テイカ(4027)企業分析レポート(プライム・化学)
株価: 1,339円(2025/09/11終値)
時価総額: 320.2億円/発行済株式数: 23,914,414株
1. 企業情報
- 概要
- 1919年創業の化学メーカー。酸化チタン(TiO2)と界面活性剤が主力の「機能性材料」、導電性高分子薬剤・圧電材料などの「電子材料・化成品」を展開。
- 高付加価値の微粒子酸化チタン・酸化亜鉛、表面処理品、光触媒用TiO2、赤外線遮蔽TiO2、アルミニウムリン酸塩などに強み。
- 電子材料分野では車載コンデンサ向け導電性高分子薬剤、医療診断用途向け圧電材料などの用途拡大を追求。
- 事業構成(連結、売上構成比・カッコ内は利益率の目安)
- 機能性材料 51%(5)
- 電子材料・化成品 47%(7)
- その他 2%(11)
- 海外売上比率: 41%(2025年3月期)
- 従業員: 838人、平均年齢41.2歳、平均年収652万円
- 本社: 大阪市中央区谷町
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の酸化チタンメーカーの一角。汎用品では大手化学・グローバル専業と競合する一方、微粒子・表面処理など高付加価値品で差別化。
- 電子材料は車載・医療用途での機能性(導電・圧電)に強み。
- 競争優位・課題
- 優位: 微粒子・機能化(表面処理)技術、化粧品原料/電子材料の用途開発力、国内外の顧客基盤。
- 課題: 原燃料・エネルギー価格、為替の影響が大きい。汎用品では国際市況・海外大手との価格競争も意識。定量的なグローバルシェアは非開示。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「MOVING-10 STAGE2」
- 成長事業(化粧品原料、電子材料)の拡大
- 新規事業創出
- 汎用製品の事業構造改革
- 直近期の進捗(2026年3月期1Q)
- 電子材料・化成品(特に車載用コンデンサ向け導電性高分子薬剤)や界面活性剤が堅調。一方で機能性材料の一部製品が低調。
- 通期予想は据え置き(売上590億円、営業利益33億円、純利益24億円、EPS 105.18円)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- ベースの汎用化学(TiO2/界面活性剤)と高付加価値の機能性材料・電子材料のポートフォリオ。景気や市況の変動耐性を高めつつ、成長領域でマージン向上を狙う構造。
- 適応力
- 高付加価値化(微粒子化・表面処理・複合機能化)と用途開発(化粧品、車載、医療)で需要変化に対応。
- 財務安全性が高く(自己資本比率66.6%、流動比率2.88倍、実質ネットキャッシュ)、投資余力あり。
- リスク
- 原燃料・エネルギー価格高止まり、為替、地政学・通商政策、在庫調整や需要変動。
5. 技術革新と主力製品
- 技術の独自性
- 微粒子TiO2/ ZnOの粒径・分散・表面処理制御、光触媒・赤外線遮蔽など機能化技術。
- 導電性高分子薬剤(車載コンデンサ向け)や医療向け圧電材料などの材料設計。
- 収益牽引領域(直近期)
- 電子材料・化成品事業が営業利益の約63%を寄与(2026年3月期1Q)。
- 化粧品原料・界面活性剤も販売堅調。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 1,339円
- 予想EPS(会社): 105.18円 → 予想PER: 12.73倍(= 1,339 / 105.18)
- 実績BPS: 2,582.42円 → PBR: 0.52倍(= 1,339 / 2,582.42)
- 参考比較(業界平均)
- 業界平均PER: 20.4倍、業界平均PBR: 1.1倍
- 同社はPER・PBRともに業界平均を下回る水準。
- 参考マルチプル
- EV/EBITDA(LTMベース概算): 約4.8倍[EV ≒ 320億 + 有利子負債115億 − 現預金124億 ≒ 311億;EBITDA ≒ 65億円]
- PSR(時価総額/売上高LTM): 約0.57倍(= 320億 / 558億)
- 補足
- ROE(実績)4.17%と低位であることが低PBRの一因とみられる一方、財務健全性は高い。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均: 1,286.8円、200日移動平均: 1,388.6円
