TDK(6762)企業分析レポート

株価:1,991円(2025-09-11 終値)
市場:東証プライム/電気機器
時価総額:3.87兆円

1. 企業情報

  • 概要:電子部品の大手。主力はエナジー応用製品(二次電池・電源)、受動部品(コンデンサ、インダクタ等)、センサ、磁気応用(HDDヘッド等)、その他(メカトロ機器、スマホ向けアクチュエータ等)。
  • 事業セグメント(売上構成目安・2025.3期):受動25%、センサ9%、磁気10%、エナジー53%、その他3%。海外売上比率92%。
  • 用途分野:ICT、車載、産業・エネルギー、民生、医療等に幅広く供給。
  • 特記事項:2024/10/1に普通株式を1→5の株式分割。EPS等は分割後換算。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • エナジー応用(二次電池・電源)が売上と利益を牽引。
    • 磁気応用ではHDD用ヘッド・サスペンションに強み。
    • 受動部品(MLCC・インダクタ等)やセンサも広い顧客基盤を持つ。
  • 競争優位性:
    • 素材からデバイスまでの積層・磁性・薄膜等のコア技術と量産能力。
    • ICTから車載までの需要分散、グローバルサプライ体制。
  • 課題:
    • 自動車(特にBEV)向け需要の弱含みが受動部品に影響。
    • HDD市場は構造変化の影響を受けやすい一方、データセンター向けニアラインHDDは堅調との示唆。
    • 高い海外売上比率に伴う為替感応度。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方針(開示より把握できる範囲):
    • 収益源の柱であるエナジー応用製品の拡大と、センサ・受動部品の高付加価値化。
    • 研究開発投資の継続(Q1 R&D:646.9億円)と設備投資の実行(Q1 固定資産取得:605.1億円)。
    • 配当性向は中期方針で概ね35%目安を掲示(維持)。
  • 通期見通し(レンジ据え置き):
    • 売上高 2.12~2.20兆円、営業利益 1,800~2,250億円、親会社帰属利益 1,350~1,700億円。
    • 為替前提:対USD 140円、対EUR 155円(Q2以降想定)。
  • リスク認識:為替(円高)、米国関税動向、需要変動(車載・ICT)、原材料価格、地政学など。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:多セグメント・多顧客への部材供給。エナジー(電池・電源)が投下資本回収を牽引し、受動・センサ・磁気が補完。
  • レジリエンス:
    • ICT/データセンター関連が堅調でエナジー・磁気を下支え。
    • 自動車向けの循環影響はあるものの、ポートフォリオ分散で一部相殺。
  • 課題と適応:
    • エナジー依存度(売上比約5割超)の高まりは、市況変動の影響度を高めうるため、センサや受動の高付加価値化でのバランス取りが鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術的強み:磁性・圧電・薄膜・積層など素材起点のデバイス化技術、量産プロセス技術、メカトロ技術。
  • 主力・牽引領域(Q1セグメント利益):
    • エナジー応用:売上 2,855億円・セグ利益 553.7億円(セグ利益率約19.4%)。
    • 磁気応用:売上 545億円・セグ利益 62.9億円(約11.5%)。
    • 受動部品:売上 1,381億円・セグ利益 63.9億円(約4.6%)。
    • センサ応用:売上 464億円・セグ利益 26.9億円(約5.8%)。
    • その他:赤字(-24.8億円)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 1,991円、EPS(会社予想)71.14円、BPS 936.42円、配当予想30円。
  • 指標比較
    • PER(会社予想):27.99倍(業界平均 24.2倍)。
    • PER(過去12か月、参考):約22.6倍(= 1,991 / 88.08)。
    • PBR(実績):2.13倍(業界平均 1.6倍)。
    • 配当利回り:1.51%(5年平均 1.62%、配当性向目安 35%、足元 34.1%)。
    • 参考EV/EBITDA:約9.7倍(EV≈3.83兆円、EBITDA≈3,962億円)※概算。
  • 補足:PERは予想と実績で差があるため、指標解釈時は前提の違いに留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド:
    • 50日移動平均 1,825円、200日移動平均 1,720円に対し株価 1,991円で上方。中期的な上昇基調。
  • 位置づけ:
    • 52週高値 2,113.5円・安値 1,165円。現状は高値圏寄り(高値比約-5.8%)。
  • 足元の値動き:
    • 直近10日で年初来高値圏(2,102円付近)を試した後に反落し2,000円近辺での推移。出来高は3カ月平均(約769万株)を上回る日が多く、参加者関心は高め。

