ニッタ(5186)企業分析レポート
株価: 4,120円(2025-09-12終値)/市場: 東証プライム/時価総額: 約1,206億円
本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資助言を目的としたものではありません。不明な項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要: 伝動用ベルトの草分け的存在。主力のベルト・コンベヤ製品に加え、ホース・チューブ、化工品(エラストマー等)、空調・計測関連などその他産業用製品、不動産、関連会社への経営指導、その他事業(自動車教習、山林等)を展開。海外比率は約32%(2025年3月期)。
- 主な製品・技術:
- ベルト: PolySprint、Polybelt、New Light Grip、Super Endless、カーブベルト、各種コンベヤユニット(カーブ/スパイラル/蛇行防止等)
- ホース・チューブ: 熱可塑性ホース、継手、クリーン継手、スピードコントローラ、バルブ、クイックカプラ
- 化工品: 産業用ワイパ、各種シール(スライド/リップ/テレスコ/カバー)
- フィルタ・計測: エア・ケミカルフィルタ、クリーンシステム、除菌装置、粒子・微生物計測
- メカトロ: 自動ツールチェンジャ、スイベルジョイント、インターフェースユニット、Intelimerテープ、RFID磁性シート、ロボットハンド「SOFTmatics」
- 顧客業界: 産業機械、物流・搬送、自動車、半導体・液晶・電子部品、環境・エネルギー、食品、医療等
- 会社基礎: 1885年創業、本社大阪。代表取締役社長 北村精一
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 伝動用ベルト・コンベヤ領域で国内大手。ホース・チューブ、半導体関連の消耗材・周辺機器でも実績。
- 事業構成(売上構成目安/2025.3期・会社公表区分):
- ベルト・ゴム製品 約33%
- ホース・チューブ製品 約35%
- 化工品 約14%
- その他産業用製品 約13%
- その他(不動産・経営指導等)約5%
- かっこ内の数値(例: 12など)は資料上の利益率目安と解釈されるケースがありますが、厳密な定義は資料原典をご確認ください。
- 競争優位・課題(定性的):
- 優位: 長年のブランド・顧客基盤、用途特化の高付加価値品(クリーン向け・粘着技術・メカトロ周辺)と多角化(不動産・経営指導等)による収益安定性。
- 課題: 自動車・建機・半導体など景気・サイクル影響を受けやすい分野を含む。中国自動車向けの弱含みや原材料・人件費上昇、品質保証コストの一時的発生が利益変動要因。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(公表資料の事実整理):
- 価格転嫁の継続や原価・物流費のコントロールに取り組み、収益性の安定化を目指す。
- 半導体・物流(搬送)・建機など回復/成長分野の需要を取り込む一方、自動車関連の地域差(中国等)に対応。
- 関連会社の経営指導事業や不動産の安定収益も維持。
- 中期経営計画の進捗: 第1四半期時点で通期予想は据え置き(2025/5/9公表値を維持)。数値目標やKPIの詳細は本四半期短信では明示不足。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: ベルト・ホースなど交換需要のある汎用~高付加価値品に加え、クリーン・半導体関連やメカトロ周辺の機能製品を組み合わせるポートフォリオ。関連会社からの持分法利益、不動産賃料、経営指導収益なども下支え。
- 耐性・適応:
- 原材料・人件費上昇には価格転嫁を継続。
- 需要サイクルの平準化には製品多角化・地域分散(海外売上比率32%)が寄与。
- 品質保証費用など一時コスト発生は利益変動リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術の独自性: 低発塵・静電対策などクリーン環境対応、感温性粘着(Intelimer)、ロボットハンドなど、搬送・自動化領域での応用技術を保有。
- 収益牽引:
- 物流向けベルト、電子部品向け粘着テープが堅調(Q1)。
- 半導体向け(持分法適用会社含む)は概ね堅調(Q1会社コメント)。
- ホース・チューブは売上は堅調だが、製品補償の一時費用で利益が圧迫(Q1)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 4,120円
- 予想EPS(会社):約415.26円 → 予想PER約9.9倍(会社公表値: 9.92倍)
- 過去BPS(実績):約5,475円 → PBR約0.75倍(会社公表値: 0.75倍)
- 予想1株配当:145円 → 予想配当利回り約3.52%
- 産業平均比較(提供値):
- 業界平均PER: 10.3倍 → 当社は平均をやや下回る水準
