株式会社オリジン(証券コード:6513)の企業分析レポートを、個人投資家向けにわかりやすく整理しました。

1. 企業情報

株式会社オリジンは、1938年に設立された電源機器メーカーです。産業用電源機器の製造を起源とし、現在ではエレクトロニクス、メカトロニクス、ケミトロニクス、コンポーネント、半導体デバイスの5つの事業分野を多角的に展開しています。主要な製品は、通信・産業機器用電源、半導体製造装置用電源、ディスプレイ貼合装置、機能性塗料、精密機構部品、ダイオードなどの半導体デバイスです。海外売上比率も高く、グローバルに事業を展開しています。本社は埼玉県さいたま市に位置し、従業員数は1,036人(平均年齢46.5歳、平均年収687万円)です。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は古くから電源機器分野で実績を持つ大手企業の一つです。多角化戦略により、特定の市場に依存しない事業構造を構築しています。エレクトロニクス事業では通信・産業機器向け電源、メカトロニクス事業では貼合装置、ケミトロニクス事業では機能性塗料、コンポーネント事業では精密機構部品に強みを持っています。特に海外売上比率が高い点が特徴で、グローバル市場での競争に晒されています。足元では、半導体製造装置や医療用電源、EV関連といった一部の分野で需要の減少が見られ、中国市場の低迷も影響を受けている状況です。具体的な市場シェアのデータは開示されていませんが、多岐にわたる製品群で多様な顧客ニーズに対応しています。

3. 経営戦略と重点分野

決算短信によると、同社はマクロ経済の先行き不透明感(資源・エネルギー・原材料高、米国の通商政策、地政学リスク、中国経済の停滞など)を強く認識しており、これらの外部環境が設備投資やモビリティ(EV)市場に影響を与えていると見ています。
事業活動としては、メカトロニクス事業において、従来のDB(ディスプレイ・ボンディング)装置に替わるVSM(真空積層)装置の受注に注力するなど、新たな製品や技術の投入を通じて市場ニーズの変化に対応しようとする姿勢が見られます。通期業績予想(売上高30,000百万円、営業利益80百万円、経常利益400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益0百万円)の達成に向けて、各事業の収益性改善が重要な経営課題と考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

オリジンの事業モデルは、エレクトロニクス、メカトロニクス、ケミトロニクス、コンポーネント、半導体デバイスという多様なセグメントを持つ多角化経営です。これにより、特定の市場の変動リスクを分散させる効果が期待されます。海外売上比率が高いことは成長の機会となる一方で、為替変動、原材料価格の高騰、地政学リスク、および主要な輸出先である中国市場の景気動調が業績に直接的な影響を与える可能性があります。直近の業績では、通信向け電源は好調を維持しているものの、半導体製造装置関連、医療用電源、モビリティ関連、金融・事務機器などが低調であり、市場ニーズの変化への適応力が問われる局面にあると言えます。

5. 技術革新と主力製品

同社の技術は、電源機器を基盤としつつ、メカトロニクス、ケミトロニクス、コンポーネント、半導体デバイス分野へと多岐にわたります。
* エレクトロニクス事業:バックアップ電源システム、インバータ、マルチ出力電源など、特に通信・産業機器、半導体・光学製造装置、医療診断機器、EV関連機器向け製品を開発・提供しています。
* メカトロニクス事業:コンデンサ式溶接機、真空リフロー炉、液状接着装置、精密液体塗布装置などが主力で、ディスプレイ貼合装置等の高精度な生産設備が特徴です。
* ケミトロニクス事業:プラスチック基板や非鉄金属めっき用の特殊塗料を提供しており、モビリティ関連の需要に対応しています。
* コンポーネント事業:ワンウェイクラッチ、トルクリミッター、トルクヒンジなどの精密機械部品を手掛けています。
* パワーデバイス事業:整流ダイオード、SiCショットキーバリアダイオード、SiC MOSFETなどの半導体デバイスを提供し、独自の技術力を有しています。

これらの製品群は、それぞれの分野で特定の技術的強みを持ち、収益を牽引していると考えられますが、一部製品の需要低迷が直近の業績に影響しています。

6. 株価の評価

  • 現在の株価: 1,090.0円
  • 実績PBR: (連)0.25倍
  • 業界平均PBR: 0.8倍
  • 会社予想EPS: (連)0.00円

現在の株価1,090.0円は、1株当たり純資産(BPS)4,386.55円に対してPBR0.25倍と、業界平均PBR0.8倍と比較して低い水準にあります。一般的にPBRが1倍を下回る場合、純資産価値に比べて株価が割安であると評価されることがあります。しかし、会社予想EPSが0.00円(連結純利益が0百万円)となっているため、利益水準に基づくPER(株価収益率)は算出できません。現在の株価水準は、同社の純資産に対しては低いものの、収益性の回復が課題として挙げられます。

7. テクニカル分析

  • 現在の株価: 1,090.0円
  • 年初来高値: 1,193円
  • 年初来安値: 1,001円
  • 52週高値: 1,271.00円
  • 52週安値: 1,001.00円
  • 50日移動平均: 1,062.18円
  • 200日移動平均: 1,090.08円