8. 財務諸表分析

  • 成長性(連結、IFRS)
    • 売上高:2.18兆円(2023.3)→ 2.10兆円(2024.3)→ 2.20兆円(過去12か月)と回復基調。
    • 営業利益:1,668億 → 1,728億 → 2,242億円と増益傾向。
    • 親会社帰属純利益:1,313億 → 1,147億 → 1,672億円(過去12か月)。
  • 収益性
    • 売上総利益率:約31~32%(過去12か月:31%台、Q1:31.7%)。
    • 営業利益率:過去12か月 10.5%、Q1 10.5%。
    • 純利益率:過去12か月 約6.7%、Q1 約7.7%。
    • ROE:実績 9.53%(過去12か月スナップショット 8.32%)。
  • 安全性
    • 自己資本比率:約49~51%(実績 50.8%)。
    • 流動比率:1.65倍。
    • 総有利子負債:約6,698億円、現金等:約7,104億円で実質ネットキャッシュ基調。
    • D/E(総負債/資本):約37%。
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:4,322億円(過去12か月)。
    • レバードFCF:1,512億円(過去12か月)。
    • Q1 投資CFは固定資産取得の増加でマイナス(成長投資継続)。
  • セグメント(Q1)
    • エナジーが売上・利益とも最大。受動部品は車載減速の影響で伸び悩み。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当予想:年間30円(中間15円・期末15円)、予想配当性向 約34%。
  • 方針:中期で配当性向35%目安を掲示(据え置き)。
  • 自己株式:発行済の約2.38%を保有(過去の実施反映とみられる)。当期の新規自己株買い開示は本データ内では未確認。
  • その他:2024年に1→5の株式分割を実施(流動性向上目的)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:50日・200日線上で推移し、年初来高値圏を試す動き。直近は2,000円付近でのもみ合い。
  • 需給・信用動向:
    • 信用買残 212万株(前週比 -15.4万)、信用売残 105万株(+18.0万)、信用倍率 2.03倍。買い方の整理と売り方の増加が同時進行。
  • 出来高:直近出来高は平均超の水準が続き、イベント前後で関心は高め。
  • 近接イベント:
    • 権利落ち日:2025-09-29(予定)
    • 決算発表:2025-10-30(予定)
    • これらイベントが短期の需給・ボラティリティに影響する可能性。

11. 総評

  • 事業面:エナジー応用製品が収益を牽引しつつ、受動・センサ・磁気で分散。車載減速や為替の逆風はあるが、ICT・データセンター向けが補完している。
  • 財務面:営業利益率10%台・ネットキャッシュ基調・十分な流動性を確認。営業CF・FCFともに安定し、投資と株主還元の両立が可能な体制。
  • バリュエーション:予想PERは業界平均を上回り、PBRもプレミアム。実績ベースPERは業界平均水準~やや下程度(参考値)。成長期待と収益構造の違いが指標差に反映。
  • テクニカル:移動平均線上での推移かつ高値圏寄り。直近は高値試し後の調整局面。
  • 留意点:為替、米国関税、車載需要の変動、HDD関連の需要動向が主要変数。セグメントの収益バランスと投資回収の進捗が注目ポイント。

(注)本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値は提供データ範囲内で記載し、定義差のある指標(例:予想/実績ベースPER等)は解釈に留意してください。


企業情報

銘柄コード 6762
企業名 TDK
URL https://www.tdk.com/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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By シャーロット

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