- 業界平均PBR: 0.9倍 → 当社は平均を下回る水準
- EV/EBITDA(参考計算)
- EV概算: 時価総額1,206億円 − 現金390億円 + 有利子負債0.02億円 ≈ 816億円
- EBITDA(直近12か月・財務表ベース): 約182億円
- EV/EBITDA ≈ 約4.5倍
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日移動平均: 4,011円、200日移動平均: 3,747円 → 現在値は両移動平均を上回る上昇トレンド局面。
- 年初来高値: 4,200円/安値: 3,145円 → 現在は高値圏に近い水準。
- 直近10日値動き: 4,080円前後から4,120円へ。9/9に4,200円を付け高値トライ。出来高は直近で平均(約2.9万株)を上回る場面(本日4.7万株)。
- 抵抗・支持(価格帯の観察):
- 抵抗: 年初来高値付近(4,200円)
- 支持: 4,000円〜4,050円帯(50日線近辺)
- ボラティリティ: 5年β 0.26と低め。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、単位: 億円相当)
- 売上高: 2022/3 8,373 → 2023/3 8,800 → 2024/3 8,861 → 直近12か月 9,028
- 営業利益: 534 → 499 → 442 → 516(営業利益率 5%台)
- 当期純利益: 1,049 → 1,085 → 986 → 1,213
- 傾向: 売上は緩やかに増加、利益は一時的な費用計上や持分法利益の変動で振れ。
- 収益性・効率:
- 直近粗利: 約2,425億円(率 約26.9%)
- 営業利益率: 5%台
- ROE(実績): 8.23%/ROA(直近): 1.81%
- 安全性・流動性:
- 自己資本比率: 85.3%(6/30時点 84.8%)
- 現金等: 約390億円/有利子負債ほぼゼロ(約0.2億円規模)
- 流動比率: 約444%(Q1)
- 第1四半期(2026年3月期、4-6月)ハイライト:
- 売上 2,162億円(前年同期横ばい)、営業利益 109億円(同-5.7%)、純利益 274億円(同-9.0%)
- セグメント利益: ベルト堅調、ホースは補償費用の一時計上で低下、化工品は増益、経営指導は増益
9. 株主還元と配当方針
- 2025年3月期実績: 年間140円
- 2026年3月期予想: 年間145円(中間72円・期末73円)
- 予想配当利回り: 約3.5%
- 配当性向(提供指標): 約30.9%(水準としては30%台)
- 自己株式: 発行株式の約5%保有(1,571,907株)。自己株買いの新規方針は本資料では未確認。
- 主要株主: 信託銀行口、創業系・関係会社、自己株式など。インサイダー保有比率約37.9%、機関保有約18.0%(提供データ)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線を上回り、年初来高値圏トライの推移。直近の出来高はやや増加。
- 信用動向: 信用買残 18,400株(前週比 +7,300)、信用倍率 4.60倍 → 短期的には買い越し基調。売残は減少。
- 外部要因・注目点:
- 中国自動車向け需要の弱含み、原材料・人件費・運賃の変動
- 半導体・物流分野の需要動向
- 為替の影響、国際情勢(関税政策・中東情勢など)
- 9/29の権利落ち(配当)スケジュール
11. 総評
- 事業面: ベルト・搬送、クリーン/半導体対応、メカトロ周辺などの高付加価値領域に強み。需要サイクルの影響は受けるものの、事業多角化と関連会社収益、不動産・経営指導等が利益の下支え。
- 財務面: ネットキャッシュが厚く(時価総額比約32%の現金)、自己資本比率も高水準。営業利益率は5%台で安定推移。
- 株価評価: 予想PERは業界平均を下回り、PBRも1倍を下回る水準。配当利回りは3%台半ば。EV/EBITDAは参考計算で4倍台。
- 市場動向: 株価は年初来高値圏で推移し、短期的な需給は買い越し気味。今後は半導体・物流向けの需給、自動車(特に中国)の動向、原材料・物流費、品質関連コストの動向が注目点。
(注)本資料は提供データと会社開示に基づく要点整理です。投資判断は各自の責任で原資料・最新開示をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 5186 |
企業名 | ニッタ |
URL | http://www.nitta.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – ゴム製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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