フィーや長期運用ファンドを拡大することで収益の安定度向上を志向。
- 冷凍冷蔵(老朽化更新・フロン規制・自動化ニーズ)やホスピスなど、テーマ性の高い領域で案件創出。
- リスク適応
- 在庫(販売用不動産)水準のコントロール、短期・長期借入やCBの活用、為替・建設コストの管理が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 冷凍自動倉庫の「自動化」付加、自然冷媒対応等、規制対応・省人化の技術トレンドに沿った開発。
- 主力領域・収益牽引
- 不動産販売(28,284百万円/3Q累計)に加え、AM・PJM等(3,517百万円)やその他収益(賃料・金融商品等:16,298百万円)を積み上げ。
- ホテル(FAV HOTEL等)とヘルスケア(ホスピス)のポートフォリオ拡充。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前日終値:8,680円、直近終値:8,770円
- 会社予想EPS:507.96円 → PER:約17.27倍
- 実績BPS:1,495.97円 → PBR:約5.86倍
- 配当予想:120円(分割後ベース) → 予想利回り:約1.37%
- 参考比較(業界平均)
- PER(不動産業平均):約13.6倍
- PBR(不動産業平均):約1.6倍
- 補足指標
- 時価総額:約1,735億円
- TTM売上高:約6,889億円 → P/S:約2.52倍
- EV概算=時価総額1,735億円+純有利子負債約454億円(3Q時点現金約177億円、短期借入・流動化長期借入・CB等合計約631億円)≒約2,189億円
- EBITDA(TTM)約114億円 → EV/EBITDA概算:約19倍
- 注:EVは期末BS・CB含む概算、EBITDAはTTMのため厳密一致ではない。
7. テクニカル分析(短期)
- 10日間の推移:8,620〜9,260円のレンジで上下。9/8に9,130円まで上昇後、9/9に8,680円へ反落、9/10は8,770円。
- 年初来レンジ:4,580〜10,000円。現状は年初来高値からは下方、安値からは大幅上方の中位〜やや高めの水準帯。
- 信用動向:信用買残1,237千株(前週比+49千)、信用倍率2.20倍。買い残増・売り残減で、短期的な需給の偏りには留意が必要。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益:百万円)
- 売上高(TTM):68,855(2024/8期:65,686、2023/8期:37,283、2022/8期:20,781、2021/8期:14,296)
- 営業利益(TTM):10,855(2024:8,537、2023:4,443)
- 親会社株主純利益(TTM):6,797(2024:5,020、2023:2,051)
- 伸長傾向が継続(2021→TTMで売上規模拡大)。
- 収益性(TTM)
- 粗利率:約32.5%(22,409/68,855)
- 営業利益率:約15.8%(10,855/68,855)
- 純利益率:約9.9%(6,797/68,855)
- 金利負担:支払利息約79億円相当(百万円換算で793.8)に対し、EBIT約114億円 → インタレスト・カバレッジ約14倍。
- 3Q累計(2024/9/1〜2025/5/31、百万円)
- 売上高:50,549(+50.5%)
- 営業利益:9,370(+157.2%)
- 親会社株主純利益:4,053(+54.3%)
- 粗利率:約42%、営業利益率:約18.5%
- 財政状態(2025/5/31、百万円)
- 総資産:122,536、自己資本比率:24.1%(参考:実績ベース指標に34.6%の記載あり=期末時点との差)
- 現金預金:17,662、販売用不動産:51,677
- 負債:91,008(短期借入19,539、1年内返済予定の長期借入21,512、CB22,000等)
- 効率性
- 総資産回転率(3Q時点概算):約0.41回
- ROE/ROA
- ROE(実績):26.49%
- ROA(参考値):TTM純利益÷総資産期末(概算)≒6,797/122,536 ≒ 約5.5%(平均資産を用いた厳密算定ではない)
※ 四半期CF計算書は未作成注記あり。資金調達・在庫動向がキャッシュフローに影響しやすい事業特性。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年8月期予想:年間120円(分割後ベース)。配当利回り約1.37%。
- 参考:短信では分割前換算で240円の記載あり(1→2分割を実施)。
- 予想配当性向(目安):約24%(120円/予想EPS 507.96円)
- 自社株
- 自己株式保有:0.24%(23,700株)
- その他
- 2025/9/1に株式分割(1→2)を実施。流動性向上・投資単位の引下げ(最低購入代金は約87.7万円、単元100株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近モメンタム:9千円近辺での上下動。出来高は29.6万株(本日)と一定水準。直近で配当落ち・株式分割があり、需給面の影響要因が重なった期間。
- 信用需給:信用買い優勢(倍率2.20倍、買残増)。短期的な価格変動要因となり得る。
- マクロ・セクター要因:
- 円安・インバウンド回復はホテル領域に追い風の一方、金利動向・REIT市況はエクジット環境に影響。
- 建設コスト・人件費、環境規制(フロン規制)等がプロジェクト採算に影響。
11. 総評
- 事業面
- 物流(冷凍冷蔵・自動化)、ホテル、ヘルスケア、再エネ、海外の複合ポートフォリオで開発・売却・運用受託までの一貫モデルを指向。3Q時点で売上・利益は伸長、運用ファンド組成などストック収益の積み上げも進行。
- 財務・リスク
- 在庫・借入・CB等を用いた成長投資でBSはややレバレッジを活用。金利・市況・為替・建設コストの変動、エクジットタイミングが主要リスク。
- バリュエーション・株価
- PER・PBRは業界平均と比較して高い水準。P/SやEV/EBITDAも参考。年初来レンジでは中位〜やや高めの水準に位置。
- 需給
- 配当落ち・株式分割通過後、信用買い優勢。短期的な振れに注意が必要。
(注)本資料は提供データに基づく客観的整理です。記載内容の正確性には留意していますが、元データの期日差や換算基準(株式分割前後)により一部差異が生じる場合があります。投資判断は行いません。
企業情報
銘柄コード | 3498 |
企業名 | 霞ヶ関キャピタル |
URL | https://kasumigaseki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 不動産 – 不動産業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。