- 現在値は50日線上・200日線下のレンジ(短期持ち直し、長期は下向き圏)。
- 価格レンジ
- 直近高安: 年初来高値1,710円/年初来安値1,041円(52週高値1,798円)
- 現在値は52週高値比約74%、安値比約+29%水準。
- 需給
- 信用買残9.2万株、売残0.53万株、信用倍率17.36倍(買い長)。前週比で買い残は微減。
- 出来高は直近10日平均が3カ月平均を上回り、短期の関心はやや上向き。
- 水準感(価格帯)
- 1,280~1,300円帯に直近の下値圏、1,350~1,400円に戻り待ちの節目が意識されやすい価格帯(短期価格推移からの観察)。
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(連結)
- 売上高(億円): 463.6(2022)→ 547.7(2023)→ 529.9(2024)→ 557.4(TTM)
- 営業利益(億円): 36.5 → 42.3 → 23.3 → 35.3(TTM)
- 当期純利益(億円): 28.5 → 29.9 → 18.7 → 24.2(TTM)
- 営業利益率(TTM): 7.01%(会社データ)、粗利率(TTM): 約18%
- 1Q(2025/4-6): 売上136.8億円(+0.5%)、営業益9.6億円(-17.9%)、純利7.5億円(-22.7%)
- 効率・安全性
- ROE 4.17%、ROA 2.39%
- 自己資本比率 66.6%、流動比率 2.88倍
- 総資産 882億円、現金124億円、有利子負債115億円(ネットキャッシュ約9億円)
- 金利負担は軽微(利息費用1.28億円、EBIT 36~37億円規模)
- キャッシュフロー
- 1QのCF計算書は未作成(注記)。減価償却費(1Q)7.37億円、のれん償却0.79億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/3期): 年間38円(中間18円、期末20円)
- 配当予想(2026/3期): 年間40円(中間20円、期末20円)、予想利回り約2.99%
- 配当性向(予想): 約36%
- 自己株式: 発行済の約4.6%を保有(自己株口)
- 主要株主
- 物産・商事が上位株主に名を連ね、インサイダー保有約40%、機関投資家保有約21.6%
- 権利落ち日: 2025/09/29(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日で1,280円台から1,350円近辺へ戻り、終値は1,339円。短期は小幅反発基調。
- 10日平均出来高が3カ月平均を上回り、イベント(配当権利取り時期接近など)を背景に関心が高まりやすい局面。
- 1Qは利益率が前年同期比で低下。原燃料・在庫水準・為替動向、車載・化粧品需要の強弱が短期の株価要因。
11. 総評
- 事業面
- 高付加価値の機能性材料と電子材料が強み。直近は電子材料・界面活性剤が牽引する一方、機能性材料の一部に弱含み。
- 中期計画では成長領域の拡大と汎用品の構造改革を継続。海外比率41%で市場分散も進む。
- 財務面
- 自己資本比率が高く、ネットキャッシュ基調で耐性は高い。ROEは4%台で改善余地がある。
- バリュエーション/テクニカル
- PER・PBRとも業界平均を下回る水準。EV/EBITDAも低位圏。
- 株価は50日線上・200日線下の中間ゾーンで、短期は反発、長期は戻り待ちの形。
- 留意点
- 原燃料・エネルギー価格、為替、需要動向(車載・化粧品)、国際通商政策の変化が収益・株価の変動要因。
- 1Q時点で通期予想は据え置き。第2四半期の進捗と在庫動向、利益率の改善状況が確認ポイント。
本資料は公開情報と提示データに基づく客観的な整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。不明点や追加深掘り(セグメント別の過去比較、為替感応度、EV/EBITDAの詳細分解等)があればご指定ください。
企業情報
銘柄コード | 4027 |
企業名 | テイカ |
URL | http://www.tayca.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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