NSユナイテッド海運(9110)企業分析レポート
株価: 5,480円(2025-09-11終値)/市場: 東証プライム/業種: 海運業
– 企業情報
– 概要: 外航・内航の海上輸送を主力とするバルク船会社。鉄鉱石・原料炭・鋼材・非鉄鉱・セメント・石灰石などドライバルクの輸送に強み。VLGC(大型LPG船)やタンカーによるLPG・石油製品等のエネルギー輸送も手掛ける。用船・船舶リース、トランプチャーター(スポット)も実施。
– セグメント: 外航海運(売上構成比 約87%)、内航海運(約13%)
– 船隊規模: 外航約140隻・内航約80隻(2025年6月25日現在、連結)
– 顧客・資本関係: 旧新和海運。日鉄海運と2010年に統合。日本製鉄が筆頭株主で鉄鋼原料の輸送が柱。日本郵船が大株主。
– 従業員: 656人/本社: 東京都千代田区大手町
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション: 日本発の中堅バルク専業系。鉄鋼大手との取引基盤(COA等の長期契約)が安定収益源。一方でドライバルク市況(スポット運賃)や為替・燃料の変動影響を受ける事業特性。
– 競争優位性:
– 鉄鋼原料・鋼材の安定需要に支えられた外航・内航の一貫輸送体制
– VLGCなどエネルギー輸送を含む船隊ポートフォリオによる分散
– 課題:
– ドライバルク市況のボラティリティ(パナマ運河制限緩和など船腹供給要因を含む)
– 環境規制対応(EEXI/CII 等)に伴う設備投資・運航コスト
– 為替(ドル/円)と燃料油価格の感応度
– 経営戦略と重点分野
– 基本方針(開示ベースの要点)
– 外航を中心に長期契約とスポットのミックスで収益変動を緩和
– 老齢船売却と船隊の若返り・効率化(2026年3月期1Qに老齢船売却益を計上)
– 内航は効率運航・燃料費低減で採算改善
– 配当は連結配当性向30%を基準に実施(内部留保と還元のバランス)
– 業績予想(2026年3月期・修正後)
– 売上高 2,070億円、営業利益 151億円、経常利益 130億円、当期純利益 164億円、EPS 695.93円
– 中計の数値目標等: –(本資料では具体記載なし)
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル:
– 外航ドライバルクを中心とする用船料・運賃収入(長期契約+スポット)
– VLGCなどエネルギー輸送の寄与
– 内航は鉄鋼・セメント・エネルギー関連の定期需要
– 持続性の観点:
– 主力荷主の存在と長期契約でベース収益を確保
– 市況・為替・燃料の外部要因に対し、船隊ポートフォリオと契約期間の分散で対応
– 環境規制対応・燃費改善・老齢船の入替により競争力維持
– 技術革新と主力製品
– 技術・運航面の方向性: 燃費性能向上、環境規制適合(EEXI/CII対応)、運航効率化(デジタル化含む)などが業界全体のテーマ
– 主力: ケープサイズ等のバルク船群、VLGC(LPG輸送)。内航はLNG/LPG・石油製品・セメント等
– 具体的な新技術導入計画: –(本資料では記載なし)
– 株価の評価(バリュエーション)
– 前提: 株価 5,480円、時価総額 1,306億円、予想EPS 695.93円、BPS 6,983.86円、LTM EBITDA 361億円、現金6,440億円/有利子負債8,206億円(単位は円換算に注意、以下は億円ベースで表記)
– 指標
– 予想PER: 7.83倍(会社予想ベース)
– トレーリングPER(LTM EPS 790.18円換算): 約6.9倍
– PBR: 0.78倍
– 配当利回り(予想): 約3.8%(年210円)
– EV/EBITDA(LTM): 約4.1倍(EV≒1,483億円=時価総額1,306+ネット有利子負債約177)
– P/S(LTM): 約0.54倍(売上約2,399億円)
– 業界平均との比較(提供値)
– 業界平均PER 7.8倍、PBR 0.8倍に概ね近い水準
– 補足
– ROE(実績)約11.9%、PBR 0.78倍の組合せは、資本効率に対し相対的に低PBRの構図
– 予想配当は配当性向30%目安(会社方針)に整合
– テクニカル分析
– トレンド: 直近10日で上昇基調(8/29の4,990円終値→9/11の5,480円)。年初来高値5,590円に接近。
– 位置関係:
– 50日移動平均 4,365円、200日移動平均 4,028円と比べ大きく上方に位置
