日本空港ビルデング(9706)企業分析レポート
本資料は公開情報の整理・分析を目的としたものであり、投資判断を推奨・勧誘するものではありません。
1. 企業情報
- 概要
- 羽田空港国内・国際旅客ターミナルビルの建設・保有・運営を中心に、施設賃貸、施設利用料、広告・ラウンジ等の「施設管理運営業」、空港内売店・免税店や卸の「物品販売業」、レストラン・機内食等の「飲食業」を展開。
- 連結事業構成(売上構成比/2025.3期):施設管理運営業 39%、物品販売業 55%、飲食業 6%。
- 主な収益源は羽田・成田の免税店運営と、羽田空港ターミナルの家賃・施設利用収入。
- 基本データ
- 市場区分:東証プライム(不動産業)
- 従業員数:2,871人、平均年齢 40.6歳、平均年収 866万円
- 本社:東京都大田区羽田空港3-3-2
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 羽田空港旅客ターミナルの主要な「家主・運営主体」の一つ。国内最大級の空港である羽田の人流を背景に、賃貸・施設利用料と免税店を軸に非航空系収益を拡大。
- 競争優位性
- ターミナル保有・運営とリテール(免税・物販・飲食)を垂直統合している点でノウハウが蓄積。
- 羽田の高い評価(例:SKYTRAX等)と訪日需要回復の恩恵。
- 課題
- 航空旅客数の変動・為替(インバウンド消費)・物価・人件費の上昇に収益が左右されやすい構造。
- 規制・行政対応やコンプライアンス体制の強化が継続課題(2025年5月の違反案件を受け再発防止策を進行)。
※国内空港は各空港ごとに運営主体が異なり、定量的な市場シェア比較データは短信に記載なし。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- 長期ビジョン:「To Be a World Best Airport」
- 中期計画では非航空系収益の拡大、顧客体験向上、運営効率化、財務健全性の維持(自己資本比率約40%)を志向。
- 重点施策(短信等より)
- 施設管理運営業:旅客増を取り込む施設利用料・歩合賃料の拡大、賃料改定。
- 物品販売業:国内線売店の強化、卸売拡大。国際線免税は需要・為替動向を注視。
- 飲食業:営業時間拡大・品揃え最適化による収益性改善。
- ガバナンス強化:経営改善委員会・コーポレートガバナンス委員会の設置、取締役処分など再発防止策。
- 資本政策:ハイブリッドローンのリファイナンス、次期中計に向け資本構成と株主還元の検討継続。
- 通期見通し(会社計画、2026.3期)
- 売上高 3,000億円、営業利益 405億円、親会社純利益 245億円(5/9公表、8/6時点変更なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 固定賃料・施設利用料等の安定収益に加え、歩合賃料・免税売上など変動収益を組み合わせたポートフォリオ。
- 適応力
- 旅客回復局面では施設収入が伸長。インバウンドの変動に対しては国内線物販や卸売等で分散。コスト上昇(人件費・原材料)には運営効率化・価格最適化で対応。
- リスク
- 需要サイクル、為替、インフレ、金利・資本市場動向、規制・コンプライアンスの影響。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 主力領域
- 施設管理(家賃・施設利用料・広告・ラウンジ)、免税・物販(国内外店舗、卸)、飲食・機内食。
- 特徴
- ターミナル運営と免税・物販・飲食を一体運営し、顧客導線と売上最大化を図るモデル。Q1では施設管理と飲食が増益、物販は前年好調の反動や為替影響で減益。
- 第1四半期(2026.3期)セグメント概況
- 施設管理:売上 283億円、利益 61.6億円(旅客増・賃料改定)
- 物品販売:売上 374億円、利益 66.3億円(国内線は伸長、国際線免税は反動減)
- 飲食:売上 45億円、利益 2.0億円(旅客増で改善)
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 前日終値(参考):4,807円、直近終値:4,810円
- 会社予想ベース
- EPS(会社予想):264.00円
- PER(会社予想):18.22倍
- 過去12か月実績ベース(LTM)
- EPS(実績・表中Basic):295.61円
- 実績PER(参考):約16.3倍(= 4,810 ÷ 295.61)
- BPS・PBR
- BPS(実績):2,037.22円
- PBR(実績):2.36倍(= 4,810 ÷ 2,037.22)
- 配当
