エムアップホールディングス(3661)企業分析レポート
株価:2,245円(2025-09-11)
市場:東証プライム/情報・通信業
時価総額:811.7億円
単元株数:100株(最低購入代金 約22.2万円)
1. 企業情報
- 事業概要
- アーティストやタレント等の有料ファンクラブ・ファンサイト運営、電子チケット(公式チケット、公式トレード)、周辺EC(グッズ・映像・オンラインくじ「Fanpla Chance」等)を一体で展開。
- IP(アニメ・キャラクター等)を活用したアプリ・Webサービス開発、受託開発、VR/AR・AI導入支援、アパレル・ライセンス・OEMなど周辺領域も手掛ける。
- セグメント構成(2026年3月期1Q、売上構成比)
- コンテンツ事業:約85%(ファンクラブ、デジタル会員、EC等)
- 電子チケット事業:約15%
- その他:僅少
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ
- 日本のエンタメ領域で、ファンクラブ・ファンサイト運営を中核に、電子チケットやECを連動させる「ファンプラットフォーム型」モデルを展開。ライブ・コンサート市場の回復・拡大を追い風に、会員・発券の増加が収益に寄与。
- 競合環境(例)
- 電子チケット・プレイガイド:ぴあ、ローソンエンタテインメント、イープラス等
- ファンクラブ運営・ファンマーケ:同業専業・レーベル/プロダクション内製化等
- 競争優位性と課題
- 優位性:ファンクラブ基盤(定期収益)×電子チケット(決済/認証)×EC(物販/デジタル)の垂直連携、公式トレードによる不正転売対策、IP横展開のノウハウ。
- 課題:人気アーティスト/IP偏重リスク、イベント動向への感応度、サーバー等コスト上昇や為替影響、他社・内製化との契約獲得競争。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(開示要約)
- 「ファンクラブを中核としたファン基盤の拡大」「デジタル×リアルの融合」「高収益事業比率の拡大」「海外展開・多言語対応」「新技術(Web3/メタバース『FANPLANET』等)の活用」。
- 具体的施策(1Qトピック)
- 有料会員拡大(先行抽選・会員施策強化、会費見直し等)。
- 公式トレード、プレミアム会員、デジタルカード等の周辺機能強化。
- ECの品揃え拡充とオンラインくじ拡大、海外入会導線整備。
- 通期計画(会社予想)
- 売上高 280億円(+8.6%)、営業利益 47億円(+15.6%)、純利益 25億円(+50.2%)、EPS 69.96円。
- 1Q進捗:売上 741.3億円 → 通期対比 約26.5%(単純進捗)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 定期課金(ファンクラブ会費)+非定期(チケット手数料、EC物販・デジタル商材、受託収入等)のミックス。会員基盤拡大とクロスセルでARPU向上を狙う。
- 変化対応力
- 公式トレード、デジタルカード、メタバース/海外対応など、新技術・新領域への展開を進めており、イベント需要の回復局面での獲得機会を取り込みやすい構造。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 電子チケットの本人認証・公式トレード機能、会員制プラットフォーム(動画配信・アプリ等)、Web3/メタバース「FANPLANET」など。
- 収益牽引領域
- 1Qはコンテンツ事業が売上・利益とも牽引(売上+29.4%、セグ利益+50.0%)。電子チケットも堅調(売上+14.0%、セグ利益+30.4%)。EC・オンラインくじの伸長が確認できる。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 2,245円、EPS(会社予想)70.24円、BPS(実績)221.73円、EPS(LTM)45.94円
- 指標
- 予想PER:約31.9倍(= 2,245 / 70.24)※会社開示31.66倍と同水準
- 実績PER:約48.9倍(= 2,245 / 45.94)
- PBR:約10.1倍(= 2,245 / 221.73)
- 予想配当利回り:約0.90%(会社予想 配当20円)
- 予想配当性向(単純計算):約28.5%(= 20 / 70.24)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 23.2倍、PBR 2.3倍に対し、同社はPER・PBRともに高水準。
- ROE実績 23.7%(LTMでは約29.6%)と資本効率は高め。
7. テクニカル分析(短期~中期)
- トレンド
- 直近10日終値:2,489円 → 2,245円と短期は調整局面。
- 50日線 2,190円、200日線 1,864円。株価は両移動平均線を上回り、中期の上昇トレンドは維持。
- 位置づけ
- 年初来高値 2,617円からは下方に位置、52週レンジ(1,209~2,617)の中上位帯。
- 需給
- 信用買残 37.6万株(前週比+7.1万)、信用倍率 5.80倍、売残減。買いに傾斜した信用需給は、上昇時の加速要因/調整時の圧迫要因となる可能性。
8. 財務諸表分析
- 損益(2026年3月期1Q:前年同期比)
- 売上高 74.1億円(+27.0%)、営業利益 13.9億円(+59.3%)、純利益 8.6億円(+80.2%)。
- 営業利益率 約18.7%、売上総利益率 約30.6%。収益性改善が進行。
- LTM(過去12か月、参考)
- 売上高 273.6億円、EBITDA 49.2億円、純利益 20.5億円、ROA 12.3%、ROE 29.6%。
- 財政状態(2025/6/30)
- 総資産 263.3億円、自己資本比率 29.9%、流動比率 121%。
- 現金等 123.8億円。契約負債(前受)67.1億円と運転資本構造の特徴が明確。
- セグメント利益率(1Q概算)
- コンテンツ:約18.8%(= 11.88 / 63.16)
- 電子チケット:約33.5%(= 3.63 / 10.85)
- キャッシュフロー
- 四半期CFは非開示(注記)。現預金は潤沢だが、前受科目が大きく、引当・消化のタイミングに留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期実績:年18円、今期会社予想:年20円(利回り約0.90%)。
- 予想配当性向(単純計算):約28.5%。
- 自社株
- 自己株式保有 約98.8万株(期末ベース、発行株式の約2.7%相当)。現行の取得方針・枠は資料上不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率 +78.8%と中長期の強さが目立つ一方、直近はイベント後の利益確定で短期調整。
- 関心度合い
- 機関投資家保有比率 約51%と安定的な株主基盤。直近の信用買い増加は短期のボラティリティ要因となり得る。
- 影響要因
- 大型アーティストの活動動向、ライブ公演数/動員、チケットトレード・不正転売対策需要、海外展開進捗、新技術サービス(デジタルカード/メタバース)など。
11. 総評
- 同社は「ファンクラブ×電子チケット×EC」を核に、ライブ市場回復と会員拡大の波を取り込み、1Qで売上・利益ともに高成長を示した。セグメントではコンテンツが規模を、電子チケットが高い利益率を支える構造が確認できる。
- 財務面では高ROE・高営業利益率が特徴。一方、自己資本比率は3割弱で、契約負債・前受金が大きい運転資本構造に留意が必要。
- バリュエーションは業界平均比でPER・PBRとも高水準。高い成長期待と資本効率が織り込まれている可能性があり、今後は会員基盤拡大の継続性、電子チケット・公式トレード/周辺サービスの収益化加速、海外・新技術領域の具体的な成果が注目点となる。
- 短期株価はイベント後の調整局面だが、中期トレンドは上向きで、次の業績発表や大型案件の動向がモメンタムに影響しやすい。
注記
– 本資料は公開情報に基づく客観的な情報整理であり、投資勧誘を目的とするものではありません。
– 一部指標は算術計算に基づく概算です。最新の有価証券報告書・決算短信等の原資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 3661 |
企業名 | エムアップホールディングス |
URL | https://m-upholdings.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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