現在の株価1,090.0円は、年初来高値1,193円と年初来安値1,001円の中間に位置しており、52週間の値動きから見ても高値圏でも安値圏でもない水準です。直近10日間の株価は1,079円から1,095円の範囲で推移しており、比較的狭いレンジでの動きが見られます。50日移動平均線(1,062.18円)は上回っていますが、200日移動平均線(1,090.08円)とほぼ同水準にあります。出来高は直近で3,800株と低い水準であり、市場の注目度は限定的である可能性が示唆されます。

8. 財務諸表分析

項目 2025年3月期 (過12ヶ月) 2024年3月期 2023年3月期 2022年3月期
売上高 28,803百万円 28,205百万円 32,036百万円 32,347百万円
営業利益 -246百万円 -583百万円 574百万円 2,128百万円
親会社株主帰属純利益 -83百万円 -1,468百万円 365百万円 2,180百万円
ROE -1.77% -0.35%
ROA -0.95%
自己資本比率 52.6% 52.6% 52.5% (Q1)
  • 売上高: 2022年3月期をピークに減少傾向にあり、直近の2025年3月期(過去12ヶ月)も前年と比較して伸び悩みが見られます。2026年3月期第1四半期は前年同期比で14.8%減の6,051百万円となりました。
  • 利益: 2022年3月期には営業利益21億円、純利益21億円を計上していましたが、2023年3月期には大きく減少、続く2024年3月期および2025年3月期(過去12ヶ月)は連結営業損失および連結純損失を計上し、赤字に陥っています。2026年3月期第1四半期も営業損失421百万円、親会社株主帰属純損失475百万円と赤字で推移しています。これは主にメカトロニクス事業や半導体デバイス事業の低迷、特定の顧客からの需要減、中国市場の悪化が影響しています。
  • 収益性指標: ROE(実績)は-0.35%、ROA(過去12ヶ月)は-0.95%と、現時点では収益性の指標はマイナスで推移しており、株主資本および総資産を効率的に活用できていない状況を示しています。
  • 安全性指標: 自己資本比率は52.6%(直近Q1で52.4%)と50%を超えており、財務基盤は比較的安定していると言えます。流動比率も2.75(275%)と高く、短期的な支払い能力も良好です。総負債/自己資本比率も8.33%と低く、借入金が少ない健全な財務状態です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.67%
  • 1株配当(会社予想): 40.00円
  • 配当性向(過去12か月): 65.89%
  • 5年平均配当利回り: 3.15%

同社は、連結で親会社株主に帰属する当期純利益が0円(会社予想)となるにもかかわらず、年間40.00円の配当を継続する方針を示しています。これは平均配当利回り(過去5年)を上回る水準です。足元の業績は赤字ですが配当を維持する姿勢は、株主還元に重きを置いていると考えられます。なお、配当性向65.89%は、過去12ヶ月の連結純利益(損失)に基づいて計算されており、利益が低迷している現状では、利益に対して配当負担が大きい状況であることを示唆しています。
株主構成を見ると、自社(自己株口)が20.76%を保有しており、自社株買いによる株主還元も実施していることが伺えます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、比較的狭いレンジ(約1079円~1095円)で推移しており、出来高も低水準であることから、短期的な強い上昇または下降の勢いは見られません。
信用取引においては、信用買残が95,000株と売残100株に対して非常に多く、信用倍率は950.00倍となっています。これは、将来的な株価上昇を期待して買い建てている投資家が多いことを示唆します。しかし、株価が上昇しない場合、これらの買い残が将来的な売り圧力となる可能性もあります。
株価に影響を与える要因としては、各事業セグメント(特に半導体関連、モビリティ、海外市場)の需要回復による収益改善が最も重要です。また、原材料価格や為替の安定、地政学リスクの動向も影響を与える可能性があります。

11. 総評

株式会社オリジンは、創業から長年培ってきた技術力と多角化した事業ポートフォリオを強みとし、安定した財務体質(高い自己資本比率、低い負債比率)を持つ企業です。しかし、過去数年間は売上高の減少傾向が続き、直近2期(2024年3月期、2025年3月期)は連結純損失を計上しています。2026年3月期第1四半期も赤字でスタートしており、収益性の早急な改善が喫緊の課題となっています。
特にメカトロニクス事業における中国市場の低迷や、エレクトロニクス事業の一部(半導体製造装置用、医療用、モビリティ関連)の需要減が業績に大きく影響しています。PBRは業界平均よりも低い水準にあり、純資産に対しては割安感があるとも見えますが、現在の収益力を考慮するとPERでの評価は困難です。
同社は安定配当(年間40円予想)を継続する方針を示しており、株主還元への意識は高いと言えますが、足元の業績状況からすると、その持続性には注意が必要です。今後の投資家関心は、世界経済の動向だけでなく、同社が多角化する各事業(特に低迷しているセグメント)でいかに収益力を回復させられるかに集まるでしょう。


企業情報

銘柄コード 6513
企業名 オリジン
URL https://www.origin.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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