- 年間配当予想:90円、配当利回り:約1.87%(= 90 ÷ 4,810)
- 予想配当性向:約34.1%(= 90 ÷ 264)
- 参考比較
- 業界平均:PER 13.6倍、PBR 1.6倍
- 同社は業界平均と比べPER・PBRともに高い水準。
- EV/EBITDA(参考計算)
- 時価総額 4,480億円、純有利子負債 約1,207億円(有利子負債約2,035億円-現預金828億円)
- EV 約5,687億円、LTM EBITDA 667億円 → EV/EBITDA 約8.5倍
※上記は提供データに基づく概算。
7. テクニカル分析(短期)
- 直近10営業日:高値・安値を切り下げつつ、終値は9/1の5,013円から4,810円へ緩やかに下落。出来高は20~30万株台で推移。
- 年初来レンジ:高値 5,310円、安値 3,552円。現在値はレンジ中段よりやや上(高値から約9%下、安値からは上方)。
- 価格節目:5,000円近辺が上値として意識されやすく、4,780円前後に直近の下値水準が見られる。
8. 財務諸表分析
- 収益性(連結)
- 売上高:2,699億円(2025.3期/LTM)
- 営業利益:388億円、営業利益率:約14.4%
- 親会社純利益:275億円、純利益率:約10.2%
- 2022.3期~の推移:売上 571億 → 1,130億 → 2,175億 → 2,699億円と回復基調。利益も赤字から黒字化し増益継続。
- 効率性
- LTM EBITDA:668億円、減価償却費:約282億円
- 金融費用:34億円、実効の利払い負担はEBIT比で十分にカバー(EBIT/金利費用 ≈ 11.3倍)。
- 安全性・資本構成(2025/6/30)
- 総資産 4,736億円、自己資本比率 39.9%
- 現金預金 828億円、有利子負債 合計約2,035億円(短借・長借・社債)
- 流動比率 約177%、負債比率 約135%
- ネットD/EBITDA 約1.8倍(概算)
- 収益動向(2026.3期1Q)
- 売上 +5.6%、営業利益 △6.6%、純利益 +2.2%(前年同期比)
- 物販の反動減・コスト増で利益率はやや低下も、施設・飲食は堅調。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025.3期 実績90円、2026.3期 予想90円(中間45円・期末45円)
- 予想配当性向:約34%
- 自己株式:2026.3期1Q末 340,886株(短信記載)
- 自社株買い:公表資料に特段の記載なし
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は戻り売り優勢の推移。年初来では高値圏からの調整局面。
- 信用動向:信用買残 21.95万株、信用売残 2.59万株、信用倍率 8.47倍。買い長で、短期の需給は価格変動に影響を与えやすい構図。
- ニュース・イベント
- コンプライアンス対応(委員会設置等)進行中
- 直近イベント:権利落ち予定 2025/9/29、決算発表予定 2025/11/7
11. 総評
- 事業環境:訪日・国内旅客の回復に伴い、施設管理収入は堅調。免税・物販は為替や前年反動の影響を受けやすい。
- 収益・財務:営業・純利益ともに改善し、EBITDAとカバレッジは十分。自己資本比率は約40%で中計の目安水準。コスト上昇・金利動向には留意。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均を上回る水準。EV/EBITDAは約8.5倍(概算)。
- テクニカル・需給:短期は調整基調、年初来では中段上。信用は買い長。
- ガバナンス:コンプライアンス案件への再発防止策を実行中で、運営体制の強化を継続。
出所:提供データ(株価・業績・短信要約・各種指標)。数値は百万円表記を基本とし、比率・マルチプルは概算。実際の投資判断は最新の有価証券報告書、決算短信、IR資料等をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9706 |
企業名 | 日本空港ビルデング |
URL | https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/company/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 不動産 – 不動産業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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