– 52週高値 5,590円、安値 3,260円のレンジで高値圏寄り
– 出来高: 直近の平均(10日)12.8万株に対し本日は5.3万株とやや低調
– 財務諸表分析
– 損益推移(連結)
– 売上高(億円): 1,959(2022)→ 2,508(2023)→ 2,331(2024)→ 2,474(2025/3 LTM)
– 営業利益(億円): 267 → 325 → 216 → 202(直近は市況軟化で縮小)
– 当期純利益(億円): 236 → 276 → 180 → 186
– 粗利率: 16.6%(2022)→ 15.7%(2023)→ 12.5%(2024)→ 11.3%(LTM)
– 営業利益率(LTM): 約8.2%(表のOperating Income/Revenueでは約8.2%相当、別掲のOperating Margin 6.79%は定義差の可能性)
– 2026年3月期 1Q(4-6月)
– 売上 548億円(前年比-12%)、営業利益 37億円(-36%)、経常利益 29億円(-58%)、四半期純利益 60億円(+4.5%)
– 老齢船売却益 47.7億円を特別利益計上し純利益を下支え
– セグメント利益: 外航 28.7億円、内航 9.0億円
– 安全性・効率性
– 自己資本比率 56.5%(1Q末 57.9%)、D/E(有利子負債/自己資本)約50%、流動比率 約269%
– 現金6,440億円・有利子負債8,206億円でネット有利子負債は抑制的
– ROE 約11.9%、ROA 約4.0%
– キャッシュフロー: EBITDA(LTM)約361億円。四半期CF明細は未提示。
– 株主還元と配当方針
– 配当実績(2025/3期): 年間240円(中間115円・期末125円)
– 会社予想(2026/3期): 年間210円(中間105円・期末105円)
– 配当性向方針: 連結ベースで30%を目安
– 自社株買い: –(今回資料に記載なし、自己株比率は約1.7%)
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落 +26.6%。50日・200日線を大きく上回り上昇モメンタムが継続。
- ボラティリティ: ベータ(5年)0.39と低位。
- 需給・信用動向: 信用買残 84千株(前週比+7.9千)、信用売残 43千株(-36.6千)、信用倍率 1.94倍。インサイダー保有比率 54%でフリーフロートは相対的に小さめ。
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期近イベント: 2025/9/29 権利落ち(予定)
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総評(中立)
- 事業面: 鉄鋼原料・鋼材を軸に外航・内航の基盤があり、VLGC等のエネルギー輸送も保有。長期契約とスポットの組み合わせで収益変動を抑制する一方、市況・為替・燃料価格の影響は残る。
- 財務面: 自己資本比率・流動性ともに堅健。2026/3期1Qは売却益が純利益を下支え。LTMで利益水準はピークから調整。
- バリュエーション: PER・PBRとも業界平均に近い。EV/EBITDAは約4倍台、配当利回りは会社方針の配当性向30%に基づく水準。
- テクニカル: 52週高値圏に位置し、移動平均線との乖離は拡大。短期的にはモメンタム優位の一方、イベント(配当権利落ち、市況・為替)に伴う変動余地。
- 主なリスク/ドライバー: ドライバルク市況、為替(USD/JPY)、燃料価格、環境規制対応コスト、世界貿易・通商政策、パナマ運河等の物流制約。
出典・注記
– 決算短信(2026年3月期 第1四半期・2025/7/31公表)、提供の財務・株価データに基づく。数値は百万円・億円など単位混在のため文脈で明記。LTMと会社予想は期間が異なるため単純比較には注意。
企業情報
銘柄コード | 9110 |
企業名 | NSユナイテッド海運 |
URL | http://www.nsuship.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 海運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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